パリ9区、アメリーが提案するアートのお家へようこそ。

PARIS DECO

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5年前にメゾン・ダールを創設したアメリー・デュ・シャラール。

コンテンポラリー・アート・ギャラリーに入って、作品を見て……多くの場合、そこで終わってしまうのだけど、アメリー・デュ・シャラールは自宅に飾ってアートと共存する方法を提案している。

パリ9区、“スイーツ・ストリート”のマルティール通りのすぐ近くに彼女が開いた「Amelie, Maison d’art(アメリー、メゾン・ダール)」。2フロアからなるアパルトマン形式のギャラリーだ。リビングルーム、ダイニングスペース、オープンキッチン、ダイニングルームといった生活空間を作り上げ、そこにアート作品を飾っている。絵画、彫刻、オブジェなどジャンルも幅広い。120名近いアーティストの作品を扱う彼女は、定期的に展覧会も開催。

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メゾン・ダールでは、バスルームにいたるまでアメリーのアート提案が見られる。

クロゼル通りの8番地にあるメゾン・ダールはアポイント制度だが、お隣の6番地のミニルームはふらっと気軽に訪れることができるスペース。石の壁とコンクリートの床のモダンな空間に展示されているのは、小さなサイズの作品ばかり。1点150ユーロからと、スペースだけでなく価格もミニだ。

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アートコレクションの第一歩をミニルームから。

アメリーの目利きぶりとセンスが生きるのは、いまやこの9区の2つのスペースにとどまらない。高級ホテルグループEvokとのコラボレーションで、昨年マレ地区にオープンしたクール・デ・ヴォージュとシナーに配される現代アート作品やアンティークピースなどのキュレーションを彼女は担当した。アメリカのブティックホテルのキンプトンがフランスに初進出し、パリに年末オープン予定。このホテルのアート作品のキュレーションも彼女に任されることに。また、フランスの地方にあるメゾン・ドットも現代アート作品を内装に取り入れている近頃、シャンパーニュ地方のMaison Delasがいち早く彼女に声をかけている。おなじみマイ・リトル・パリも18区のオフィスのために彼女とコラボレーションをスタートした。

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シャンパーニュ地方のMaison Delasのメゾン・ドットのアートキュレーションを担当。

今年2〜3月はボン・マルシェの隣のコンランショップでも、彼女とのコラボレーションが展開された。家具やオブジェの販売スペースにアート作品を持ち込んでのセノグラフィーが彼女の仕事。空間に商品とアート作品が見事なハーモニーを生み、大成功し、この秋以降はシーズンごとに展開されてゆくことに。

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コンランショップとのコラボレーションより。

現代アートをより身近な存在とし、日常生活に取り入れる。でも、どのようにして?という人々が多いことに気付き、通常のアートギャラリーではなくアパルトマン形式のギャラリーを、という発想がアメリーに生まれた。アーティストを母に、弁護士を父に持つという家庭に生まれた彼女がアートビジネスに乗り出すのは、ごく自然な流れだったといえるだろう。彼女が扱うのはアブストラクトがメイン。自宅という個人的空間で向かい合うアート作品なので、主観で鑑賞し、自由な想像力で楽しめるという点で具象に勝るからだという。

引く手あまたのアメリー。コレクターたちと美術史家を集めて「鑑賞法を学ぶ」というテーマでソワレを月に一度開いているだけでなく、「制作を学ぶ」というアトリエも開催している。珍しいことに、これは子どもだけが対象でなく、同行したママも一緒に!というもの。陶器、金箔、彫刻、水彩……2カ月に一度のペースで行っている。次々と新しい活動を展開し、現代アートの普及に貢献する日々だ。

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子どもだけでなく、親子一緒にアートに取り組もう! photos : Roxane Diamand

Amelie, Maison d’art
8, rue Clauzel
75009 Paris
開)9時〜20時(要アポ)

Mini Room
6, rue Clauzel
75009 Paris
開)10時〜19時
休)日、月
www.amelie-paris.com

 

大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。
Instagram : @mariko_paris_madamefigarojapon

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