パリ 6月のマルシェ『夏野菜のアペリティフ』
パリのマルシェとレシピ。
今日は、パリ12区Daumesnil(ドメニル)のマルシェに行ってきました。
広場にはライオンが鎮座しています。
広場からの入り口には、このマルシェで一番いい魚屋さん。火曜日の今日は、とってもいい! 仕入れたものを週末すべて売り切って、また週の始まりには新鮮なものが並んでいます。なので、私が魚を買うのは火曜と金曜の朝のみ。
ラングスティーヌ(手長海老)は、どんどん売れていく。手前の半透明のイカがおいしそう!
ここで魚以外に目に留まったのは、ジーン・セバーグ風ブロンドの髪、笑顔がすてきなマダム。お客さんとのテキパキしたやり取りが、1960年代映画のようで面白い。お馴染みさんとは長話、後ろに続く行列なんて気にしない超マイペースで楽しげな様子。お馴染みさんは豪快な買いっぷり......この界隈、下町風に見えても結構こんなブルジョア食いしん坊な人が多いのです。
お隣には、盛りっとメロン。緑のいちじくもこの頃よく見かけます。
大好物のPêche plat(平らな桃)も甘みが強くなってきました。横の真っ赤なネクタリンもおいしそう。
いちご、フランボワーズの色鮮やかなこと!
いつも、なかなかいい感じのディスプレイで野菜を見せている八百屋さんには、夏色のトマトが!
またまた嬉しくなるのは、このアプリコット !! 奥まで続く果物の山は、桃、いちごにさくらんぼ。
自ら作って、ひとり黙々と売っている農家の兄さんのスタンドには、長い列ができています。早朝、畑へ出て採ってきたという葉物は、どれもシャキシャキです。
白いハンチングが似合う伊達男風のお兄さんのスタンドでは、ハムを少し切ってもらい、バジルを練り込んだフレッシュな手打ちパスタを買いました。これが、とってもおいしい!
人でごった返す週末とは裏腹に平日のマルシェは、とってものどか。
このマルシェには食べ物だけではなくて、ちょっとお宝の匂いのするものもあります。
古いボタンが箱にみっしり。ジャック・ドゥミの映画の中でカトリーヌ・ドヌーブが着ていたコートに付いていたような60年代風なものも入っています。
元ドヌーブな雰囲気のおばさま御用達の手芸屋さん。よく見るとキッチュなものがいっぱい。
少し歩くと、またお宝が。ここには古いシャツボタンや手編みのレース、生地が置かれています。
さてさて、初夏のおいしいものがあふれるマルシェを巡ったあとに作ったのは、夕方のアペリティフが楽しくなるようなフィンガーフード。
■『夏野菜のアペリティフ』
材料
a.
にんじん 1本
ドライトマト 3枚
黒オリーブ 2個
コリアンダー 少々
バジルペースト(既成のものを使用、なくてもよし) 小さじ1
b.
ミニモッツァレラチーズ(または普通サイズを切り分ける) 6個
ミニトマト 3個
黒オリーブ 3個
バジルの葉 6枚
c.
ズッキーニ 1本
ラディッシュ 3個
小海老(下味に塩小さじ1/4、酒小さじ2) 6個
バジルの葉 6枚
オリーブ油 少々
ニンニク 1片
チキンブイヨン(固形か顆粒) 小さじ1/4
1. 海老の殻を剥いて竹串で背ワタを取り出したものを小ボウルに入れ、塩小さじ1、片栗粉小さじ1(分量外)をまぶして揉む。水で洗い流して臭みを取る。海老の水気をキッチンペーパーで拭いてボウルに入れ、塩小さじ1/4、酒小さじ1を振りかける。
2. にんじんの皮を剥いてスティック状に切り、さらに切り分ける(幅1.5cm、長さ4cmくらい)ズッキーニ(皮付き)も同様に。ミニトマトを半分に切る。ラディッシュは薄切り。黒オリーブは、a.用に4等分、b.用に2等分に切り分ける。
3. フライパンにオリーブ油を少々、潰したニンニクを入れてから弱火にかけて、油にニンニクの風味をつける。中火にしてから、にんじん、ズッキーニを入れて軽く炒めたら、チキンブイヨンと水大さじ2を入れて蓋をして3分ほど炒め煮にする。取り出しておく。
4. そのまま同じフライパンにオリーブ油を入れて海老を炒める。冷めたら、海老の両端を少し切って形を整える。
5. バジルペーストがあれば、a.のにんじんの上に軽く塗っておく。下準備ができたa.b.c.の材料をそれぞれ串に刺していく。
写真左から、a.b.c.の順。
これには、やっぱり夏らしく冷えたロゼワインを合わせたい。ロゼとひと口に言っても、ルビー色、淡い夕焼け雲の色、バラ色、花や赤いフルーツの香り......味や色・香りもさまざまです。いまなら、たくさん出回っている南仏のものを産地ごとに飲み比べてみるのも愉しみです。
■Marché Daumesnil(マルシェ・ドメニル)
La place Félix Eboué 75012 Paris
メトロ:Daumesnil
営)火曜・金曜 7時~14時30分