ベンチのある暮らし。スタイリッシュに和みの時間を。

PARIS DECO

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Anne-Fleur Broudehoux アンヌ=フルール・ブルドゥウー
Roseanna 共同創立者&デザイナー

ボボたちが暮らし、仲間と集う人気のパリ10区。人口が増え、不動産価格が上がる一方のボボ地区は徐々に拡大を続け、北の18区方面へとその境界線を広げている。2人目の子供の出産に際し、より広いアパルトマンを2年前に探したアンヌ=フルールが見つけたのも、以前住んでいた通りを北上した場所である。

東駅からそう遠くない場所に彼女が見つけたのは、120平米のオスマニアン・スタイルのアパルトマンだ。オフィスだったという場所を大改装し、カメラマンの夫、4歳の長男ジョセフ、そして2歳半の次男ザカリの4人で暮らしている。キッチンもバスルームもなかったオフィスをアパルトマンに改装するにあたり、夫妻は義姉の室内建築家とアイデアを寄せ合い、理想的な居住空間を作り上げた。

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ベンチシートを設けたダイニング・コーナー。テーブルの天板は古い中国のパゴダの扉で、それにインテリア・ブティックCaravaneが販売しているテーブル用の脚を組み合わせた。チューブ状のランプはネットショッピングで。

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リビングルーム。特製の黒い暖炉がコントラストを描く壁もあれば、赤でアクセントをつけた壁も。80年代のアビタの赤い椅子はこの壁に赤のアクセントが欲しいから、と掘り出したものだ。いずれピアノを置こうと思っている場所にオルガンを置き、その上に祖母が描いた絵画を飾った。

通りに面した広いダイニング・リビングは、とても天井が高い。これはバルコニーとともに、オスマニアン建築においてエタージュ・ノーブル(貴族のフロア)と呼ばれる3階の特徴である。白く広がる空間内、黒い縦長のシンプルなラインの暖炉が目をひく。

「工事の前は、とってもクラシックな大理石の暖炉があったのよ。でも私たちが探し求めていたのは、こういった古いタイプじゃなく、もっとピュアな空間だったの。それで、こうしたモダンな暖炉に作りかえたの。古い暖炉はその施工者が買い取ってくれたのよ」

暖炉の前に置いた濃紺のソファが、ダイニング・コーナーとの境をなしている。家具やランプなどは以前のアパルトマンで気に入って使っていたものがほとんど。例外はこのソファで、スペースに合わせて以前より大きなサイズのものに買い直した。

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通りに面したダイニング・リビング。外のバルコニーはこの左の子供部屋まで長く続いている。

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木の板をジグザグに合わせた床や天井の装飾など、典型的なオスマニアン建築。そのクラシックな空間にモダンテイストをマッチさせた暮らしだ。

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アンヌ=フルールのご主人はカメラマンのティエリー・ルブラリー。リビングの壁に沿ったコンクリートのベンチは、上に彼が撮影した写真を飾り、下に写真集を整頓できるという良いアイデアである。

「この新しいアパルトマンでは、ダイニング・コーナーとキッチンの食卓にはベンチシートを作ってもらったの。ベンチシートは椅子とちがって、座る人数が限られないでしょう。だからちょっと詰めあって座ったりすることで、和やかな雰囲気が生まれるのよ。ダイニングのベンチシートのクッションの布は5種類のチョイスの中からザカリにどれがいい? と聞いたら、この赤と青のストライプを選んだの。なぜかっていうとスーパーマンの色だから。私が自分で選んでいたら濃い緑か黒になっていたと思うから、彼の選択に感謝してるわ。キッチンの食卓は家族4人がいつも食事をとる場所だけど、ここもベンチシートなので、親しい友人たちと肘をぶつけあってディナーをとる、ということもあって……。楽しいわ。私、このアパルトマンでいちばん好きな場所がキッチンの一角のこの食事のスペースね」

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キッチンの一角に設けられたダイニング・コーナーはアンヌ・フルールのお気に入りの場所だ。眼がモチーフの品やアスティエ・ド・ヴィラットの陶器など、彼女が愛するオブジェや食器を壁の棚に。

≫ 快適で機能的なベッドルーム、大切にしている子どもたちとの時間。

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ダイニング・キッチンの奥が夫妻の寝室だ。中庭に面し、とても静か。この寝室でアンヌ・フルールをすごく喜ばせている、2つのことがある。

「寝室の奥の小さなスペースに水の配管がきていたので、小さいけれどシャワールーム、それに洗面所を作ることができたのよ。これはすごくうれしいわ。そして、この壁一面のドレッシング! パーム・スプリングスのエース・ホテルの客室にこうした扉が並んでいて、そのアイデアをいただいたの。ホテルでは装飾的な扉だったけれど……」

自分のブランドを持ち、服が大好きなアンヌ=フルールには大きなドレッシングが不可欠である。ご主人と半々で使っている、と彼女はいうが、実際はかなりなスペースを彼女のワードローブが埋めているらしい。

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夫妻の寝室。ベッドのヘッドボードはコルク素材で、その上には2人の子供たちの写真が並べられている。ベッドの右側が洗面台で、その奥がシャワールーム。ベッドの向かい側が壁一面のドレッシングとなっていて、快適かつ機能的なベッドルームである。

子どもたちの部屋はダイニング・リビングの隣で、通りに面している。昼間は2人が一緒に遊べるひとつの空間で、夜は引き戸で仕切って、2つの寝室となる作りだ。引き戸は黒板となっていて、自由にお絵かきを楽しめる場でもある。これは夫妻が友達の家で見つけたアイデアだという。2人のためのバスルームには、2つの洗面台が並んでいる。ここではブロンドの兄弟が仲良く並んで歯磨きをする微笑ましい光景が見られるそうだ。

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長男ジョゼフの部屋。遊びにきた友達が泊まれるように、2段ベッドとなっている。

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ジョゼフのベッドと向かい合うようにベビー・ベッドが置かれたザカリの部屋。日中は2つの部屋を仕切る引き戸をあけて、ひとつながりの大きなスペースに。そこで2人はスケートボードで遊んだり、音楽で踊ったり仲良く遊ぶ。

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2歳違いの兄弟。ザカリのおもちゃやベッドなど、多くはジョゼフが使っていたものだという。

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アンヌ=フルールが仕事も含めてよく旅をするのは北米、南米など。旅先からは、いつもちょっとした品を持ち帰る。

毎晩、必ず子どもたちとの時間をもつようにしているというアンヌ=フルール。時にはその後で、オフィスに戻ったり、外出をしたりということもあるそうだが、子どもとの時間を彼女は大切にしている。

「週末は4人がくっつき合って過ごすのよ。といっても、家でゴロゴロというのではなく、朝から外出するの。まずどこかで朝食をとり、それから公園やミュージアムへ。そして、混雑が始まる前に帰宅。キッチンで、アニメを見て、食事をして……とにかく家族4人で密度の高い時間を過ごすのよ」

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2人が仲良く歯磨きをするバスルームも、玄関脇のトイレもグラフィックなデザインだ。

≫ フランクラン・アッジが手がけたロゼアナのブティック。

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ブティックRoseanna

昨年6月、メルシーやメゾン・プリッソンなどからそう遠くない細道に、ロゼアナの初ブティックがオープンした。アンヌ=フルールとパートナーのロクサンヌ・ティエリーが80平米のブティックのデザインを託したのは、フランクラン・アッジ。彼は雑誌Holidayを2014年に復活させたADフランク・デュランの信頼を得て、16区のHoliday Caféをデザインしている人気の建築家だ。

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明るい色が魅力のロゼアナのコレクションが映える80平米の店内。

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ラッカー・ブルーのパネルが効果的に配置され、細かい溝がうねる鏡の壁は店内に広がりをプラスする。

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ロゼアナのコレクションにはランジェリー、小物もあり、さらに夏には水着が加わる。

「私たちの初のブティックなので、誰に任せるかについてはとても慎重だったわ。単なる内装をする人というのは必要ではなく、ブティックを内包する建物との建築的関わりでスペースを考えられる人が欲しかったの。モード、アートと彼の世界はとても幅広く、建築の美しさを常に探った仕事をしている人よ。フランクランが手がけた数々の仕事に、私たち、すっかり魅了されて、彼だわ! と」

パリシック、軽さ、ノンシャラン、ミックス・マッチといったロゼアナの服の持ち味を生かす空間をフランクランはデザイン。コンクリートの柱、宙に浮くようなラック、ラッカー・ブルーのパネル、ハバナ・ブラウンのランジェリーコーナー、溝を彫った鏡……。黒いフレームの扉を開けて、ロゼアナ・ワールドを訪れてみよう。

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間もなくブティックに並ぶ、旅がテーマの2018年リゾートコレクションより。

Roseanna(ロゼアナ)
5, rue Froissart
75003 Paris
営)11:00~19:00
休)日
tel:09 86 62 58 32
http://int.roseanna.fr/en/
大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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