パリ2月のマルシェ「新鮮フルーツで美肌になるタルト」
パリのマルシェとレシピ。
パリ、急に春めいてきました。
早くシテ島の先端にあるしだれ柳を見に行かなくては!
パリでいちばん先に芽吹くといわれているもので、毎年楽しみにしているのです。
今日は久々に、モンマルトルの麓にあるAnvers(アンヴェール)へ。
午後3時頃から始まるこのマルシェの好きな所は、中に入って振り向くとサクレクールが見えて気分が上がること。冬は街路樹の葉が落ちて白い寺院が良く見える。晴れて青空が広がっていたら運がいい。
最初に気になったのはウニ。フランスでウニ漁が解禁になるのは11月~4月15日までなのでシーズンが終わる前に食べておきたい。
芽キャベツが出てくると嬉しくなって必ず買ってしまう。小さなココットに入れて、ニンニクと一緒にオイル蒸し。それと、パルメザンチーズとオイルをまぶしてオーブン焼くのもおいしい。
「春の苦みが身体を目覚めさせる」と祖母が良く言っていた。蕗のとう、タラの芽がない寂しさを、このタンポポの葉でまぎらわす。
色鮮やかなTrévise(トレヴィス)、右のPain de suc(パン・ド・スック、チコリの一種)は、いまが旬。
中が鮮やかなピンク、オレンジの渦巻きになったベットハーブ。
そういえば、しばらく食べていないSalsifi(サルシフィ、西洋ごぼう)。春が来る前に買っておこうかな。
毎年秋から出始める南国のフルーツ、パイナップル、ライチ―、マンゴー……これらはすべて、フランスとは逆の季節、真夏の南半球にあるフランス海外県からやってくるものです。
パリに住み始めた頃 、冬にマンゴーなんて!とちょっと違和感があったのと、昔長い間マクロビをやっていたせいか食物の陰陽からすると、口にするのは、かなり抵抗があったのですがいまはタガが外れて楽しんでいます。
ヴィクトリアというジューシーで甘みの強いタイプはレユニオン産。
マンゴーは、コートジボワールから。
ザクロは10月から3月がシーズンとされていて、イランやトルコから来るもの。
さて、今日は旬のマンゴーを使ったタルトをご紹介します。
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■マンゴーのタルト
Tarte fine au mangues
パイシート(冷蔵か冷凍) 1枚
パイ生地艶出し用
-ハチミツ 大さじ1
-水 小さじ½
完熟マンゴー 1個
ライム(又は小レモン) ½個(搾り汁、皮)
ハチミツ 大さじ1
ミント 少々
― 作り方
1. パイ生地を広げて、長さ25cm、幅25cmくらいに切る。残った生地を幅1cmくらいのリボン状に切り、長方形に切ったパイ生地の周りに重ねて軽く押さえる。その上に、水を加えたハチミツを刷毛で塗る。生地の底にフォークを押し付けて数か所穴を開ける。
2. パイ生地の底が浮き上がるのを防ぐ重石(タルトストーン)もしくは、豆や米(後で使えます)を載せる。生地より少し大きめに切ったクッキングシートを敷き重石を入れる。180度に温めておいたオーブンで20分程焼く。
3. 焼いている間にマンゴーをカット。皮をむいて種を取り除いてから、長めの短冊に薄切りして皿に。搾ったライム汁とハチミツを混ぜ合わせたものを上からかけてなじませる。
4. パイ生地が焼き上がったら、重石を外して冷ます。マンゴーを並べてライムの皮の千切りやミントを散らす。
切り分けてから、アイスクリームやフローズンヨーグルトを一緒にサーブすると一層おいしいと思います。マンゴーの替わりに完熟の洋梨や柿でも。
マンゴーの効能を調べてみると……カロチンたっぷり、老化予防の抗酸化作用、ビタミンC、葉酸、食物繊維が豊富、美肌作りと身体の内外を美しく保つ!ですって。素晴らしい!
■Marché Anvers マルシェ・アンヴェール
Place d’Anvers 75009 Paris
営)金 15時~20時30分
メトロ)2番線Anvers駅
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo