建築デザイン賞に輝いたホテルのテラスでちょっと一杯。
PARIS DECO
リュクサンブール公園やパンテオン近くという便利な場所に昨秋リニューアル・オープンしたHotel André Latin(オテル・アンドレ・ラタン)。このホテル、コーヒーショップ&バーもテラスも宿泊客以外も大歓迎というホテルである。


ミカエル・マルペールが内装を手がけた5区のオテル・アンドレ・ラタン。ヴィンテージ調エレガンスの内装でまとめられている。
このホテル、室内もパブリック・スペースもインテリアがとてもいい……と思ったら、フランスの優れた建築とデザインに与えられるL’Archidesigne賞の2017年度ホテル部門を受賞したところである。手がけたのはミカエル・マラペール。以前紹介したパレ・ロワイヤルのカフェLe Nemoursの改装も彼が担当。パリ市内、A-Nost やMaison Bleueといったカジュアルなレストランや、高級なLa Maison Blancheのテラス・レストランを過去に手がけていて、常に新しい提案であっと言わせる人気のインテリア・デザイナーである。アンドレ・ラタンはオーナーの祖父で19世紀のダンディーそのものだったというアンドレをインスピレーション源にし、マラペールは温かみとエレガンスが共存する内装をつくりあげた。


オテル・アンドレ・ラタンの客室とフロント。
ヴィンテージ・タッチが溢れる1階のコーヒーショップ&カクテル・バー。朝8時から24時(日月は15時)までの営業だ。マレ地区で人気のRachel’sの美味しいケーキを揃えているのが嬉しい場所だ。そして、16時からは“ミクソロジスト”のマリー・ピカールによる、モスコミュールやマンハッタンといったクラシックはもちろん、斬新なホーム・メイド・カクテルを楽しめる。サーディンやテリーヌなどシェアして味わえるちょっとした料理もあるので、アペリティフ・タイムから閉店の23時まで自在に活用したい。暖かい季節がきたら、朝から晩までテラス席が魅力!


宿泊客でなくてもウエルカムのコーヒー・ショプ&バー。
太陽の季節に活用したいオテル・アンドレ・ラタンのテラス席。
madame FIGARO japon パリ支局長
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏する。フリーエディターとして活動し、2006年より現職。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。