ブランド名品物語。file.01
メゾンの魅力を語るうえで欠かせないのが、
その象徴ともいえるアイコンたち。
第1回はシャネルらしいキルティングパターンを
施したジュエリー「ココ クラッシュ」のお話。
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「ココ クラッシュ」リング(YG×ダイヤモンド)¥368,500
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「ココ クラッシュ」リング(WG)¥156,200
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「ココ クラッシュ」リング(YG)¥144,100
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「ココ クラッシュ」リング(WG×ダイヤモンド)¥379,500
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「ココ クラッシュ」リング(BG×ダイヤモンド)¥374,000
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「ココ クラッシュ」リング(BG)¥150,700
女性の美しさを引き立て
身に着ける人たちのセンスを、
表現するためのジュエリー。
帽子デザイナーとして、キャリアをスタートしたガブリエル シャネル。彼女がジャージー素材のアイテムでモード界に一石を投じたのは、1913年のこと。彼女は、それまで常識だったボディを締め付けるコルセットやドレスから女性を解放し、身体を自由に動かすことができるデザインを追求した。紳士服の要素をいち早く、レディスウエアのデザインに取り入れたのもまたシャネルだった。彼女はその斬新な感性でモード界のタブーを次々と破り、成功を収めていく。
1932年、シャネルはハイジュエリーコレクション「BIJOUX DE DIAMANTS(ダイヤモンド ジュエリー)」を発表。それまでも服に合わせるためのコスチュームジュエリーは手がけていたシャネルが、本格的にハイジュエリーの世界へ足を踏み入れた。
「ダイヤモンドを選んだのは、最小のボリュームで最大の価値が表現できるから。そして私は、エレガンスとモードを兼ね備えたジュエリーを作りたかったのです」と語っている。ネックレスのモチーフを取り外し、ブローチにできるなど、いろいろな形で身に着けられる革新的なジュエリーは、まさに彼女の信条である“自由”を感じさせるデザインが特徴だ。その時代、宝飾品は富の象徴であり、男性が女性に贈るものと考えられていた。そんな古ぼけた概念を一蹴するかのように、シャネルは自分のスタイルやセンスを主張するキーピースとしてのジュエリーという考え方を世の女性に示したのだ。さらにダイヤモンド ジュエリーの展示会を有料制にしたのも実にシャネルらしい。その収益金は、「パリ母子保護慈善協会」と「中産階級民間救済事業」に寄付するという才覚もさすがだ。