連載【石井ゆかりの伝言コラム】第10回「お彼岸」&「秋分の日」

石井ゆかりの伝言コラム

第10回「お彼岸」&「秋分の日」

早くも秋ですね。
今年の夏は豪雨から酷暑と、めまぐるしいようなお天気に振りまわされた感じがありますが、秋はもう少し穏やかに過ごしたいなと思います。
星占いは「光の季節」を刻む時計のような世界で、12星座と暦とはバッチリ重なっています。すなわち、昼の時間と夜の時間が同じになる日が春分の日と秋分の日ですが、春分の日が牡羊座の始まり、秋分の日が天秤座の始まり、となっています。夏至が蟹座の始まり、冬至が山羊座の始まりで、この4つのポイントを結んで1/4のクオーターに分けられるのです。秋分の日は星占い的には「春分で始まって春分に終わる一年のちょうど半分、折り返し地点」ということになります。

春は種まきの季節で、夏は作物が生い茂る季節、秋は収穫の季節、冬は静かに春を待つ季節、と位置づけると、秋の始まりが「てんびん」座なのは、なかなか面白く感じられます。厳しい冬と来年の春に向けて、収穫した作物をきちんとはかり、計画的に配分しなければならないのが秋だからです。12星座は、牡羊座から乙女座までと、天秤座から魚座までとでは、少し違ったカラーを持っています。前者はどこか「個人的・身内的な世界」で、後者が「他者のいる社会・人間の集団」という意味合いを含んでいるのです。厳しい季節ほど、人が団結し、支え合って、組織的に生きることが求められた、ということなのかもしれません。

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日本では、春分と秋分の日は「お彼岸の中日」です。お墓参りなどして「彼岸(川の向こう岸)」に語りかける時期となっています。あの世からご先祖が帰ってくる時期といえばお盆ですが、時間のなかに世界の「境界線」を感じ取ろうとする人間の感性がここにも表れている、と思われます。
「この世とあの世」という分け方は、世界が区切られている、という感覚ですが、同時に、自分が生きているのが「この世」で、死んだあとにあるのが「あの世」というふうに、時間の境目と考えることもできます。
星占いは、星の「動き」と「時間の流れ」を重ね合わせるような占いですが、時間の流れと「その位置・空間に星がある」という空間性を、やはり重ね合わせ、混じり合わせて読み取ろうとするところがあります。
時間と空間は、私たちの頭のなかでは、全く別のモノと認識されていますが、一方で、私たちは結構、時間と空間をあまり切り分けずに、一体として扱っているところがあるのかもしれません。本来、ブツブツ切り分けたりできないはずの時間の流れを、暦や行事など、さまざまな節目で自由に区切ってしまいます。また、お祭りなどでは、ひとつの場所を時間で区切って、鮮やかに変身させてしまいます。お祭りの最中と、お祭りの終わったあととでは、まるで同じ場所だとは思えないほど、違った風景が広がります。

一般には、お祭りも、節目となる時間も、「社会によって決められた」ものです。でも、個人の生活のなかでも、そうした特別な時空をつくっている人が結構多いように思います。たとえば、好きなアーティストの誕生日に「聖地」に行くことにしている人や、恋人と出会った日を毎年お祝いする人などがそうです。毎年必ずこの場所で桜を見る、とか、毎年恒例のイベントを企画する、なども、立派な「時間の境目」の創造だと思います。人生の時間をさまざまな方法で意味づけていくこと。私たちは自分たちが思うよりもずっと、実は、時間を楽しむ能力に恵まれているのかもしれません。

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Illustration : SHOGO SEKINE

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