寝台列車の名残も取り入れ、パリ東駅にオッコー・ホテルズ。

PARIS DECO

パリオリンピックには間に合わず2025年に延期となってしまったものの、シャルル・ド・ゴール・エクスプレスが開通すると空港から東駅までは約20分。近くの北駅の周辺同様に、この東駅周辺もそんなわけで海外からの観光客のパリの玄関たるべく活発に進化中である。

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“エデンの東” と命名された東駅正面口の庭。東駅はアルザスなどフランス東部とパリを結ぶ列車の発着駅である。そのうちのひとつの街メスの果樹を含む植物で600平米のこの庭は構成されている。

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駅の正面向かって左側に建設されたオッコー・ホテルズ・パリ東駅。建物の右が駅の一番ホームだ。秋には屋上に庭が完成し、緑で埋め尽くされる。

その東駅のホームを見下ろす場所に、4つ星のOkko Hotels Paris Gare de l’Est(オッコー・ホテルズ・パリ東駅)が7月1日にオープンする。 ライフスタイル・ホテルという新しいカテゴリーを売りにするホテルのチェーンで、ここがパリのひとつ目。フランス国内では9軒目となり、来年はさらに4ホテルのオープンを予定しているという。そのうちひとつは、パリのモンパルナスである。ブティックホテル並の美しさながら手頃な価格のホテルとして、知名度をぐんぐんと上げているオッコー・ホテルズなのだ。どこかで一度オッコー・オテルズに宿泊すると、他の都市でもこのホテルでの宿泊を望むアディクトが増えている。フランス国内だけでなく海外でも泊まりたい! という声に応え、ヨーロッパの国での第1号ホテルについて秋に発表するという。

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ホテルのエントランス・スペース。

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モダンなデザインとソフトな色合いのパブリック・スペース。

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ディスク・バー。

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木製マシンを備えたフィットネスルーム。

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客室の内装はこの東駅のホテルから、それまでの8軒を担当したステュディオ・パトリック・ノルゲからステュディオ・カトワールへバトンタッチされた。チェーンが2022年までに開く第二世代ホテルの合計1000客室をデザインしていくという。カトワール夫妻による客室はポエティックでありながら機能的で、さほど広い部屋でなくとも快適に滞在できる。アメニティはこのホテルのオープンをきっかけに、チェーン全ホテルで97%ナチュラルなPrescription Labに変更となった。

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客室は18平米。広くはないが、機能的に作られている。125ユーロ〜。ホームページから予約するとポイントが貯まる。

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オードリー・ヘップバーンの帽子にインスパイアされたというランプシェードがチャーミングな客室。高級ホテルで使用されるCoco Mat社の “自然派” 枕をこのホテルでも使用。

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全170室、バスルームはシャワーのみ。

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パブリックスペースの内装が任されたのは、ミラノが本拠地のステュディオぺぺだ。隣接する駅の重く冷たい鉄のイメージに対し、ホテル内にソフトで明るい色使いを彼らはもたらした。カウンターや家具類には角がなく、丸みを持たせるというデザインの試みも。東駅が終着駅ということから、国際寝台会社とコラボレーション。オリエント・エクスプレスなど過去のワゴン・リ(寝台車)の栄華を漂わせるラリックのパネルなどがホテル内のインテリアに取り入れられ、寝台車の模型が飾られ……。

地上階のゆったりとしたスペースでビジネスに勤しむも、アペリティフを楽しむもよし。オッコー・ホテルズの魅力のひとつは、自宅の広々としたリビングルームにいるような気にさせる居心地の良いパブリックスペース。客室が広くなくても構わない、下のスペースで過ごす時間が嬉しくて、となる。

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ビジネスコーナーも備えられたパブリックスペース。雑誌片手あるいはワイン片手に自由な時間を過ごせる。

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国際寝台列車会社とホテルはコラボレーション。

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1928年頃にラリックが寝台列車用にデザインしたブーケ・パネル。

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レストランの壁に寝台列車の食堂で使われていたお皿やシルバーのお盆が飾られている。

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30年代のマルケトリー・パネルが客室の入り口ごとに。

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地元住民と仕事をすることにもポイントを置いていて、ホテル内の花はすぐ近くのシャブロル通りのティエリー・フェレから。そしてレストランのパンはティエリー・ブルトンで、ビールは11区の醸造所製、ハムもパリ産、蜂蜜もグラノーラもパリ郊外で……といった具合だ。どのオッコー・ホテルズでも部屋代は常に朝食込み。厳選された味が集められたビュッフェ朝食で、気分よく1日がスタートできるのも人気の所以だろう。

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東駅近く、シャブロル通り37番地のThierry Féretから届く素朴なブーケ。

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朝食をしっかりとりたい人に嬉しいホテルだ。

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24時間、飲み物やスナックが用意されている。

Okko Hotels Paris Gare de l’Est
30, rue d’Alsace
75010 Paris
www.okkohotels.com/en/hotels/okko-hotels-paris-gare-de-lest
大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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