ガルニエ宮殿とバレエの未来は、ロボットにお任せを!

パリとバレエとオペラ座と。

オペラ・ガルニエ、オペラ・バスティーユに次いで、2015年に生まれたパリ・オペラ座の3つ目の舞台はバーチャルステージの3e Scène(トロワジエム・セーヌ)。サード・ステージを意味し、ここを舞台にバレエ、オペラに題材をとったデジタルクリエイションが次々と生まれている。

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『L’Entretien』のポスター。なぜロボットが羽根ばたきを持ってるのだろうか……見てのお楽しみ。© Opéra national de Paris/ Les Films Pelleas

昨年12月から視聴できるようになった『L’Entretien』はアマンディーヌ・アルビッソンとロボットのミッキーが出演する作品で、セリフがないので目と耳で楽しめる。英語のタイトルは『Storage』、記憶装置である。地球上からあらゆる人類が消え、残るはロボットだけという設定で、オペラ・ガルニエ担当のロボットはミッキー。彼はガルニエ宮殿の屋根から地下までを警備し、ピアノの調律もすれば、劇場内のお掃除も。バレエの継承すら彼が担っているのだ。だから毎晩バレエをステージ上に再現するのも、レパートリーを記録しているミッキーである。今宵は、アマンディーヌ・アルビッソンの儚げな美しさが未来時間のステージに漂う……。

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イラストレーターのウーゴ・ビアンヴニュと監督のフェリックス・ド・ジヴリによる約9分の作品には、ガルニエ宮で観客が日頃目にすることのできない場所も映像にたっぷりと含まれている。© Opéra national de Paris/ Les Films Pelleas

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サード・ステージをさらにチェック!

サード・ステージで現在視聴できる約60の作品の中から、オペラ座のダンサーが出演し、言語にとらわれずに楽しめる作品を以下にいつくか紹介しよう。自宅にいながら、オペラ座の作品を無料で鑑賞!

Ascension
ジャコブ・サットンによる2分59秒のアートビデオ。ジョン・ホプキンスの音楽にのせてジェルマン・ルーヴェとオニール八菜が、オペラ・バスティーユ、オペラ・ガルニエ内で浮遊するようにロマンティックなパ・ド・ドゥを踊る。

 

Laura
アルノー・ユテンホーヴによる11分56秒のドキュメンタリー。出演はローラ・バックマン、フローラン・メラック、オニール八菜、キャロリーヌ・オスモン、ジュリエット・イレール、 レティツィア・ガロニ。主人公のローラはオペラ座のダンサーであること、クラシック作品を踊ることについて疑問を持ち、考え直し……というダンサーの日常を追った作品だ(注 : ローラ・バックマンは現在ベルギーのアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルのカンパニーで踊っている)。英語字幕付き。

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Breathing
マーサ・グレアムの作品を踊るオレリー・デュポンを杉本博司が小田原で撮影したアートビデオ。7分26秒。

 

Portraits d’Étoile de Benjamin Millepied
バンジャマン・ミルピエ前芸術監督がディレクションした、エトワールたちのポートレートシリーズ。ドロテ・ジルベールをはじめ、当時のエトワール17名のポートレートがシリーズで見られる。

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L’Après-Midi d’un Faune
カリム・ゼリアヘンによる、ロシアンバレエをテーマにした3分53秒のドキュメンタリー。フランソワ・アリュ(プルミエ・ダンスール)がドビュッシーの音楽にのせて踊る、ニジンスキー振り付けの『L’Après midi d’un faune(牧神の午後)』を、ヌレエフの映像とともに。

 

Apollon Musagète
上と同じくカリム・ゼリアヘンによる1分40秒のドキュメンタリー。ジョージ・バランシン振り付けの『Apollon Musagète(アポロン・ミューザゲート)』を昔の映像と、ドロテ・ジルベールとミリアム・ウルド=ブラームが踊る映像で。

『Apollon Musagète』
www.operadeparis.fr/3e-scene/apollon

 

Nephtali
『ポカホンタス』や『ターザン』などディズニーのアニメを描いたグレン・キーンによる3分43秒のアートビデオ。踊るマリオン・バルボーをモデルに、チャーミングな妖精ネフタリが生まれる。

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Pattern of Life
ジュリアン・プレヴューによる15分59秒のアートビデオ。出演はアリスター・マダン、カミーユ・ドゥ・ベラフォン、ヤン・サイズ、ニノン・ロー、グレゴリー・ドミニアック。2014年にマルセル・デュシャン賞を受賞したアーティストの作品らしく、コンテンポラリーアートを見ているよう。

 

La Grande Sortie
アレックス・プレガー監督による10分のフィクション。出演はエミリー・コゼットとカール・パケットでオペラ・バスティーユを舞台に展開する。ふたりが踊る『ジゼル』が、音楽がストラヴィンスキーの「春の祭典」に変わるや森は暗闇の怪しい世界へ。エミリー・コゼットのどぎついメイクとクローズアップの多用で、怪奇的な雰囲気に満ちている。英語字幕付き。

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©Opéra national de Paris

 

大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。

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