パリ4月のマルシェ 「いちごのティラミス」
パリのマルシェとレシピ。
しだいに日が長くなってきて嬉しい!夕方のテラスでのアペロが心地良い季節の到来です。
マルシェにも春野菜が、どんどん出てきました。
今日は16区Marché Auteuil マルシェ・オートュイユへ。
いわゆる高級住宅街なので、さすがに物価は高めですが食材のクオリティーが良い。 客層 や治安も悪くないので安心して買い物ができます。
どの八百屋にも華々しくアスパラといちごが山盛りで、急に気分が上がる。
ひときわ大繁盛でスタンドの両側に列ができているのは、Rue d’Auteuilオートュイユ通りに面した角の八百屋。普通は温暖なスペイン産の野菜が多いのですが、フランス産のものをなるべく仕入れているとのことで、隣に並んでいた近所のレストランのシェフのお墨付きです。
Petits poisプチポワ(グリンピース)をシェフが大量にお買い上げ。ポタージュにすると聞いただけで、もう美味しそう。
柔らかい春キャベツ、人参と小さな蕪。大好きなものが揃い、見ているだけで嬉しく笑顔になってしまう。
新玉ねぎも美味しい青いところは、大阪風のネギ焼きにするのが楽しみ。
白い艶やかな肌が眩いようなアスパラは鮮度抜群。
アスパラを選ぶときは必ず底の切り口を見て、ひび割れたり、乾燥しすぎていないものを。北海道の家庭菜園でアスパラの収穫をした時に、ナイフで根元を切ると水道の蛇口のように、どど〜っと水が滴り落ちてびっくり。アスパラとは本来とってもみずみずしいものだったのですね。
ブルターニュからのいちごは、夏のヴァカンスを思い出す。
こちらはGariguetteガリゲットという品種で南仏産。他のいちごの倍のお値段ですが、甘く香り豊かで断然美味しい。
春はやっぱり貝。太平洋側Oléronオレロン島からの牡蠣のスタンドも人気。
ムール貝もいい。後ろのポスターにあるのは、スタンドに立つオーナーの娘さんだそうで、自慢の我が子にニッコリしていました。
さて、今日は温かくなってきてワクワク満載のマルシェでしたが、新鮮ないちごを使ってデザートを作ってみました。
■『いちごのティラミス』
Tiramis aux fraises
いちご 300g
砂糖 80g
レモン汁 小さじ1
マスカルポーネ 150g
生クリーム 100ml
ビスキュイ 8個
(シャンパーニュ地方 Reimsのビスキュイ・ロゼを使っていますが、普通のビスキュイ、もしくは市販のカステラでも)
1洗ってヘタを取ったいちご200gと砂糖、レモン汁を合わせ、ブレンダーで撹拌。残りのいちごは、薄切りにして取っておく。
2ボールに生クリームを泡立ててから、マスカルポーネを少しずつ加えて混ぜる。
3①のいちごシロップを加えて混ぜ合わせる。
4グラスに1cm角くらいに切ったビスキュイを敷いてから、いちごを入れ③のクリームをのせ食用花か、いちごを飾る。
生卵を加えずにシンプルに作って、いちごの旨味を楽しみます。
ピクニックのデザートにも是非!
■Marché Auteuilマルシェ・オートュイユ
Place Jean Lorrain 75016 Paris
営)水・土 7〜14時
メトロ9・10番線Michel-Ange-Auteuil
SACHIYO HARADA
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業 適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理 教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo