2026年METガラ、本物のシャボン玉が舞うバブルドレスの正体は?

Fashion

※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する
「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。
データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

ニューヨークで5月4日に開催されたメットガラ2026において、フリースタイルスキー選手のアイリーン・グーが着用したイリス・ヴァン・ヘルペンのドレスが大きな注目を集めた。

photography: aflo

メットガラは、ファッションフリークが待ち望む年に一度のビッグイベント。数々のセレブリティが集結し、テーマに沿った装いを競う。メトロポリタン美術館でおこなわれるこのチャリティイベントは常に注目の的であり、時には失望をもたらす。華やかさの極みを披露してくれるはずが、ドレスコードを棚に上げ、着慣れた無難なスタイルでやってくる人も少なくないからだ。しかし、初参加のアイリーン・グーは見事だった。米中両国にルーツを持つ金メダリストはレッドカーペットにリアルなバブル(泡)で作られたとしか言いようのないミニドレスで登場したのだ。

それはまさしくハプニング・パフォーマンスと呼ぶにふさわしい登場だった。ドレスの名前は「Airo」。アイリーン・グーは無数の泡に囲まれて登場し、フォトグラファーたちのフラッシュを浴びた。バブルの一部はガラス製でドレスに固定されており、一方でドレスのなかに隠されたマイクロプロセッサーによってシャボン玉が実際にその場で生成されている。生成装置は調整済みのデジタルインターフェースを通じて自律的に作動しており、このドレスを“機能的なアート作品”へ昇華させていた。ファッションと匠の技とテクノロジーが融合した珠玉の一着は、オランダのファッションデザイナー、アイリス・ヴァン・ヘルペンとアーティスト・デュオのA.A. Murakami のコラボレーションによって生み出された作品である。

テクノロジーとオートクチュールの融合

アイリス・ヴァン・ヘルペンがこのような前衛的な作品に取り組むことに違和感はない。彼女は常に最新技術を作品に取り入れるデザイナーとして知られており、ファッション界で独自の地位を築いてきた。3Dプリント技術をいち早くクリエーションに取り入れたことでも有名だ。

アイリーン・グーが着用したドレスは技術的な素晴らしさに加え、メットガラのドレスコードの「ファッションはアートである」にも、またガラによって開幕した展覧会「コスチューム・アート(Costume Art)」のテーマにも見事に合致していた。同展は芸術と人体の関係性を探求するものだ。そしてこのドレスのクリエーターたちによれば、この作品は「99.9%が空洞で構成されている人体の原子的構造」を表現しているとか。この見事な作品は、22歳のオリンピックメダリストを、この夜のベストドレッサーのひとりへと押し上げた

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  • text: Axelle Dusart (madame.lefigaro.fr)