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THINGS THAT MATTER

本田翼と武笠綾子、「好き」を貫きスタイルを作る人生哲学。ホロスコープからも読み解くトークセッションを開催。

Fashion

ブランド5周年を迎えたシングス ザット マターとフィガロジャポンの特別企画として、ゲストに俳優・モデルの本田翼を迎えたトークセッションを10月29日(木)開催。ディレクターの武笠綾子と本田翼が「好き」をかたちにする人生哲学について語り合った。さらにmadameFIGARO.jpでおなじみの占い師・淡の間も加わり、ホロスコープから紐解くふたりの宿命や、2027年に向けた世の中の流れについての解説を披露した。

事前に抽選で選ばれた20名のオーディエンスを前に、「時代を読む力、スタイルのある生き方。」について対話を繰り広げる本田(左)と武笠。ファッションや自分らしさについて熱量ある意見交換がなされた。

イベントの舞台となったのは、シングス ザット マターのポップアップを開催中の表参道3E STUDIO。今シーズンのテーマ“MICROCOSMOS”のキーカラーである紫に彩られた空間には、最新コレクションのウエアをはじめ、ディレクター武笠のクリエイションのインスピレーション源となっている書籍やアロマグッズ、ハーブ等が展示されており、独自のムードを醸し出していた。

来場者には、MICROCOSMOSにちなんだ紫とブラックのスペシャルノベルティのオリジナルエコバッグをプレゼント。
本田が着用したセットアップについて、武笠は「デニムにミクロの穴をあけて洗いの加工を施し、ツイードっぽく仕上げている」と説明。カットフリンジを生地に挟み込んで独特の起毛感を表現するなど、細部までこだわり抜いた今シーズンを代表する一着だ。ジャケット¥58,300、パンツ¥41,800/以上シングス ザット マター

異色の3人が交差する、ファッションという共通言語。

トークセッションは、司会を務める淡の間とディレクター武笠綾子との出会いのエピソードからスタート。ブランド立ち上げ期からコンテンツ制作をともにしてきたふたりだが、その始まりはコロナ禍の最中。武笠が「この人に会いたい」と直感し、車で仙台まで淡の間に会いに行ったことがきっかけだという。

一見すると異なるルーツを持つ3人だが、その根底には“ファッション”という共通言語が存在する。以前からブランドに関心を寄せ、衣装でもシングス ザット マターを愛用していたという本田。この日着用していたツイード風のセットアップについて、「シックになりがちなツイードを、Gジャンのようなカジュアルなデザインに仕上げているのが素敵。Tシャツにも合わせやすく、幅広い世代の人が楽しめる」と、服好きならではの視点で魅力を語った。

「ブラウス感覚でラフに着れる」と武笠が語るジャケット¥46,200、美しいラウンドシルエットを描いてエフォートレスな佇まいを醸し出すセットアップのパンツ¥26,400/以上シングス ザット マター

「服を纏う」ことの哲学と、自分らしさへのたどり着き方。

話は「洋服を纏う時の感覚」へと深まっていく。武笠は「お洋服には魂と肉体を繋ぐ力があり、その人の周波数を整えたり、内側からマインドセットできる効果があると信じている」と、独自の美学を披露。対する本田は「着心地や動きやすさといった自分らしさを重視している」と、気取らない自然体なこだわりを言葉にした。

多くの情報や選択肢があふれる現代において、自分らしさを見つけることは容易ではない。武笠が「過去の作品を並べると、好きな色やシルエットといった芯が変わらないことに気づく」と語る一方、本田は「仕事でさまざまな服を着るからこそ、何が好きか分からなくなった時期もあった」と告白。あらゆる装いを経験した上で、本田が最終的にたどり着いた自分らしさの象徴は、意外にも「スウェット」だった。愛犬との散歩や日常の暮らしの中で、洗えて気兼ねなく着られる心地よさこそが、いまの自分にとって不可欠なキーパーツであるとリアルな言葉で打ち明けた。

さらに「スタイルのある人」の定義について話題が及ぶと、本田は「流行りではなく『これが好き』という軸が見える人」と表現。自分自身のInstagramとの向き合い方に関しても、「自分が心から楽しいと思ったものを皆におすそ分けする気持ちで届けている」というしなやかなスタンスを語った。

「スタイルがある人」の定義として「デニムを着こなしている人」も挙げた本田。自然体を大切にする彼女ならではの、デニムに対するこだわりが垣間見られた言葉である。

キャリアの原動力と、行動力が切り拓く道。

それぞれのキャリアのルーツに触れる局面では、ふたりの突き抜けた行動力と情熱が浮き彫りとなった。本田がプロデュースを手掛けるコスメブランド「By ttt.(バイティースリー)」の立ち上げについては、「年間50種以上の日焼け止めを試すほど大好きだった」という偏愛が原点。「好き」という純粋な衝動と、「俳優やモデル以外の新しいことに挑戦できる自分でいたい」という強い意志がもの作りの原動力となった。

一方の武笠も、小学2年生の時にはすでにデザイナーになると決意していたという。「当時働きたいブランドの募集がなかったため、電話をかけてデザイン画を送りつけて『会ってほしい』と直談判した」というパワフルなエピソードを明かすと、本田がその行動力に感銘を受けて感嘆の声を上げる場面も。

また、本田にとって人生の大きな転機となったのが、20代半ばに決行したロンドンへのひとり旅だ。仕事に追われ、追い詰められていた時期に、「人ってこんなに自由に暮らしていいんだ」と固定観念から解放されたという。ビートルズや古着への憧れから訪れた異国の地で、「芸能人だからこうあるべき」という縛りを捨て、自由に生きる覚悟を得たと振り返った。

ホロスコープが解き明かす宿命と、2027年に向けた生き方。

セッション後半では、占い師の淡の間が西洋占星術の観点からふたりのホロスコープを分析。3人全員に「牡牛座」の性質が強く現れていることを指摘した。牡牛座は五感や肉体感覚、形あるものの美しさを司る星座であり、ふたりが持つ「好きなものへの強烈なこだわりと継続力」の背景が、星の配置からも裏付けられているという。さらに本田は、存在感を放つ「獅子座(太陽)」と、情緒を司る「蟹座(月)」の性質を併せ持ち、陽と陰の双方の魅力を引き寄せる稀有な星のもとに生まれたことが明かされた。

話題は未来に向けての心がけへと及ぶ。デジタルやAI、SNSが急速に発達し、便利な反面、肉体感覚から離れてしまった現代。淡の間は「2027年に向けて、自分の感覚やフィジカルを大切にする時代が再びやってくる。自分で選ぶ感覚を取り戻すことが重要になる」と予見した。これに対し本田は、「頭で考えがちな時代だからこそ、イメージするだけでワクワクする感覚的な選択を大切にしたい」とコメント。自宅にウォーキングマシンを導入し、テレビを見ながら歩くなど、無理なく身体と向き合うリアルな実践法を共有した。

トークショー後の2ショット撮影。

最後に「忙しい日常におけるリセット法」を問われた本田は、「仕事とプライベートのオンオフをなくし、自然体でいることで楽になった」と等身大のリセット術を提示。武笠も「瞑想やノートでの対話を通じて、自分自身に向き合う時間を作っている」と応じた。

そうしてイベントは和やかに閉会したが、「好き」を貫き、自らの足で歩み続けるふたりの言葉は、変化の激しい時代を軽やかに生き抜くための確かな道しるべとなるだろう。自分らしく生きるふたりの哲学は、ありのままの自分を肯定する明るいエネルギーとなって、来場者ひとりひとりの心にそっと灯されたに違いない。

  • photography: Riho Harashima
  • styling: Sonoko Homma
  • hair&makeup: Yukari Hayashi
  • text: Eri Arimoto