ル・グラン・カルティエは庭&カフェ&ショップ&ホテル!
PARIS DECO
こんなホテル、待ってました!とうれしくなるLe Grand Quartier(ル・グラン・カルティエ)が10区にオープンした。最寄りの地下鉄駅はジャック・ボンセルジャン。小さなショップやカフェレストランなどが軒を連ねるシャトー・ドー通りやリュシアン・サンペ通りから遠くない場所だ。サン・マルタン運河ものんびり歩いて10分もかからない距離にある。
敷地の真ん中の広々とした庭を囲むように立つ建物で、まず最初にこの緑豊かな庭が目に飛び込んでくる造りとなっている。ベンチが配置され、庭というより公園のような雰囲気だ。大きなガラス窓越しにこの庭が眺められる地上階は、宿泊客以外にも開かれている。ブティック、カフェレストラン、そして2つを繋ぐラ・ギャルリーと呼ばれるソファを配したゆったりとしたスペース。ル・ショップと呼ばれるブティックでは複数のポップアップが開催され、行くたびに新しいクリエイション、新しいブランドが発見できる。カフェは朝から深夜までの営業で、各人のお腹の空き具合に応じた利用を提案。
中央の広い庭がル・グラン・カルティエの心臓部。こんな場所がパリにあったとは!と入った瞬間、驚かされる。©Romain Ricard
庭に面して、ブティック、カフェ、そしてスタジオ(レンタル・ミーティング・ルーム)が地上階に並ぶ。©Romain Ricard
カフェとブティックを繋ぐのは、アート作品を飾った“ラ・ギャルリー”。ワーキングスペースとしても活用できる。©Romain Ricard
左:“ル・ショップ”はプレタ、革製品、ビューティプロダクトなど複数のブランドのポップアップが同時開催されるブティックスペースだ。©Romain Ricard 右:真鍮の花モチーフのジュエリーブランドMarie Goldは初回ポップアップのひとつ。12月8日まで開催されていた。
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カフェの営業は7時〜翌1時。朝食7時〜11時(土日は16時までブランチ)、食事&軽食&飲み物11時~22時30分(ランチ12時〜15時、ディナー19時〜22時30分、スナッキング11時30分~翌1時)。©Romain Ricard
営業時間中、いつでも何かが食べられる、というサービスが待つカフェ。©Romain Ricard
日曜のお楽しみはローストチキン。フランス人家族にとって日曜の典型的メニューだ。©Romain Ricard
近くのフォーブル・サン・ドゥニ通りで人気のバー Le Syndicat(ル・サンディカ)。ホテルでも、ここのおいしいカクテルが楽しめる(18時〜翌1時)。カフェは人気のブリュルリィ・ドゥ・ベルヴィルが担当している。©Romain Ricard
3つのスタジオ(14㎡と77㎡)はレンタルスペース。オンライン予約を。
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宿泊しなくても活用大のル・グラン・カルティエだけれど、ホテルとしてもおすすめである。“都会のリトリート”を図りたくなる!というパリっ子の声も聞こえるほどだ。建物の2階から上が客室スペースで最上階にはルーフトップが広がっている。インテリアを担当したのはジョイスとダックスという若いオランダ人デュオのNicemakers。彼らは部屋とのコントラストを求め、廊下はあえて暗めに。大きな窓の下に庭が広がる部屋に入るや、まるで自宅に帰ったような安心感と快適感が得られるのはそれゆえだろうか。白い壁に木製家具が基本で、ブルーや黄色がモダン・タッチをプラスしている。サン・マルタン運河周辺に暮らすカタカナ職業人の住まいってこんな感じ?という内装。目覚めるのが気持ちよさそうだ。
スイート1室とテラス付スイート2室を含め、合計83室のホテル。広さは15〜42㎡。室料は182ユーロ〜(軽い朝食のグッドモーニング・バッグ含む)。©Romain Ricard
左:床はホテルには珍しくフローリングで、家具は建築家の事務所にインスパイアされたデザインだ。©Romain Ricard 右:複数色のタイルに囲まれたバスルームに、モルトンブラウンのアメニティ。©Romain Ricard
ロッキングチェアなどを配したルーフトップで寛げる。太陽に恵まれる春が待ち通しい場所だ。©Romain Ricard
地上階のレセプションコーナーにはミニサロンと24時間営業のミニマーケットがあり、飲み物やおつまみ類、ちょっとしたお土産が入手できる。チェックイン15時、チェックアウト12時。©Romain Ricard
madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。