いつだってロマンティック!が信条の小嶋智子の場合
【ROMANTIC】スタイリスト小嶋智子のインスピレーション源。
スタイリストのスタイル塾
カーディガン、柄パンツ、ジャケットの3アイテムをロマンティックに着る方法を提案してくれたスタイリストの小嶋智子さん。長年のヴィンテージ愛好家として、毎日必ずヴィンテージを身につけているという小嶋さんのこだわりのインスピレーション源を聞いてみた。
左上から時計回りに、『STILL Guadalupe Gaona』、『Cy Twombly Photographs: Lyrical Variations』、『Morandi's Objects Joel Meyerowitz』
“ヴィンテージカラーに魅せられた3冊の写真集。”
どれも共通して、写真の世界観にひと目惚れでした。好きな写真家だから、とかそういう理論的なことではなくて、見た瞬間に惹かれて気付けば買っていたという衝動的なものでした。特に『STILL Guadalupe Gaona』は、神楽坂のラカグで撮影しているときに見つけて、表紙を見た瞬間に心奪われていたんですけど、そのときは撮影だったので購入せず仕舞いで。でも後日すぐに代引きで取り寄せました(笑)
3冊とも共通して言えるのは、どれもヴィンテージっぽい色褪せた写真なんです。ファッションは一切載っていなくて、花とか雑貨とか風景なのですが、どれもスタイリングに通じるものがあると思います。眺めているだけで幸せなので、普段は花瓶の横に置いて飾っています。
“いまも心に残る4本の映画に学んだこと。”
選ぶのにかなり悩みましたが、インスピレーションという意味合いではこの4本です。
左から、『愛人/ラマン』(1992)、『フリーダ』(2002)、『橋の上の娘』(1999)、『スローガン』(1968)
『愛人/ラマン』は全然ファッションとは関係のないストーリーなのですが、主演のジェーン・マーチのルックスにくぎ付けになりました。三つ編みに赤いリップ、麻のワンピースにフランス製の帽子というバランスがとても可愛い。次に、ハッとさせられたのは『フリーダ』。色や柄の組み合わせに間違いのない美しさがあります。特に食卓のシーン。自分に似合う色を知ることが、魅力的に見せる近道なんだなぁと再認識させられました。『橋の上の娘』はヴァネッサ・パラディの男みたいに短いベリーショートでドレスを着こなす姿に魅了されました。本誌フィガロの撮影で本人に会ったときは、映画の中の彼女が目の前にいて失神しそうなくらいでした(笑)『スローガン』はファーにかごバッグを持つジェーン・バーキンのスタイルが衝撃的でした。ファッションが自由であることを教えてもらった気がします。
“気になるアイテムやシルエットは、ランウェイで見つかる。”
左上から時計回りに、ステラ マッカートニー、ロシャス、ヌメロヴェントゥーノ、ミュウミュウ、クロエ、ヴァレンティノ
ランウェイでは、オーバーサイズなニットやアウター、チュールなスカート、ファーなどが気になりました。そういったガーリーなアイテムをメンズライクなアイテムと組み合わせてハズしたスタイリングが好みです。あとは、イエローを効かせたコーディネートが気になりました。同系色のグラデーションで取り入れたいですね。
小嶋 智子/TOMOKO KOJIMA
福島県出身。2011年より青木千加子氏に師事し、15年3月に独立。根っからのヴィンテージ好きで、今季はファーアイテムが気になる。19歳の頃に購入したヴィンテージのミンクのファーケープをいまだに愛用中。好きなヴィンテージショップは表参道のサンタモニカ、代官山のカーブーツ、五本木のキロショップ。厳選されたものが並ぶ店よりも、掘り出し物を見つける楽しさがある店が好み。
photos:JOHN CHAN, sylisme:TOMOKO KOJIMA