10月 パリから農園へ「リンゴで熱々パンケーキ!」
パリのマルシェとレシピ。
先週末、パリから南西へ車で30分、ヴィルタン農場へ行ってきました。
畑の入り口には、ハロウィンのデコレーションがあって、急にワクワク。
ミニカボチャで、季節の彩りを愉しもう! と自宅の飾り用にいくつか買ってみました。
入り口のパネルを見ながら、今日収穫できる野菜を探していきます。
畑の中に入ると、どうよ、この圧巻のカボチャの量! 子どもたちが歓声を上げながら駆け寄って、親たちは撮影大会で楽しそうです。
こちらでは毎月、チーズ祭りやリンゴジュースのアトリエなどさまざまなイベントが催されているのですが、今月はハロウィンのランタン作り。
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それから目指したのは、リンゴ畑。9月には“リンゴ収穫祭”があったのですが、出遅れました。一輪車で運ぶ人たちが笑顔。
まだまだありました!
なんと可愛らしい姫リンゴ!
畑の隣に放牧されている牛は、大量に落ちているリンゴ欲しさに駆け寄ってきます。あげてもあげても、満ち足りない方々。みんな大好きなのですね。
カボチャとリンゴの興奮が落ち着いて、野菜畑に向かうと……
バターインゲンが豊作。なごりのインゲンが肉厚で、これほど立派だとは!
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秋の蕪もいまが旬。フランス人は皆、葉を捨てていますが、私にとっては大ご馳走。嬉々として持ち帰り、漬物や菜飯にします。
自家栽培の穀物や藁で飼育されている、牛の糞を堆肥にしたリッチな土壌で育った根菜は、この時期さらにおいしい。
40年前から始まったこの農場で、独自に工夫を凝らしてきた有機農法は、環境に配慮してゴミを出さずに活用、循環させながらすべてのものと共存していく方法。
なるほど、ここの農産物のおいしさはどのように成り立っているのか、知れば知るほど感心することばかりです。
春に来た時には開放されていなかった夏野菜の畑。今年最後のトマトや茄子も少しずつ収穫しました。
いたるところで働いているてんとう虫たち、お勤めご苦労様です!
畑の後は、農場のマルシェでお買い物。
隣にはチーズ工房が。
初夏のイチゴや木の実、秋の栗、牛乳のコンフィチュールなど、すべて農園で育ち加工されたおいしいものが並んで。朝食が楽しくなりそう!
ここで1950年代から作っているバター、ヨーグルトやチーズは、パリのエピスリーにも卸しています。いちばん人気は、色とりどりの自家製コンフィチュールを入れたヨーグルト。
さて、収穫したリンゴをカゴに入れて帰宅。可愛い姿を眺めながら作った夕方のおやつをご紹介します。
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■リンゴのパンケーキ
Pancake au pomme
<生地>
小麦粉 30g
卵 1個
牛乳 50㏄
砂糖 大さじ1
バター 大さじ1
<仕上げ>
粉砂糖 少々
<トッピング>
リンゴ 小1個
バター 小さじ1
シナモンパウダー 少々
ー 作り方
1. オーブンを220℃に予熱する。
2. ボールに小麦粉を振るい入れる。別ボールに卵、牛乳、砂糖を入れて泡だて器で混ぜ、小麦粉のボールに少しずつ注ぎ入れながら混ぜる。
3. うつわにバター大さじ1を入れ、予熱したオーブンの中に入れる。バターが溶けてうつわが熱くなったら生地を流し入れ、櫛形に切ったリンゴ、その上にバター小さじ1、シナモンパウダーをのせる。膨らんで少し色づくまで15分くらい焼く。
4. 生地が焼きあがったら粉砂糖を振る。
寒くなると、いつもこれが食べたくなります。熱いミルクティーと一緒に、ぜひどうぞ!
Chemin de Viltain, 78350 Jouy-en-Josas
営)14~18時(月) 9時~18時(火~日) 無休
畑の案内:www.viltain.fr/notre-cueillette
農場:www.viltain.fr
Instagram:@fermedeviltain
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。16年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo