ブランド名品物語。file.01

メゾンの魅力を語るうえで欠かせないのが、
その象徴ともいえるアイコンたち。
第1回はシャネルらしいキルティングパターンを
施したジュエリー「ココ クラッシュ」のお話。

象徴的なキルティングパターンを、
もっと自由に、もっと大胆に遊ぶ。

2015年に発表されたシャネルのジュエリーコレクション「ココ クラッシュ」はメゾンのDNAともいえる、ふくよかなキルティングパターンをのせて。コレクション誕生から6年目を迎えたいま、ミニサイズの新作が仲間入り。

「ココ クラッシュ」リング薬指 指先から(YG×ダイヤモンド)¥368,500、(WG)¥156,200、人指し指(BG×ダイヤモンド)¥531,300/以上シャネル(シャネル カスタマーケア)

イエロー、ホワイト、ベージュ……
異なるゴールドを重ねて、重ねて。

イエロー、ホワイト、そしてシャネルらしいベージュゴールド。色とデザインにとらわれることなく自由な発想で、重ね着けを楽しむ。

「ココ クラッシュ」リング人指し指指先から(BG×ダイヤモンド)¥885,500、(BG×ダイヤモンド)¥531,300、中指(YG)¥459,800、薬指 指先から(YG)¥144,100、(WG×ダイヤモンド)¥379,500、(BG×ダイヤモンド)¥374,000、(BG)¥289,025/以上シャネル(シャネル カスタマーケア)

色、デザインをミックスする
ことで、私らしさを描き出す。

美しい曲線を描くエッジが、優しいキルティングの質感を彷彿とさせる。新作のイヤーカフにはベージュゴールドとホワイトゴールド、そしてダイヤモンドの魅力を閉じ込めて。ルールにとらわれない「ココ クラッシュ」らしいデザインコンシャスなファインジュエリーに。

「ココ クラッシュ」リング中指(YG)¥459,800、薬指(BG)¥150,700、イヤーカフ (BG×WG×ダイヤモンド)¥517,000、ネックレス 上(BG)¥323,125、下(WG×ダイヤモンド)¥543,950/以上シャネル(シャネル カスタマーケア)
  • 「ココ クラッシュ」リング(YG×ダイヤモンド)¥368,500

  • 「ココ クラッシュ」リング(WG)¥156,200

  • 「ココ クラッシュ」リング(YG)¥144,100

  • 「ココ クラッシュ」リング(WG×ダイヤモンド)¥379,500

  • 「ココ クラッシュ」リング(BG×ダイヤモンド)¥374,000

  • 「ココ クラッシュ」リング(BG)¥150,700

女性の美しさを引き立て
身に着ける人たちのセンスを、
表現するためのジュエリー。

パリの自宅にてキルティング模様のソファでくつろぐマドモアゼル シャネル。当時からこの普遍的なモチーフをこよなく愛した。
1932年、自宅にて開かれたダイヤモンド ジュエリーの展覧会。美しいメイクを施したマネキンが作品を身に着けている。マネキンを用いたプレゼンテーション形式そのものも当時は珍しく、話題になった。
展覧会のインビテーションのいちばん下には、入場料20フランの記載が。この収益金を寄付するという進歩的な発想もシャネルらしい。

帽子デザイナーとして、キャリアをスタートしたガブリエル シャネル。彼女がジャージー素材のアイテムでモード界に一石を投じたのは、1913年のこと。彼女は、それまで常識だったボディを締め付けるコルセットやドレスから女性を解放し、身体を自由に動かすことができるデザインを追求した。紳士服の要素をいち早く、レディスウエアのデザインに取り入れたのもまたシャネルだった。彼女はその斬新な感性でモード界のタブーを次々と破り、成功を収めていく。
1932年、シャネルはハイジュエリーコレクション「BIJOUX DE DIAMANTS(ダイヤモンド ジュエリー)」を発表。それまでも服に合わせるためのコスチュームジュエリーは手がけていたシャネルが、本格的にハイジュエリーの世界へ足を踏み入れた。

「ダイヤモンドを選んだのは、最小のボリュームで最大の価値が表現できるから。そして私は、エレガンスとモードを兼ね備えたジュエリーを作りたかったのです」と語っている。ネックレスのモチーフを取り外し、ブローチにできるなど、いろいろな形で身に着けられる革新的なジュエリーは、まさに彼女の信条である“自由”を感じさせるデザインが特徴だ。その時代、宝飾品は富の象徴であり、男性が女性に贈るものと考えられていた。そんな古ぼけた概念を一蹴するかのように、シャネルは自分のスタイルやセンスを主張するキーピースとしてのジュエリーという考え方を世の女性に示したのだ。さらにダイヤモンド ジュエリーの展示会を有料制にしたのも実にシャネルらしい。その収益金は、「パリ母子保護慈善協会」と「中産階級民間救済事業」に寄付するという才覚もさすがだ。

リボンもシャネルが好んで用いたモチーフ。チョーカーとブローチに煌めくダイヤモンドを敷き詰めたリボンのジュエリーを発表した。
シャンゼリゼを歩きながら、パリの夜空を見上げてデザインのヒントを得たとシャネル。
ガブリエル シャネルは、習慣や概念にとらわれることなく、女性に自由を与えてきた。そのマインドは、現在も脈々と受け継がれており、ファインジュエリーのデザインからも見て取れる。2015年に発表された「ココ クラッシュ」は、まさにメゾンのDNAが凝縮したアイコニックなコレクション。“ココに夢中”という意味を持つこのジュエリーは、シャネルのシグネチャーであるキルティングパターンがモチーフに。1904年、彼女は当時の恋人と訪れた競技場で騎手が身に着けていたキルティングジャケットやアーガイル柄のセーターを見て、そのシンプルで上品なラインに目を奪われた。その後、20年に初めてキルティングパターンを自身のコレクションに取り入れ、以降、メゾンのシンボルとなっている。そのグラフィカルなパターンが主役の「ココ クラッシュ」から、今春、新作が登場。 重ね着けも楽しめるミニサイズのリングやダイヤモンドを飾ったイヤーカフなど、モード感あふれるジュエリーが大人の自由な遊び心を刺激する。