あなたは精神的に健康? 5つ指標を心理学者が説く。
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する
「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。
データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
メンタルヘルスの不調は比較的簡単に見極められる。ところが心が健康であるとはどんな状態なのか、意外と答えづらいもの。4月2日付け「サイコロジー・トゥディ」誌にカナダの心理学者が掲載した記事では5つの具体的な指標が示されている。

不安でしかたがない。気持ちが塞ぐ。やる気が出ない。心を病んでいる時の兆候は比較的分かりやすい。しかし逆に、心が健康であるとはどういう状態を言うのか。そんな問いかけに対し、カナダの心理学者ニコラス・バライシスは、うつではないとか、パニック発作がないといった消去法以外のやり方で定義しようと試みた。4月2日付け「サイコロジー・トゥディ」誌へ寄稿し、心が健康であることを示す5つの指標を紹介している。ベースになっているのは1960年代に心が健康である基準を定義したドイツ系アメリカ人の社会学者・精神分析家、エーリヒ・フロムの研究である。
人生を悲観しない
エーリッヒ・フロムによれば、「幸福とは、強迫性障害でも神経症でもない人のエネルギーやバイタリティをある程度含むもの」とニコラス・バライシスは言う。精神的に健康であっても悩んだり落ち込んだりはするだろう。だが心が健康であれば「悩んだり悲しんだりしたとしても(中略)それで辛い人生だとかお先真っ暗だとは感じない」ものなのだ。また、「困難に直面しても思考停止したり悲嘆に暮れることなく立ち向かおうとする」力があるかどうかでも心の健康度は測れる。
ひとりでいても平気
心理学者によれば2つ目の基準は「ひとりでいても平気」かどうかである。つまり、心が健康な人には、孤独から絶えず気をそらそうとスマートフォンを凝視する行動が見られない。「ひとりでいることに慣れている人は、次々といろいろな考えが浮かんできてもそれをうまく受け止め、やり過ごすことができる」とニコラス・バライシスは言うと、「なかには暗い考えや自分を責める気持ちもあるかもしれないが、好奇心や自己肯定感をもたらしてくれる場合もある」と続けた。
幸せも悲しみも受け止められる
孤独を受け入れるということは、孤独に伴うものも受け入れるということであり、不快な感情もそこには含まれる。人間は「本質的に傷つきやすい存在であることは避けられない」とニコラス・バライシスは指摘する。だがネガティブ思考を完全にシャットアウトして心の健康を保とうとするのは誤った態度だ。「幸福には、楽しいことがあったときにうれしさや喜びを感じ、おどかされたり傷つけられたときに悲しみや怒りを感じる能力が含まれる」そう。しかも「痛みや喪失感、悲嘆を感じること自体、周囲の影響を受けて心が動いている点で心が健康である証になりうる」とも。こうしたネガティブな感情ともうまく向き合えれば、ポジティブな感情も安心して味わえる。
好奇心と他者への関心
感情を豊かに感じ取れる人は、他者に対しても心を開く。「精神的に不調な時、それまで楽しめていた活動や物事、人間関係への関心を失いがちだ」と心理学者は語る。だから心が健康かどうかは、好奇心を持ち、他者へ関心を向けられるかで測ることができる。それは、苦しいこと以外にも意識を向けられるかどうかも意味する。
現実の世界を受け止められる
世界をありのままに見てそれに適応できることも、健全な心を示す指標のひとつだ。具体的には、「習慣や衝動」で行動するのではなく、「今何をなすべきか」を考えて行動できることだと、ニコラス・バライシスは結論づけた。
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- text: Lena Couffin (madame.lefigaro.fr)