

佐久間由衣と
マックスマーラ、
夜明け前の色彩。
2023年リゾートコレクションの着想源に
なったのは、詩人であり
社会活動家であった
ナタリア・コレイアを描いた一枚の肖像画。
ポルトガルの芸術と文化を讃えた色彩豊かなコレクションを、
女優の佐久間由衣が纏う。


刻々と変化する夜明け前の空の色を抽出したかのような、柔らかな色合いのブルー。エッセンシャルなコートを素肌にそのまま纏うことで、とろけるようなテクスチャーを存分に味わいたい。
コート¥458,700、
シューズ¥146,300(予定価格)/
ともにマックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)


ビーズとクリスタルによる立体的な刺繍でボタニカルを表現した、アンバーカラーのニット。ニキア・スカピナキスの絵画に見る宝石のような深い色合いが、女性のマチュアな美しさを引き出す。
ニット¥119,900(参考色、商品はブルーで展開)、
スカート¥125,400(参考色、商品はブルーで展開)、
ブローチ¥77,000(参考色、商品はクリスタルで展開)/
以上マックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)


裾に細かなプリーツを叩いたハリのある漆黒のタフタドレスが、たっぷりと風を孕んで優美なシルエットを描く。女性的でありながらも凛とした強さを感じさせる、現代女性のエレガンスを体現した一着。
ドレス¥221,000(予定価格)/
マックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)


ドレッシーでありながらも実用性も兼ね備えたドレスコートは、ウエストをぎゅっと絞って同色のプリーツスカートを合わせ、優美なアティチュードで纏いたい。
ダスターコート¥334,400、
スカート¥125,400(参考色、商品はブルーで展開)/
ともにマックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)


女性らしいボディラインを描くビュスチエに、タックを寄せたトラウザーをコーディネートしたオールインワン。静けさの中にエレガンスが漂う、パワーウーマンのためのステートメントピースだ。
オールインワン¥191,000(予定価格)/
ともにマックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)
1995年3月10日生まれ。
2023年2月23日より、Netflix映画『ちひろさん』
が〈Netflix〉にて全世界配信&劇場公開。
2023年度前期のNHK連続テレビ小説「らんまん」
に出演決定。
マックスマーラが紡ぐ、
詩的なフェミニズム。
6月28日(現地時間)、ポルトガルはリスボンのカルースト・グルベンキアン美術館の庭園で発表されたマックスマーラ2023年リゾートコレクション。クリエイティブディレクターであるイアン・グリフィスに、今回のコレクションについて話を聞いた。
---偶然目にした一枚の絵画が、今回のコレクションのインスピレーション源になったと聞きました。
イアン・グリフィス(以下イアン) この絵を見た当初、私は彼女が誰なのか、また、彼女の足元に座っている女性たちが誰かも知りませんでした。しかし威厳のある雰囲気で、キャンバスの外を静かに見つめ、未来を見つめているような彼女に心を打たれたのです。そしてふたりの女性の態度から、彼女が非常に高く評価されていることがわかります。地べたに座っている人物は、フェルナンダ・ボテリョという有名な作家と、マリア・ジョアン・ピレシュという偉大なピアニストであることが分かりました。ということは、椅子の上の人物は、とても重要な人物なのだと推測できます。彼女はナタリア・コレイアという過激な詩人、社交家、政治家であり、エロティックな自由主義で知られる人物であることを知りました。彼女は20世紀半ばのポルトガルの歴史に多大な影響を与えた人物ですが、どちらかというと忘れ去られていたのです。私は、ナタリア・コレイアの記憶を蘇らせるチャンスだと思いました。今回のコレクションで表現したデコルテのネックライン、裾にプリーツの入ったスリップが出ているペンシルスカートは、ナタリア自身のスタイルへのオマージュです。
---今回のショーでは初めて、メンズモデルが起用されましたね。
イアン マックスマーラのランウェイは、マックスマーラの世界で起こっていることを反映しており、マックスマーラのコートを着る男性が増えてきていることを表しています。キャメルのコートは、もともと男性の権力と威信の象徴でしたが、いまでは男性も私たちのコートを買ってくれています。これは、ファッションの歴史上、実に珍しい現象です。女性が男性のワードローブを借りることはよくありますが、その逆は初めてと言えるのではないでしょうか。
---あなたが心を動かされるものの共通点を教えてください。
イアン 異なる文化や場所、さまざまな時代のものがあり、時には実在の人物や場所、芸術や建築のムーブメント、そして架空の人物や物語だったりします。しかし、そこには必ずエンパワーメントを示唆する物語があります。
---マックスマーラというブランドのビジョンについて、改めて教えてください。
イアン マックスマーラは、女性を尊重する立場から生まれたブランドです。私たちは過剰なものを避け、着る人に高い満足感を与える、優れたデザインのクラシックなものを創ることを大切にしています。1950年代、多くの女性が夫をサポートするのが精一杯だった時代に、マックスマーラは世界を目指す自立した女性たちのための服としてスタートしました。私は、マックスマーラウーマンの野心とエレガンスが大好きで、常に彼女たちの日常に寄り添っていたい、そう願っています。

©Nikias Skapinakis/SPA, Lisboa, 2023.
Photo©Calouste Gulbenkian/Scala/amanaimages
イギリス、ダ―ビシャー出身。マンチェスターでアートやデザインを学んだ後に、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)に進学。1987年にRCAのプロジェクトのひとつであったマックスマーラ主催の学生向けコンテストで優勝し、同年にデザイナーとして入社。現在はクリエイティブ・ディレクターとして同ブランドのデザインを手がける。