ゼロプラスチック。オイが始めるパリのホテルの新時代。
PARIS DECO
スペイン語で今日を意味するHoy(オイ)と名付けられたホテルが、パリ9区のマルティール通りに新年早々オープンした。2階にヨガスタジオを構えるホテルで、HoyはHouse of Yogaのイニシャルも兼ねている。1階には南米料理にインスパイアされた野菜料理のレストランMesaがあり、またホテル内の花を担当するChiaki KokamiによるLa Floreriaではブーケや花を販売。ここはウェルビーイング・ホテルと呼んでもいいのかもしれない。パリでは珍しいタイプのオイ・ホテル。これから生まれるホテルに大きな影響を与えるに違いない。設立者は、シャルロット・ゴメス・デ・オロズコという若い女性。こんなホテルが存在したら!という、彼女の夢が詰め込まれたホテルなのだ。
ホテルの創業者は若きシャルロット。
木のテーブルが美しく広がる、ロビースペース。photo:Sophia van den Hoek
南米料理にインスパイアされたホリスティック料理を提案するレストラン、Mesa。photo:Sophia van den Hoek
1階の奥に設けられた、アトリエ開催用のスペース。photo:Sophia van den Hoek
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23室の客室。オーナー自身が手がけたインテリアには木やラフィアといった自然素材を用い、オーガニックのペイントで塗られた静かな色の壁には手仕事によるムラが生かされている。おもしろいことにテレビが客室に備えられず、その代わりにストレッチ用のバーが備えられ、またパリの水を備長炭で浄化して飲めるようにという配慮も。部屋に置かれたiPhone用のスピーカーは、メカを搭載していないシンプルな陶製である。
部屋によってはストレッチ用のバーが備えられている。photo:Sophia van den Hoek
メキシコで作られた、顔を手描きしたカップがチャーミングだ。photo:Sophia van den Hoek
廊下にもこのように花が飾られ、目を休ませてくれる。
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プラスチックゼロを目指し、環境に優しいホテルのオイ・パリ。オーガニックの洗剤やシャンプーなどの量り売りでパリジェンヌが愛用する11区のThe Naked Shopと提携し、バスルームのアメニティはガラスボトル入りの詰め替え式だ。ゴミ箱と歯磨き用カップは竹製。トイレットペーパーがリサイクル紙なのは当然だが、トイレブラシの素材は海藻!と、徹底している。ちなみに室内清掃にはビオの掃除洗剤を用い、スタッフの意識教育にも努めているそうだ。上階の部屋の窓からはパリの景色が眺められる、スタイリッシュなウェルビーイングホテル 。次回のパリ滞在、オイ・パリに泊まってみたくない?
バスルーム内、竹製のカップ、陶製の歯ブラシレスト……ノープラスチックを実践。
ヴィーガンの朝食も取れるホテル。photo:Sophia van den Hoek
スイーツの店が軒を連ねるマルティール通りにあるオイ・パリ。ヨガ教室YUJの看板が目印だ。
madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。