アマンタカ<br>ルアンパバーン/ラオス

人々の優しさに満ちた、ラオスの古都のアマンタカ。

Lifestyle

日本でもにわかに注目を浴びつつあるラオスの古都、ルアンパバーンですが、この町は、首都のビエンチャンよりも観光客に人気の町として知られています。とりわけヨーロッパの人々は、古い伝統や歴史が残る町を好むことから、メインストリートの観光客のみならず、住みついてレストランやカフェ、ファッション関係のブティックを経営する人々にも、フランス人やイタリア人が多くいます。

ルアンパバーンの町中で早朝の托鉢を終えた若い修行僧たち。托鉢は町の風物詩。

そんな町の動脈ともいえるのはメコン川とナムカーン川。これら2本の川がとうとうと流れて合流し、豊かな漁場となり、また川沿いの豊饒な土地を養うように豊かな農産物を生み出しているのです。早朝マーケットや、ナイトマーケットには、私たちが見たこともない野菜や魚類、調理品、少数民族の人々が守り抜く伝統民芸品もずらりと並び、豊かな食文化や、シンプルでも日常生活に困らない様子がうかがえます。同時に町には豊かな自然が残され、信仰心の厚い“争いごとを嫌う”穏やかな人々が暮らし、旅行者に対してことごとく優しく接してくれるのです。

ルアンパバーンを代表する寺、ワット・シェントーンはルアンパバーン様式。

王宮のある旧王国の古都として栄えたルアンパバーンの町並みや、フランス植民地時代の風情ある町並みの中で営まれる貴重なライススタイルを保護するため、1995年、ユネスコは世界遺産として町ごと登録をしました。そんな町の旧市街を抜けた静かな地区に、ラグジュアリーなリゾート「アマンタカ(AMANTAKA)」が佇んでいます。開業は2009年7月。今回、3度目に訪れたアマンタカは、当時と少しも変わらぬ趣で、静謐で優雅なリゾートとしてゲストをもてなしていました。

中庭の中央に造られたプールを囲み、客室用ヴィラが点在。

「AMANTAKA」という名前はサンスクリット語の「AMAN(平和なる)」と、上座部仏教の経典で「仏陀の教え」の意味があるトリピタカの「TAKA」に由来し、「平和なる仏陀の教え」という意味が隠されています。その名のとおり、慈悲深い地元の人々とともにゲストを優しく迎え、媚びることのない豪華さを披露しています。

リゾートはフランス植民地時代から政府が使用していた建物であり、全15棟、客室24室の贅沢なヴィラで構成されています。そのうちの9棟はすでにユネスコ世界遺産により保護されていたために、改装や修復には特に慎重にならざるを得なかったといいます。

客室ヴィラ内のリビングエリア。それぞれヴィラのデザインが異なり、いずれも広く贅沢な造り。

寝室はどこもほぼ同じスタイル。高い優雅なベッドでぐっすりと睡眠。

ロケーションは町の喧騒を離れた静かな環境にあり、豪奢なコロニアル建築として歴史をいまに伝えています。中庭のプールを囲んで周囲に点在するゲスト用のヴィラのほかに、スパ、ライブラリー、レストラン、ブティックなどがあり、滞在中は、「さすがアマン……」と思うことの連続でした。ホテルのアクティビティの中でも、早朝の暗いうちに参加する“托鉢”では、心洗われる思いがしましたし、ナイトマーケットの散策、寺巡りやメコン川下りなどもラオスらしい穏やかな時間でした。ほかにも、旧市街の散策でフランス風カフェでのお茶タイムや、民芸品のショッピングなど、わくわくしながら毎日が過ぎてゆきました。

プールスイートのプライベートプール前のパティオで。お茶もインルームダイニングも可能。

アマンでは、この専用車やトゥクトゥクで町内に行きたいゲストを送り迎え。遠出や飛行場への送迎は高級車で。

アクティビティとしてメコン川をクルーズするアマン専用のボート。中はとてもゴージャスな造り。

とはいえ、町中でも、アマンタカ滞在中も、とても印象的だったのは人の優しさに触れられたことでした。少し前に、米国の「NYタイムズ」での調査で、「アジアで最も行きたい町」ランキングのトップに輝いたというルアンパバーン。この画期的なニュースの中でも、理由の筆頭は“優しい地元民”であり、このことが世界に知れわたりました。町の開発はゆっくりですが、世界遺産の町ですから当然注目されています。それでも人々は極端な近代化に走らず、先人たちの文化を守っているのです。ルアンパバーンこそ、いま行っておくべき町でしょう。アマンタカでも、「毎日笑顔でもてなす地元スタッフを誇りに思う」と、現在の総支配人ドナルド氏がうれしそうに語っていたのを思い出します。(K.S)

AMANTAKA
55/3, Kingkitsarath Road, Ban Thangchaleun,
Luang Prabang, Lao PDR
tel:+856-71-860-333  
www.aman.com
部屋数:24室
料金:610USドル(1名1室1泊)、 760USドル(2名利用1室1泊)
※シーズン料金あり、税サ別、空港送迎含む
施設:レストラン、ギャラリー、ライブラリー、スパ、屋外プール、ほか
アクセス:ルアンパバーン国際空港から車で約10分
ルアンパバーンへはバンコク、ハノイ、中国各都市から運行。

※無断転載禁止

photo : AMANTAKA

Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/series/bon-voyage/171101.html