「齊藤工 活動寫眞館」について

齊藤工 活動寫眞館・参拾参 神尾楓珠。

「齊藤工 活動寫眞館」について

俳優、斎藤工。そして、映画監督、齊藤工。表舞台であらゆる「人物」を演じ、裏方にまわり物語をクリエイトしていく。齊藤工がいま見つめるものとは、何か。彼自身がシャッターを切り、選び出す。モノクロームの世界に広がる、「生きた時間」を公開していきます。今回は、この春に出演するドラマや映画が相次いで公開される俳優・神尾楓珠が登場。

1月某日、スタジオにはいつになくたくさんの衣装が並んでいた。
俳優・神尾楓珠を撮影するにあたり、齊藤が決めたテーマは「ジェンダーフリー」。女装と、汚れメイクを施した男性的なイメージの2パターンを対照的に見せたいという。

「神尾さんに初めて会ったのはNHK『運命に、似た恋』のロケで、石川県七尾市の病院だったと思います。その時の印象は美少年というカテゴリーより美少女で、その衝撃を鮮明に覚えています。なので今回のような撮影をご提案させていただきました」

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ふたりが共演した「運命に、似た恋」の放送は2016年。神尾は齊藤演じる主人公の少年時代を演じていた。

前の仕事を終えた神尾がスタジオに到着。その綺麗な顔立ちを目の当たりにして、お母さま似ですか?と思わず編集者が尋ねると、父親似なんです、という。撮影に備えて、まずは女のメイクに取りかかった。

どうでしょう、とヘアメイクのMAKIに声をかけられメイクルームに行くと、神尾が鏡越しに、少しはにかんだように微笑んだ。彼はその場にいる誰よりも美しい女性に変身を遂げていて、皆が思わず感嘆の声を上げた。

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スタイリストの藤長祥平は、光沢のあるグレーのブラウスをラフに着せて、パールのネックレスを合わせた。齊藤のアイデアで、そこにイヤリングもプラス。端正な顔立ちの神尾の耳元で彫刻のようなイヤリングが揺れるさまは、ドキッとするほど美しい。

自然光の入る窓辺で撮影がスタート。神尾の表情に寄って、齊藤が次々にシャッターを切っていく。

引きのカットを撮る時に、神尾は女性でもためらうほどヒールの高い靴を履いた。その様子を見て齊藤は、「無理しなくて大丈夫だよ」と心配そうに声をかける。神尾はよろけそうになって笑いながら、ヒールでしっかりと元の位置に立った。

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メイクと衣装をチェンジして神尾が再び皆の前に現れた。先ほどの美少女は姿を消し、ワイルドな青年がそこに立っていた。そんな神尾を見て、齊藤は「こっちのほうが綺麗……」と呟いた。そしてさらに汚れメイクを足し、煙草を吸うところを撮りたいとリクエストした。

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スタジオ内でしばらく撮った後、屋外スペースにも出て撮影を続行。神尾が煙草を吸う様子はさまになっていてとてもカッコいい。女装の時とはカメラに向ける眼差しもまるで違っていた。

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メイクと衣装を変えることで、同じ人から引き出される表現がここまで変わるのだと、神尾は鮮やかに証明してみせた。そしてそれこそ齊藤が神尾を「ジェンダーフリー」というテーマで撮影したいと提案した理由のように思われた。

初めてヒールを履いた感想を神尾に尋ねると、「女の人って大変だなと思いました」と笑った。写真を見たいという神尾に齊藤がカメラを渡すと、彼は無心になったように、時折おかしそうに笑いながら液晶画面に見入っていた。

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「いざ撮り終えてみると、女性性を纏っている時にこそ感じる男性性、その逆も然りと不思議なクロスポイントがあったように感じました。

漢っぽいショットの奥に、やはり感じる美しさ。新たな時代の新たな開拓をしていくであろう日本のティモシー・シャラメこと神尾楓珠からこれからも目が離せない」

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神尾楓珠 FUJU KAMIO
東京都出身。2015年に俳優デビュー。テレビドラマや映画に出演するほか、19年10月には『里見八犬伝』で舞台初出演。池田エライザとW主演したTBS系ドラマ「左ききのエレン」でドラマ初主演、高い評価を得る。テレビ朝日系ドラマ「鈍色の箱の中で」に出演中。4月からNHKドラマ「いいね!光源氏くん」、日本テレビ系ドラマ「ギルティ〜この恋は罪ですか?〜」に出演。6月に出演映画『裏アカ』、7月に『私がモテてどうすんだ』の公開が控えている。
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TAKUMI SAITOH
移動映画館cinéma bird主宰。長編初監督作『blank13』(18年)が国内外の映画祭で8冠獲得。18年、パリ・ルーヴル美術館のアート展にて白黒写真作品が銅賞受賞。19年も出品。日本代表として監督を務めたHBO Asia “Folklore”『TATAMI』、同企画第2弾“Foodlore”『Life in a box』が映画祭およびBS10スターチャンネルにて放送中。企画・制作・主演の『MANRIKI』、企画・脚本・監督・撮影の『COMPLY+-ANCE』が公開中。21年公開予定の『シン・ウルトラマン』では主演を務める。

stylisme : SYOHEI FUJINAGA, coiffure et maquillage : MAKI

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