オテル・デ・グラン・ブールヴァール、レストランもいい!

PARIS DECO

Hotel des Grands Boulevards(オテル・デ・グラン・ブールヴァール)は新しくオープンしたホテルだし、客室から紹介するのが筋かもしれない。でも、とても美味しいレストラン(宿泊客以外も利用可)を語らなかったら、片手落ち!となってしまうので、まずはレストランから紹介を始めよう。

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大通りに面した小さな入り口、小さなフロントのホテル。

ホテルの1階、ほとんどのスペースをバーとレストランが占めている。入ってすぐ右手にあるこぢんまりとしたホテルのフロントが目に入らなければ、ここがホテルであることに気が付かないかもしれない。ガラス屋根に覆われた中庭的空間の中央にカウンター席があり、その周囲にテーブル席が並ぶ明るく開放的なレストランだ。ガラスで仕切られた壁の向こうにオープンキッチンが見え、その前のスペースにもテーブル席があり、けっこうな広さだ。いまパリのグルメ界で引っぱりだこのシェフ、ジョヴァンニ・パッセリーニとのコラボレーションによる現代的なフレンチ・イタリアン料理が味わえる。キッチンで腕を振るうのは、若きエグゼクティブ・シェフのSho Ashizawaである。彼は毎日美味しい日替わり料理を提供するLe Richerのシェフだったと聞けば、食べる前から期待に胸が膨らんでしまう。

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ある日のランチメニューより。ハドックのブランダード、さつまいも、クルトン、オレンジ、アンディーブの前菜。仔牛肉、ポロ葱のソテー、ロマネスコ・カリフラワーのメイン。

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色も美しく、味も良い人気のメインはパネ人参をのせたクレソンの大麦リゾット。ブルーチーズが隠し味だ。

そして、前菜からデザートまで期待は裏切られない。メニューに並ぶ料理には、ハドックとさつまいもやら、クレソンとブルーチーズなど、あまりよそでは見かけない素材の組み合わせが読み取れるが、どれも素晴らしいハーモニー ! 丸みのある味わいが、たまらない幸福感を口に残す。お皿の盛り付けも食欲をそそるビジュアルなので、他のテーブルに運ばれていく料理が目に入ると、どれもこれもが気になり、次はあれを試しに来てみよう!という気にさせるレストランである。

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ガラス屋根から差し込む太陽が快適な、パティオ的レストラン。中央のカウンター席の周囲は、ぶどう棚のように装飾されている。©Karel Balas

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ランチは前菜+メイン、あるいはメイン+デザートで22ユーロ。前菜+メイン+デザートで27ユーロ。夜のメインには乳飲み仔羊やスペアリブなど2人でシェアする料理も、アラカルトで選べる。©Karel Balas

いまのパリで、なくてはならないカクテル。このホテルではThe Shellというカクテルクラブで楽しめる。レストランともホテルとも独立した存在なので、グラス片手にパリの宵を過ごすためにこのホテルに来るのもいいだろう。

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1階、フロント前の廊下を直進して、カクテルクラブThe Shellへ。透明の貝はノンアルコール・カクテル、貝1枚はアルコールが控えめ量のカクテル、2枚はアルコールが通常量のカクテルというメニュー。グラスワイン、シャンパーニュもあり。©Karel Balas

ホテルがオープンしたのは、最近開発が進む2区。大通りに面しているのは小さなエントランスなので、見逃されがち。建物が通りから引っ込んでいるので、ホテルの客室もレストランも外の喧騒から遮断されているというメリットがある。

インテリアは人気の女性デザイナー、ドロテ・メリクゾンが担当した。彼女らしく、ホテルとなる場所の歴史を出発点にした内装である。当時の大通りはいまと異なり、緑あふれる散歩道で、この建物はフランス革命の少し前に建築された18世紀の個人邸宅だった。それでドロテはマリー・アントワネット、ルイ16世といった時代を思わせるドレープを寄せたカーテン、ガラス扉の戸棚、天蓋ベッドなどロマンティックな要素を室内に配し、それに古い木の家具や麻といった牧歌的味わいをミックスしている。これまで手がけたホテル同様に、バスルームには清潔さと機能性を重視。

全部で50室のホテルで、そのうち10室は最上階の屋根裏部屋である。斜めの天井に開いた窓から街の灰色の屋根が眺められ、すごくパリっぽい。また、この時代の建物らしく、かつて貴族の住民が舞踏会を催した2階の天井の高いノーブル・フロアの客室は、すばらしいボリューム。1階のガラス屋根のパティオ・レストランの周囲を、5つの異なるタイプの客室が取り囲む、というつくりのホテルだ。

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王政時代のロマンティックな味わいと、大通りのパリジャンのテイストがミックスされたインテリア。©Karel Balas

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最上階の部屋は斜めの天井の屋根裏部屋。©Karel Balas

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ドロテ・メリクゾン。©Karel Balas

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麻、木といった素朴な素材は、マリー・アントワネットの農家からのインスピレーションだ。©Karel Balas

Hotel des Grands Boulevards
17, boulevard Poissonnière
75002 Paris
tel:01 85 73 33 33
レストラン/営)12:00〜14:30、19:00〜22:30、無休
The Shell/営)18:00〜翌2:00、無休
www.grandsboulevardshotel.com
大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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