友達のうちのごはん その3
パリのマルシェとレシピ。
知り合ったばかりでもフィーリングが合えば、気さくに食事に呼んでくれる・・・
フランスのこういう習慣は、とても嬉しいものです。
先日お伝えしたNicole とMichelの家に着くなり、打ち明け話でもするように
「実は、悪いお知らせがあるのよ・・・今日のお昼の前菜は、昨日の残り物のタブレよ~~」と。ぶふふっと笑いが込みあげてくる。
"一緒に食べましょう!"と招いてくれる気持ちだけで充分なので、そんなことは、
どうでも良く、かえって家族のようで親しみが湧いてきます。
人が料理してるのを見るのって、すごく楽しい!
「この魚の味付けは、どうするの?」と聞くと、「これは、フェニャンよ!」
フェニャン?スパイス?新しい調味料の名前かと思いきや、"マギー・ブイヨン"の事でした。Fainéant(e)= 怠け者の、不精な・・・と解かって笑う。
フランスの家庭では、モロッコ料理のスパイスも一般的に使われています。
左から、マダガスカルのカレー粉、白コショウ、コリアンダー、クスクスmix,
混ぜ合わせた肉用のスパイス。
クスクス粉で作ったトマト味のタブレ。オリーブと庭のタイムの花をあしらって。
いくら食べても飽きない味。
"フェニャン風味"のスズキの蒸し焼き
食後のチーズは、3種類。左から、Ferme de mont-vrissonという青カビ入り、Chèvre de côtés du forez ヤギのチーズ、「これって、アンティーク屋で買って来た中世のもの?」「そうそう!」と・・・鉄の鎧のような カビに覆われた軽めのチーズSt-nectare 。
普段は、チーズをほとんど頂かないのですが、アルザスワイン(Pino gris 1998)と
一緒だと、美味しい!
いつもの食事にアルザスのトラディショナルな可愛いお皿が。
アルザス風のチーズタルト Tarte au fromage blanc、お手製ケーキの材料は、フロマージュ・ブラン、フレッシュ・クリーム、小麦粉、卵、砂糖、塩。小麦粉をほんの少し(大さじ1)しか使わないので、しっとりしていて、表面は香ばしい。
やっぱり、和むのは、おウチごはんです。
パリに来たばかりの頃は、色々な処に食事に出かけていました。シェフの趣向を凝らしたお料理も、もちろん素晴らしい。でも、今はこういう市井の、飾らない普通のごはんが何よりも楽しく美味しく感じる。
アルザスに行って、名物のシュークルートもタルト・フランベも食べなかったけれど、
何よりのごちそうは人情と優しい気持ち。
ココロが温かくなるようで、元気が出てきました。