いぬパリ

南仏プロヴァンスの小さな村から その3

いぬパリ


こんにちは、吉田パンダです。
つい先日、パリ在住の知人から東北の新聞、河北新報に知人が書いたコラムを
送って頂きました。それによると、バカンスの語源は「空=からっぽ」を意味
するラテン語「vacuum」であると。つまりリゾートで贅を尽くすことではなく、
本来は普段の生活から離れて自分を空にし、英気を養って自分を見つめなおす
時間、それが「バカンス」...。なるほど。8月はパリにいて、オリンピックに
うつつを抜かしていた自分は、まさにバカンスを過ごしていたと言えるでしょう
(負け惜しみ)。

というわけで、今日のいぬパリは8月ならぬ6月にプライベートで訪ねた南仏の日々から。
フィガロ7月号でも掲載されたmoustiers sainte marieという小さな町をご紹介します。

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写真中央、金色にぽっちり小さく輝く星が、「ムスティエの星」です。
十字軍に旅立つ兵士が無事に故郷に帰ってこられたら谷間に星をかける、と
誓ったのが始まりだとも言われていますが、いつからここに星がかかっている
のかは定かではありません。小さく見えますが、直径1mくらいはあるんですよ。

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宿泊したのは、やはりフィガロ7月号でも紹介したBastide des Oliviers。
なぜここにしたかって、そりゃあアナタ、二匹のキャバリアがいるからなんですが、
なんと僕らが宿泊した時は耳の中に植物が寄生したとかで病院に行っていて、
会えず終いでした(涙)。

La Bastide des Oliviers
http://www.la-bastide-des-oliviers.com

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「キャバリアちゃん...、遊びたかったぞ...」

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庭に咲くバイカウツギ(梅花空木)。香水の材料にも使われる花で、
いい香りがします。くんくん。

さて、バカンスの楽しみのひとつは間違いなく「食べること」。
誌面にも紹介されていますが、このムスティエの町でいちばん美味しい
レストランはアラン・デュカスが1995年に開いたオーベルジュ、
la Bastide de Mostiersです(現在一つ星)。

ひとつ残念なことをお伝えしますが、ムスティエを含め、南仏の観光地に
あるレストランは夏しかオープンしていないところも少なくなく、概して
値段は高く、そして味はイマイチです。僕は普通のレストランで食べるより、
むしろサンドイッチやピザを選び、その代わりその町に滞在中一度は星付き
レストランで食事をする方がいいと思っています(フィガロ掲載レストラン
は除きます。そういう中で実際に食べ、美味しかったところを載せていますので)。

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というわけで、la Bastide de Moustiersへランチを食べに行きましょう。
まずは一献。日本はまだまだ暑いと聞いていますので、
よく冷えた地元の白ワインなど如何でしょうか。

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前菜はトマトの冷製スープ、パン・ペルデュ風。

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続いてアスパラのリゾット(6月なので)。

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メインは仔牛のバラ肉の煮込み。
どれも、シェフは絶対酒を飲むのが好きだろうなと思える料理、味付けです。
さすがの一つ星。

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食事の後はお散歩へ。山に囲まれたこの町は、ちょっと歩けばもう何て言うか、
えー...自然しかありません。空っぽになるにはちょうどいい場所です。

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野の花、これはムラサキカタバミ...だと思うんですが、自信ありません。
この花の名前、由来をご存知の方はぜひぜひ右上のメールアドレスからご連絡下さい。

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森林浴をしていると、向こうから犬を連れたマダムが花を抱えて歩いてきました。

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捨てられていたところを拾われたアシュレイちゃん。
そのせいか人見知りで、飼い主さん以外にはあまり撫でられません。美人だね。

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よしよし。

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山間で摘んできたというこの花は、お店の装飾に使うのだそうです。
いいですねえ、そういうの。野に咲く花の美しさにいちばん惹かれます。

他、誌面で紹介されているようにムスティエ焼きという陶器の町でもあり、
フランスの最も美しい村のひとつに数えられています。近くにはどこまでも
広がるラベンダー畑やボートで遊べる渓谷もあり、魅力の尽きない町です。

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「次回はその渓谷もお伝えする予定だニャ」

どうぞお楽しみに。


吉田パンダ

写真家。長年住んだパリを離れ、現在フランスはノルマンディー地方にて、犬猫ハリネズミと暮らしている。庭づくりは挫折中。木漏れ日とワインが好きで夢想家、趣味はピアノ。著書に『いぬパリ』(CCCメディアハウス刊)がある。instagramは@taisukeyoshida

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