走るレストランへようこそ。食も車窓も楽しむ豪華列車旅5選。

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車窓を流れる風景も、目の前の料理もどちらも主役。大きな窓に広がる絶景を眺めながら、地元の旬を映した一皿に舌鼓を打つ。観光列車の旅は、移動の時間そのものが忘れがたいご馳走になる。車窓と美食、そして沿線のもてなし――。心もお腹も満たしてくれる、選りすぐりの観光列車をピックアップ。


えちごトキめきリゾート 雪月花(えちごトキめき鉄道)|新潟県

新潟の海と山を映す、銀朱色の美食列車
新潟県の南西部・上越エリアを走る、えちごトキめき鉄道のリゾート列車「えちごトキめきリゾート 雪月花」。2016年にデビューし、2026年に10周年を迎えた、新潟が誇る美食列車だ。

日本の伝統色であり、神社の鳥居にも使われている、鮮やかな銀朱色の車体は、内装から料理まで「オール新潟産」にこだわった。デザインは、『WEST EXPRESS 銀河』を手がけるなど、世界的な鉄道デザイン賞の受賞歴を持つデザイナー・川西康之氏が担当している。

国内最大級という大きな窓からは、日本海の雄大な眺めや、越後富士と呼ばれる妙高山の山並みが、まるで一幅の絵のように流れていく。車両先頭の「展望ハイデッキ」からは、運転席越しに前方の景色を独り占め。2号車のバーカウンター「さくらラウンジ」では、沿線の地酒やワインを片手に、移ろう車窓に身を委ねたい。2017年には鉄道友の会「ローレル賞」、2025年には国際的な鉄道デザイン賞「ブルネル賞」も受賞している。

車窓とともに味わう食も主役だ。地元の名店4店が和食、フレンチ、和洋中などの料理を手がける。便によって趣向が異なり、いずれも新潟の海の幸・山の幸をふんだんに使ったコースを提供する。車窓の絶景と地の美味を心ゆくまで味わう――新潟を丸ごと楽しむ旅に出かけてみては?

えちごトキめきリゾート 雪月花(えちごトキめき鉄道)
運行区間:えちごトキめき鉄道 上越妙高〜糸魚川(妙高はねうまライン・日本海ひすいライン経由)
運行日:土・日曜、祝日を中心に1日2便
料金:食事付き 一律29,800円(乗車日は同社全線の普通・快速が乗り放題。要事前予約)

問い合わせ先:
えちごトキめきリゾート 雪月花お問い合わせセンター
025-543-8988(平日10:00~15:00)
https://www.echigo-tokimeki.co.jp/setsugekka/

ろくもん(しなの鉄道)|長野県

真田の赤備えをまとう列車で、信州の旬を味わう
軽井沢〜長野間を、主に週末に走るしなの鉄道の観光列車「ろくもん」。2014年にデビューし、信州の景色と食、そして真田一族ゆかりの歴史を味わうことができる、人気列車だ。「ろくもん」という名前は、上田ゆかりの武将・真田一族の家紋「六文銭」に由来する。車体は、真田信繁(幸村)が用いた「赤備え」をイメージした濃い赤が基調。六文銭などの家紋を金色であしらう。

手がけたのは「ななつ星 in 九州」で名高いデザイナー・水戸岡鋭治氏。長野県産の木材をふんだんに使った3両編成は温もりにあふれている。軽井沢駅では、食事付きプランの乗客は、かつて皇族が使った貴賓室で乗車を待つことができる。出陣のほら貝の音が鳴り響くなか発車する趣向も心憎い。

その食事付きプランでは、軽井沢発は洋食コース、長野発は創作和食を提供。いずれも信州の旬の食材をふんだんに使用している。浅間山や千曲川の雄大な景色を眺めながら味わう一皿は、まさに信州を丸ごといただく贅沢だ。一方、食事なしの1号車で、買い込んだ駅弁を気軽に味わうのもきっと楽しい。

ろくもん(しなの鉄道)
運行区間:しなの鉄道 軽井沢〜長野
運行日:主に週末を中心に運行
料金:食事付きプラン 18,500円〜、乗車券+指定席プラン 指定席料金1,020円+乗車券(要事前予約。食事なしプランは弁当の持ち込みも可)

問い合わせ先:
ろくもん予約センター
https://www.shinanorailway.co.jp/rokumon/

西武 旅するレストラン「52席の至福」(西武鉄道)|東京都~埼玉県

隈研吾デザインの名車両で味わう、秩父の旬と絶景
東京・池袋や西武新宿から秩父へと向かう、西武鉄道のレストラン列車「西武 旅するレストラン『52席の至福』」。沿線の食と風景を楽しめるこの列車は、2026年に10周年を迎えた、首都圏を代表するレストラン車両だ。

車両の内装・外装デザインを手がけたのは、建築家・隈研吾氏。4000系電車を改造した4両編成は、秩父の四季と荒川の水をダイナミックに描いた外装をまとう。内装には秩父銘仙や柿渋和紙、地元産の西川材といった沿線の伝統工芸や素材をあしらった。定員はわずか52名。その名の通り、限られた席で至福のひとときを過ごせる。

コースで提供する食事も旅の主役となるべき存在だ。往路はブランチ、復路はディナーのコース料理が供される。一流シェフが監修する料理は3カ月ごとにメニューを変更。2026年7~9月運行では、「秩父舞茸のブッタネスカビアンカ」「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み 埼玉野菜添え」など沿線食材をふんだんに使用する。車窓に広がる武蔵野の風景とともに、旬の味覚を心ゆくまで堪能したい。

なお、西武鉄道は2028年3月から、新たなレストラン列車〈Fine Dining Train「vies」〉の運行を開始することを発表。デザインは、特急車両「Laview(ラビュー)」に続き、建築家・妹島和世氏に依頼した。厨房車両も充実させ、さらに上質な食体験を目指す。

西武 旅するレストラン「52席の至福」
運行区間:池袋線・新宿線・西武秩父線 池袋/西武新宿〜西武秩父・本川越など
運行日:土・日曜、祝日を中心に年間100日程度
料金:ブランチコース16,000円、ディナーコース19,000円(乗車券・1日フリーきっぷ・コース料理・おみやげ等を含む。要事前予約)

問い合わせ先:
西武鉄道お客さまセンター
0570-005-712

西武鉄道Webサイト
https://www.seiburailway.jp/

GRAN 天空(南海電鉄)|大阪府~和歌山県

美食と共に、深紅の列車で聖地・高野山へ
世界都市・難波と、世界遺産の聖地・高野山。異なるふたつの世界を結ぶ観光列車「GRAN 天空」が、2026年4月にデビューした。なんば〜極楽橋間63.6kmを約1時間半で駆ける、高野山詣での新たな顔となる。

山間部はもちろん、街中でも映える上質な深紅の車体は2000系電車を改装した4両編成。アテンダントの制服はデザイナーのコシノジュンコ氏が担当した。

リクライニングシートが並ぶ1号車「リラックスシート」、車窓を望む2号車「ワイドビューシート」、軽食や土産を扱う3号車「ロビーラウンジ」と号車ごとに趣が異なり、4号車「グランシート」では食事サービスが楽しめる。

車内で楽しめるのは、沿線の名店「Genji(ゲンジ)」の元川篤シェフ監修の料理。河内鴨や泉州蛸、有田みかんなど、南大阪から和歌山の幸を集めた創作料理だ。時間帯ごとにモーニング、ランチ、アフタヌーンティーと趣向が変わる。1906年に食堂車を走らせた南海電鉄が、約100年の時を経て車内の食事サービスを復活させた。

聖地へ向かう道中そのものが、忘れがたい美食の旅となる。なお、終点の極楽橋から高野山ケーブルカーに乗れば5分で標高867mの高野山駅に到着。美食でお腹を満たしてから、聖地に出向くことができる。

GRAN 天空(南海電鉄)
運行区間:南海高野線 なんば〜極楽橋
運行日:水曜・第2・4木曜を除く毎日、1日2往復
料金:特急料金 大人1,100円〜(別途運賃が必要。4号車グランシートは食事やワンドリンクが付く別料金のプラン。要事前予約)

問い合わせ先:
南海電鉄コールセンター
050-3090-2608
https://www.nankai.co.jp/traffic/kankoutrain/grantenku/

伊予灘ものがたり(JR四国)|愛媛県

瀬戸内の絶景と美食に魅せられる、感動の列車旅
愛媛県の瀬戸内海沿い、予讃線の松山〜伊予大洲・八幡浜間を走るJR四国の観光列車「伊予灘ものがたり」。JR四国の観光列車の先駆けとして、2014年7月に運行を開始し、2024年に10周年を迎えた。

夕日に映えるメタリック塗装をまとったレトロモダンな車両は3両編成。「茜の章」「黄金の章」、そして貸切個室「陽華の章」と、それぞれに趣の異なる空間が用意されている。

沿線の風景を楽しんでほしいと、演出にもこだわる。「日本一海に近い駅」として名高い下灘駅では数分間停車し、伊予灘の絶景を心ゆくまで満喫できる。沿線の人々が手を振って見送るおもてなしも、旅の忘れがたい余韻となるはず。砥部焼の洗面台もチェックしたい。

※料理写真はイメージ(料理内容は季節ごと変更となる)

車窓とともにいただく「食」は、事前予約で便ごとに献立が異なる。たとえば、朝の「大洲編」(松山駅→伊予大洲駅)では地元野菜のモーニング、お昼時の「双海編」(伊予大 洲駅→松山駅)では旬の食材を使用した和洋折衷料理の和杉膳、午後の「八幡浜編」(松山駅→八幡浜駅)は瀬戸内フレンチのミニコースを提供。夕暮れの「道後編」(八幡浜駅→松山駅)では、特製スイーツを詰め合わせたアフタヌーンティーも用意している。地元食材を活かした料理を、砥部焼の器で味わう趣向など、旅心をくすぐる“ものがたり”、存分に楽しんで。

伊予灘ものがたり
運行区間:JR予讃線 松山〜伊予大洲・八幡浜
運行日:土・日曜、祝日を中心に1日4便
※食事は乗車日の4日前までに要予約
料金:松山〜伊予大洲間3,980円〜、食事予約券3,500円〜など
※掲載時(2026年7月)時点での価格

問い合わせ先:
JR四国 電話案内センター
0570-00-4592
https://iyonadamonogatari.com/

  • editor: Aya Hasegawa