卓越したものづくりで魅了する、シャネル グラン パフューマーの世界。

Beauty

創造の自由とその時間、サヴォワールフェール、文化を軸に、フレグランス メゾンとしての唯一性を表現する、シャネル グラン パフューマーのコンセプトを体験するイベントが上海で開催された。その詳細をレポート。


今年7月、上海のROJOアート&カルチャースペースで開かれたシャネル グラン パフューマーのイベントには、アジア各国からアンバサダーやセレブリティ、インフルエンサー、プレスが集まり、その世界観を体験。スタートはもちろんN°5だ。1921年の誕生当時からのモノクロ写真やデッサンと最新の映像やデジタル ブックが並ぶ部屋は、古くて新しいN°5の存在感そのもの。続く部屋では、その原材料となるグラースの花畑を守り育てる背景をアートや映像でも見せてくれた。そして、レ ゼクストレ ドゥ シャネルのパルファム11種とレ ゼクスクルジフ ドゥ シャネルのオードゥ パルファム18種とオードゥ コローニュが一堂に並ぶ部屋へ。すべての香りを試すことができる贅沢なひととき。来年発売予定のフレグランス オイルの紹介には誰もが興味津々となった。これらのクリエイションについて、専属調香師のオリヴィエ・ポルジュとパッケージ・グラフィックデザイン制作責任者のシルヴィ・ルガストゥロワから直接聞き、対話する時間も。ふたりが共通して語っていたのは「ヘリテージを守り継承すること」と「革新的なクリエイション」の両立。メゾン最高峰のフレグランスのものづくりをあらためて学び、体感する機会となった。

CHANEL N°5

1921年に誕生したレジェンド、すべての始まり。

上海で開催されたシャネル グラン パフューマーのイベント会場、N°5の部屋。N°5のボトルをモチーフにしたグラフィックの壁面とステンドグラス調の展示
©CHANEL

まず足を踏み入れたのは、もちろんメゾンのアイコンであるシャネル N°5の部屋。左右の壁には歴代の調香師やガブリエル・シャネルのポートレートはもちろん、初代のボトルから最新のキャンペーンビジュアルが展示される一方、ページをめくるとN°5の物語が立ち上がるデジタル ブックが配置された。中央では、5つの表現のうちパルファム、オードゥ パルファム、ローの3つの違いを体験。女性を表す抽象的な香りとシンプルなスクエアボトルの歴史を辿ることで、誕生して100年以上が経ついまもなおモダンな存在であり続けることを感じさせた。

N°5の物語をめくって楽しめるデジタル ブックと、ライトアップされたシャネル N°5のボトル
©CHANEL


GRASSE

最高級の香料を求めて、南仏グラースとの関係。

グラースの花の香料を紹介する展示室。円形の照明の下、台座ごとに花が飾られている

次の部屋へと続く回廊に並ぶのは、19世紀から始まるグラースの農業の発展と、1987年にシャネルと専属契約をしたミュル家の畑や工場の写真。花の収穫から抽出まで、その場で行うことで高い品質を保ってきた。その先の部屋では、グラースで栽培・加工されるローズ ドゥ メ、アイリス パリダ、チュベローズ、ローズゼラニウム、5つの象徴的な原材料がそれぞれ精巧なガラスのアートワークで飾られ、バルブを押すとその香りが広がる仕掛けに。さらに進むと、まるでグラースの花畑にいるような美しい映像が音楽とナレーションとともに届けられた。

台座に飾られたアイリスの花と、香りを体感するホーン型の装置
©CHANEL


NEW CREATION

ふたつのクリエイションと、さらなる新作との出合い。

棚に並ぶレ ゼクストレ ドゥ シャネルのボトルと、白いボックス
レ ゼクストレ ドゥ シャネル 全11種 30ml ¥75,020~80,960(一部店舗・シャネル オンライン ブティック限定発売)/シャネル ©CHANEL

シャネル グラン パフューマーを構成するオードゥ パルファムが中心のレ ゼクスクルジフ19種とパルファムのレ ゼクストレ11種、ふたつのラインを左右のカウンターに配した部屋でお披露目されたのは、今年6月に発売された1957のパルファムとパース スプレイ、そして来年発売予定のオイルベースの新作フレグランス。パルファムと同じ仕草でほんの一滴肌になじませると、インティメイトに優しく香り立ち、期待に胸が躍る。特別に磨き上げられたボトルたちが光を受けて煌めきを放ち、それらを手にしたり、ひとつひとつ香りを試したりと、うっとりする時間が流れた。

レ ゼクスクルジフ ドゥ シャネルとレ ゼクストレ ドゥ シャネルを左右のカウンターに配した展示室
右側に並ぶのが、レ ゼクスクルジフ ドゥ シャネル 全19種 75ml ¥40,810、200ml ¥71,500(一部店舗・シャネル オンラインブティック限定発売)/シャネル ©CHANEL
来年発売予定の新作フレグランスのボトル
来年発売予定の新作フレグランス。
レ ゼクストレ ドゥ シャネルのボトルと、3種の香りが選べるパース スプレイセットのケース
右は、3種の香りが選べるレ ゼクストレ ドゥ シャネル パース スプレイセット 全11種 6.5ml×3 ¥93,830(一部店舗限定発売)/シャネル ©CHANEL

ヘリテージとクリエイションを両立させる取り組み。

オリヴィエ・ポルジュ
Olivier Polge

シャネル専属調香師。美術史を専門に勉強した後、グラースで調香師のトレーニングを受け、父である前任者ジャック・ポルジュから引き継ぎ、国際的な評価を得た。2015年、シャネル4代目専属調香師に就任。

「今回、2018年にレ ゼクスクルジフで制作した1957をパルファムとして発表しましたが、オードゥ パルファムから再解釈する時には、調香の原点に立ち返って原料そのものに徹底的に向き合います。同じムスクでも、体温を感じさせるホワイト ムスクに。さらにネロリのほろ苦さ、落ち着きのあるサンダルウッドを加えました。自分自身でも、とても気に入っています。レ ゼクスクルジフと比べてレ ゼクストレはリッチでドレスアップしたものと言えるでしょう。ほんの数滴でよいのです。だからといって、すべてをパルファムにする必要はないかもしれません。こうしたクリエイションとあわせて、N°5を筆頭にすでにある香りのアイデンティティをどう保存し継承させるか、そのために原材料の品質を守ることも私の仕事です。優れた原材料こそが調香のスタート。私はいつも同じ生産者の元へ足を運び、自分のニーズを伝えるようにしています。シャネルは100年以上にわたり自社でフレグランスを制作してきましたが、生産者との信頼関係と誠実さによって、伝統と新たな創造性を両立させることができているのです」

ジャスミンやローズ ドゥ メなど、シャネルのフレグランスに欠かせない香料のサンプル瓶
グラース産のジャスミンやローズ ドゥ メを筆頭に、シャネルのフレグランスに欠かせない香料。

シンプルだからこそのラグジュアリーを手仕事で形に。

シルヴィ・ルガストゥロワ
Sylvie Legastelois

パッケージ・グラフィックデザイン制作責任者。デザインスクールを首席で卒業、ブリュッセルの装飾絵画学校を経て、1984年にシャネル社に入社。93年、現職に抜擢され、30名のチームを率いて数々のプロジェクトを手がける。

「私の仕事にはふたつの使命があります。過去を守り、過去を尊重すること。同時に、新しいアプローチを提示し続けなければなりません。ですから、レ ゼクストレのボトルを発表するにあたり、デザインの変更はしませんでした。品質を極めるために考えたのは、ボトルのすべてのパーツを再研磨してクリスタルのような輝きを放つ仕上げでした。それを実現できる希少なガラス職人を見つけ出したのです。また、このボトルを収めるカボション ボックスは黒のベースに白い紙で各パーツを手作業で貼り付けたもの。上蓋の内側に、ボードリュシャージュという伝統技術で密封されたボトルを開封するためのカッターをポケットに収めて入れました。パルファムを開けるジェスチャーはリチュアルのようであり、自分自身のための贅沢な時間になるでしょう。そして職人たちの技を感じ取るはずです。とはいえ、時間がないという人のためにパース スプレイもデザインしました。細身のリフィラブルなケースは、トランテアン ル ルージュのガラス ケースと同じ職人が手がけています。パルファムを持ち歩く贅沢な“革新”です」

ボトルやパース スプレイのケースのデザイン画と、ボトル開封用のカッター
ボトルを開封する時に使うカッター(右上)は、日本の糸切りハサミにインスパイアされたもの。
問い合わせ先

シャネル カスタマー ケア センター
0120-525-519(フリーダイヤル)
https://www.chanel.com/