アズディン・アライア財団で、アフリカにインスパイアされたクリエイションを展示。
2017年にアズディン・アライアは亡くなったけれど、かつての彼の仕事場に設けられたフォンダシオンの会場では、さまざまな角度から彼が遺したクリエイションを紹介し続けている。『ディオールとアライア』展に次いで、来年1月4日まで開催されているのは『アズディン・アライアとアフリカ』展だ。フランスが誇るクチュリエのひとりであり、存命中それを誇らしく思っていた彼。故郷チュニジアからパリに来たのは1957年。22歳のアズディン・アライアは人生における最初の大きな旅をしたのだ。もちろん、故国を愛する気持ちを失うことは最期までなかった。この展覧会ではチュニジアにとどまらず、マグレブ三国、エジプト、サハラなどからのインスピレーションが見て取れるクリエイションを展示している。

オリヴィエ・サイヤールがキュレーターを務めるこの展覧会、いつもと順を変えて2階の展示から始めるのも良いかもしれない。このスペースは、1996年にアライアがフランスのモード誌から招かれて、友人の写真家ピーター・ビアードとともに訪れたケニアの旅をテーマにしている。このときマサイ族の動きや歩き方にすっかり魅了されてしまったアライア。生前、何度もこの旅の興奮と感動を語っていたという。
このフロアの奥で流されているのは、1988年、89年、90年、92年の春夏コレクションのショーのビデオ。この展覧会に展示されている服をリンダ・エヴァンジェリスタ、ナオミ・キャンベル、タチアナ・パティッツ、ヴェロニカ・ウェブといった当時のトップモデルたちが纏ってランウェイを闊歩する姿が見られる。メゾン内でショーは行われていて、その会場となっていたのがこの展覧会が開催されている場所だ。



地上階のフロアに展示されている55点はサファリジャケットを含め、白い家の透かし模様の窓、ミイラの包帯巻き、マサイ族のサヴォワールフェール、コードや貝殻などの素材、カラフルなストライプといったアフリカを感じさせるクリエイションだ。1984年 春夏コレクションから、最後となった2017年のコレクションまでが展示されているように、彼はコンスタントにアフリカからインスピレーションを得ていたのだ。このテーマもさることながら、会場に展示されたアライアのクチュールピースは、身に纏う女性たちを魅了したその見事なカッティングや素材といった点でも見る価値がある。
会場構成はアライアの友人のひとりだったアメリカ人アーティストでセノグラファーのクリス・ルースが担当。今回彼は展示服のひとつひとつの背景にペイントしたトワルを用意した。その色彩とモチーフの素晴らしさも、この展覧会の見どころのひとつと言える。





『Azzedine Alaïa et l’Afrique』展
開催中〜2027年1月4日
Fondation Azzedine Alaïa
18, rue de la Verrerie
75004 Paris
開)11:00〜19:00
無休
料)11ユーロ
https://fondationazzedinealaia.org/en/
@fondationazzedinealaia