いぬパリ

コタンタン半島、月明かりの庭のイングリッシュセッター

いぬパリ

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こんにちは、吉田パンダです。今回は番外編。ノルマンディーはコタンタン半島の小さなログハウスに来ています(ロックダウン前の話)。普段物欲はまったくと言っていいほどないんですが、ある時何かが欲しくなると後先考えず予算とかもどうでもよくなり、試乗もせずに車を買っちゃうタイプです←いつぞやのオープンカー←ひどい目にあった。そんな熱病で、つい最近までご執心だったのがオイルランタン。薄暮に浮かぶのは、トロール漁に使われていたという船舶用ランタン。約100年の歴史を誇る、オランダはデンハーロッテルダム社製ですのよ奥様。ご興味のある方はリンクからどうぞ。

www.dhr.nl

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ランタンスタンドは、日本のスノーピーク社製パイルドライバーを使っています。こういうものがほんとに売っていないんです、フランス。さて、次にご紹介しますランタンは、、120年前のニューヨークで、、←いや、犬を紹介してよ。

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はいはい、犬を紹介する前に、いまいる場所を少しご紹介します。ここは広い敷地の中に、小さなログハウスが一軒だけ。隣の小屋はバーベキュー道具などが収納されています。Seloger Vacancesというサイトでこの場所を見つけました。ホテルに滞在するのもよいですが、こういうサイトで宿泊先を探してみるのも楽しいですよ(フランス語のみですが、、)。

https://vacances.seloger.com

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ログハウス敷地内には、ボートを浮かべられる小さな湖も。

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「ただ知っていればいいんだ湖が遠いどこかで澄んでいること」(ひぐらしひなつ)

今年のコロナ禍において自分が大切に思っていたのが、心の中にある「澄んだ湖」でした。それがあるかぎり大丈夫というか、誰にでもその「澄んだ湖」のような存在が必要なんじゃないかと最近思っているんですが、それは置いておいて、ちょっと実際に湖を見に行こうと思い立ち(?)、ここにしばらく泊まってみました。

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朝靄。

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このログハウスのオーナーであるアルフレッドおじいちゃんがある日、「今晩はちょっと夜更かしをして、夜中の1時に湖面に浮かぶ満月を眺めるといいよ」と教えてくれました。水鏡に浮かぶ月を愛でるとは、やるなアルフレッド。「ここで月明かりに照らされたふたりは、永遠に結ばれるって知っていたかい?」と彼女を口説いていたに違いない。

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小屋の中もご紹介。室内はコンパクトな作りです。扉の向こうは寝室になっています。番外編なので、今回はちょっと長編ですよ。

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お供はこちら。家猫ノアさま。旅する猫に育てるべく、今後もあちこち連れていこうと思っています(ペット用キャリーもあるし)。持ち運びベッドはあづきのおさがりで、、←泣くな。

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ガチャーン!! 天井が階段になり、ロフト部分(ふたつ目の寝室)に上がれるようになっています。

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ある日の食卓。室内でもランタン。手前は1900年代前半に作られたフランス、ピジョン社製のオイルランタンです。「爆発したら10,000フランを保証します(いまの価値で500万円ほど)」との謳い文句で人気を博し、当時どの家庭でも使われるほどだったとか。

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月明かりに照らされる、星空の庭。夜中の1時頃ですが、向こうに見える塔のある建物が、オーナーの家。なんと築13世紀というのだから、すごいですね。

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翌日、オーナーのアルフレッドが「アペリティフにおいでよ」とご自宅に招いてくれました。ちょうど1年前に奥様が亡くなり、それ以来悲しみがどこにもいかないんだと話すおじいちゃん。わかります、今日は呑みましょう←結局アペリティフで1本空けた。

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親戚が集まる大広間。アルフレッドはこの場所で生まれたそうです(まさにこの部屋で)。奥様が亡くなる前、結婚50周年の集まりがこの家であったんだよとアルバムも見せてくれました。「こんな立派な家もあって、息子や孫に囲まれている。親戚もよく来てくれるんだ。でも、僕のマドレーヌはもうここにいない、、」←何を話しても、オチはマドレーヌになる。

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洞窟状態のワインカーヴ。お、ランタンがあるな、、。

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さて、ようやく犬のご紹介です。「フィガロジャポン」で犬の話を書いていると言ったら「ウチにもいるよ!」とアルフレッド。

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おすわりっ!! 80代とは思えぬ大声です。「聞こえましぇーん」と顔を背けるのはイングリッシュセッターのレーヌくん、8歳。キッチンで一芸を披露してくれるそうです。

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「いいかレーヌ! 日本のメディアに載るんだぞ! しっかりやるんだぞ! 芸を見せるんだ!! わかったか!!」

言いつけに対するレーヌくんの気持ち、よーく顔から伝わってきます。アルフレッド、お手柔らかに、、。

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「よし、いつもみたいにこのスリッパをテレビ前の椅子まで持っていくんだ。アレ!!」

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(楽しくないんだよな〜)

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「できたよ!おわったよ!」

解放されたとばかりに、部屋中を走り回るレーヌくん。

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「おやつはまだですかい、、」

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「もう一度だ!」と命じるアルフレッドに、「もういやじゃ!」と吠えるレーヌくん。

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「あの、、ぼくが3回くらいうまくやったって、書いておいてもらえますか」

わかったわかった。うまいこと書いておくから。見た目の高貴な毛並みに比して、仔犬のようにやんちゃなレーヌくんでした。次回も引き続き番外編。コタンタン半島にある、ヨーロッパで2番目に大きい灯台を訪ねます。どうぞお楽しみに。

吉田パンダ

写真家。長年住んだパリを離れ、現在フランスはノルマンディー地方にて、犬猫ハリネズミと暮らしている。庭づくりは挫折中。木漏れ日とワインが好きで夢想家、趣味はピアノ。著書に『いぬパリ』(CCCメディアハウス刊)がある。instagramは@taisukeyoshida

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