みんなが大好きラ・トレゾルリィに2号店Suiteができた。
PARIS DECO
デザインと機能を兼ね備え、素材は高品質、そして産地のサヴォワール・フェールが生かされている……そんなインテリア用品を、北欧を含めたヨーロッパ各地から選び抜き、美しい日常の暮らしを提案するLa Trésorerie(ラ・トレゾルリィ)。5年前にオープンするやパリジェンヌを虜にし、いまも人気のブティックである。
ラ・トレゾルリィの向かいに、シュイットがオープン。photo:Mariko Omura
3月1日、そのお向かいにラ・トレゾルリィのふたつめのスペースができた。1号店の“続き”であることから、“Suite(シュイット)”と命名され、150平米のゆったりとした店内では家具、照明器具、テキスタイル、そしてインテリアオブジェなどを販売している。とりわけ小さな器はとてもセレクションが豊富。ボリュームのある品は日本に持ち帰れないけれど、店内のディスプレーには色の組み合わせやオブジェの置き方など、盗みたいインテリアのアイデアがいっぱい。デンマークの画家ハマスホイの絵画で見るような、ブルーグレーの淡い色に部分的にペイントされたスペースそのものも魅力的だ。
天井や柱、階段の手すりなどに19世紀に建築された時代の名残が見られる。中央の棚はフランスの古い家具の扉を取り外し、周囲を白、内側を黒でペイントしたもの。伝統的な要素が店内に魅力をプラスする。photo:Mariko Omura
微妙な色合いが素敵なブランケットやクッションなども。©Molly Seyes
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フランス産の小さな器(直径9cm)は、色違いでいくつか欲しくなる。各14.10ユーロ。
鏡やセラミック。シュイットではポルトガル、イタリア、フランス、デンマークそして、インドからの品も販売している。
ヴェニスにアトリエを構える若い陶芸家アルシーネ・ナザリアン。彼女による日常のためのコレクションTerre in Forme。
日本の伝統的な技とデンマークの無駄のないデザインが特徴のスタジオ・アーホイの花器の数々。アンダーズ・アーホイはスタジオ・アーホイを東京で設立し、現在はコペンハーゲンをベースにしている。
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シュイットがオープンしたことで、11番地の1号店にも変化が。たとえば以前は売り場がなかった植木用のポットやサスペンションなどを常時扱うようになった。アール・ドゥ・ラ・ターブルの分野も品揃えが増え、買い物がますます楽しい場所に。ふたつのブティックが向かいあうシャトー・ドー通りも、ラ・トレゾルリィができた5年前とは大きく変わり、小さなブティックや気軽なレストランが増え続けている。ストリート探索も兼ねて、まずはシュイットへ急ごう。
シャトー・ドー通りの8番地に出来たシュイット。ラ・トレゾルリィはお向かいの11番地。
プランタン・デパートの建築家として知られるポール・セディーユ(1837〜1900)。デパートを手がけたのは1881〜83年だが、このシュイットが入っている建物はそれより前で、建築家の父シャルル・ジュール・セディーユ(1871年没)とともに外壁に名前が刻まれている。
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。