一度書き上げた原稿を、じっくり推敲するような時間です。できあがっておしまい、ではなく、それを自分の中にいるもうひとりの自分として、見つめ直し、練り直すことができるのです。自分を客観視するということは、どんな場合でも簡単ではありませんが、この時期は不思議と「一度辿った道を、もう一度別な眼差しで見つめながら辿り直す」ことが、楽しく感じられるようです。
一度通った道と二度目の道では、印象がまったく変わります。また、同じ道でも進む方向が逆ならば、やはりイメージがガラッと変わります。この時期はそんなふうに、ひとつの道をいろいろなかたちで何度も辿ることが大切なのかもしれません。一度訪れただけでは決してわからない「その場所」のことが、今週とてもよくわかるようです。初めは「異邦人」だったのに、何度も訪れるうちにそこが「地元」のような場所となるかもしれません。