パリ9月のマルシェ 「旬の秋なすでアペリティフ」
パリのマルシェとレシピ。
パリは、9月に入って急に寒くなってきました。
今日は久々に、パリ13区イタリー広場のMarché Auguste-Blanquiマルシェ・オーギュスト・ブランキへ。拙著“パリのマルシェを歩く”の中でも紹介しているのですが、この大きなマルシェ、日曜日はひときわ賑わっています。
八百屋は、まだまだ夏の野菜やフルーツの“名残り”と秋の“走りもの”が入り混じって、種類が多く彩り豊か。
今が最盛期のフランス産、イタリア産ぶどうが山盛り。
これも、最高潮に美味しいイチジク。中が完熟でジャムのようになっています。
今を逃さじ!と大量買い。
このマルシェで一番好きなパリ近郊農家の野菜。 セロリの根が見事なこと!広場から進んで中ほどの左、大きなスタンドの両側から行列ができているのが目印。
パリでは数年前から自家焙煎のコーヒーブーム。いつの間にか、こんなスタンドLes Cafés de Françoisが出来ていました。寒いので、オーナーのFrançoisフランソワさんが淹れるコーヒーを一杯頼むと、これが美味しい! 早速、同じ豆を挽いてもらいました。パッケージがおしゃれな上に、家に帰るまでいい香りに包まれて嬉しい気分の休日に。
日曜はここ、土曜はSaxe-Breteuilのマルシェに出店しています。
わ〜い! ドーンと“きのこ祭り”ついでに、このスタンドは“イケメン祭り”。ここの自慢は、ありがちな廉価のポーランド産ではなくて、すべてフランスの森や山で採れたもの。お買い得、大ぶりなセップ茸が飛ぶように売れていきます。他にも、きのこが盛り沢山‥続きはインスタへ。
アルザス名物“シュークルート”も寒くなると食べたくなるもの。肉屋の片隅で、もうもうと上がる湯気に思わず誘惑されて買ってしまいました。
東北地方ピカルディー農園の名産、今年のリンゴも出揃って。
Hokkaido大人気!見ているだけで楽しいカボチャ・コレクション。
葉山の家の庭で抜いても抜いても、しつこく生えていた雑草Pourpier(スベリヒユ)。ここではデトックス効果の有るハーブとして食されています。
長く連なるスタンドを最後まで歩くと、ご褒美のように角にある美味しいビオのパン屋L’Essentielレッセンシャル。日曜は外にもスタンドを出して、さらに行列が。いつも買うのは、シリアル入りとクルミやドライフルーツの入ったもの。
今日は、小ぶりな紫と白の なすを見つけたのでマリネを作ってみました。
■『秋なすのマリネ、ヴェルジュ風味』
Aubergine mariné au verjus
ー材料(4人分)
なす 4本
オリーブ油 大さじ2
ミニトマト 10個
バジル 少々
ピーマンエスプレット(又は、一味唐がらし) 少々
−マリネ液−
Verjus(又は、ワインヴィネガーか穀物酢) 大さじ4
アガーブシロップ(又は、はちみつ) 大さじ1
薄口醤油 小さじ1
塩 小さじ1/4
1. なすを縦4等分に切り分け、水に晒してアク抜きし、水気を切っておく。
フライパンにオリーブ油を熱して、蓋をして蒸し焼き。柔らかくなったら取り出し、トマトをさっと炒める。
2. 1をマリネ液を合わせたものに30分ほど漬けて、味をなじませる。
3. バジルとピーマンエスプレットを散らす。
Verjusベルジュは、フランス・ペリゴール地方の青いぶどうを搾って造った伝統的な酢。(日本では通販で入手可)ふんわりとしたぶどうの香りと柔らかな酸味を気に入ったシェフたちが使っています。(ワインヴィネガーを使うときは鍋に入れて、さっと火を入れると酸がまろやかに)
これから秋本番! ますます食材が豊かになってくるマルシェに通うのが楽しみです。
■Marché Auguste-Blanqui マルシェ・オーギュスト・ブランキ
Bd Blanqui 75013 Paris
営)火・金・日 7時〜14時30分
メトロ:5・6・7番線Place d’Italie駅下車
または、6番線Corvisart駅下車
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業 適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理 教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo