手刺繍が魅力の、CSAO×マラン・モンタギュのクッション。
PARIS DECO
左岸のデパート、ボン・マルシェ。食料品館2階のエスプリ・ド・パリと命名された新しいスペースの一角に、イラストレーターのマラン・モンタギュのコーナーが誕生した。エスプリ・ド・パリにはこのほか、アリックス・D・レイニス、アントワネット・ポワソン、ジアン、ピリヴュイといったこれぞいまのパリ!というインテリア関係のブランドが集められている。ポップアップではないので、慌てて行く必要がないのが何よりだ。最近はイネス・ド・ラ・フレサンジュとのパリガイドの出版、ディプティックとのコラボレーションなどで話題となったマラン。“世界を旅する独学の耽美主義者”と紹介されるアーティストで、昨年のボン・マルシェでのポップアップストア同様に、この新しいコーナーも彼はキャビネ・ドゥ・キュリオジテの雰囲気を演出した。
エスプリ・ド・パリのマラン・モンタギュのコーナー。
グラス、石鹸、スカーフなどアイテム豊富。
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パリをテーマにしたイラストのプレート、壁掛けなど楽しい商品が並ぶ中、注目を集めているのはCSAO(サオ)とのコラボレーションによる3種のクッションだ。フィガロジャポン本誌でも昨年紹介されたオンディーヌ・サグリオによるCSAOは、リバティプリントやアフリカのワックスのバッグやクッションに、セネガルの女性たちが施すメッセージと花の刺繍が特徴。今回のコラボレーションでは、マラン・モンタギュによるサン・ジェルマン・デ・プレ、モンマルトル、マレの地図のイラストが描かれたクッションに、AMOUR、PARIS、LIBERTEの文字が手刺繍されている。CSAOもマラン・モンタギュもポエジーあふれる仕事で知られ、このコラボレーションによってインテリアにロマンティックな要素をプラスするクッションが誕生したのだ。
セネガルの女性たちの手に職を!とCSAOのオンディーヌ・サグリオは彼女たちに刺繍を学ばせた。いまや150名の女性たちがCSAOのブランドの品、コラボレーションの品に刺繍を施している。photo:Ondine Saglio(CSAO)
マラン・モンタギュのクッションにはメッセージを刺繍し、かつマランのイラストの一部のように花やグリーンを刺繍。photo:Ondine Saglio(CSAO)
この刺繍の仕事を得て、セネガルの女性たちは子どもの学費、両親の薬代などが支払えるようになったそうだ。photos:Ondine Saglio(CSAO)
メッセージで選ぶか、イラストで選ぶか? クッションの後ろ側はビロード素材。仕上げはフランスで行われている。50m×50cm 各165ユーロ。
c/o Au Bon Marché Rive Gauche
38, rue de Sèvres
75007 Paris
営)10時~20時(木 10時〜20時45分、日 11時〜19時45分)
無休
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。