太陽の日差しが少しずつ強まり、汗ばむ日が増えてきました。夏支度の最優先事項として、そろそろ足元を磨き、美しい素足でスタンバイしておきたいところです。

ところで皆さん、ネイルはジェル派ですか？　カラー派ですか？　私は爪が敏感なこともあって、ジェルネイルは苦手。手も足も地爪にカラーを施すくらいです。とはいっても頻繁にカラーを塗り替えるのは爪に負担がかかるし、健康的に美しくキープするにはどうするべきか。日々、悶々と模索しておりました。

そんな中、世界的なポディアトリスト（足医学専門家）であるバスティアン・ゴンザレス氏監修のフットケアにかかると、足のトラブルをケアしてもらえるのみならず、カラーを施さなくても自然と輝く美しい爪になると聞きつけ、ザ・ペニンシュラ スパを訪ねました。

バスティアン・ゴンザレスの右腕であるブノワ・ペリエ氏のほか、日本人セラピストも常在。障子など和の様式を取り入れた個室は、温かみのあるプライベート空間になっている。

“ポディアトリスト”という言葉自体、日本ではあまりなじみがないですが、欧米では大学で専門教育を経て所得する医療資格。外反母趾、タコ、魚の目、巻き爪などの足や爪の専門的なケアをはじめ、その痛みも治療する足医学のエキスパートなので、一般的なペディキュアやトリートメントとは別物です。

「健康と美、両方を追求する」バスティアン・ゴンザレス監修の6トリートメントのうち、今回は看板メニューである「バスティアン フットケア トリートメント」をオーダー。

担当してくれたのは、フランス人ポディアトリストのブノワ・ペリエ氏です。ザ・ペニンシュラ東京での勤務は3年目にあたるだけあって、英語やフランス語以外に、簡単な日本語でもコミュニケーションをとることもできる頼もしい存在です。

使用する専用器具は歯科治療のそれとそっくり。痛みはないどころか、不要なものをテンポよく取り除いて磨き上げていくプロの技は、見ているだけでも楽しいものです。

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足の状態をくまなくチェックしたら、まずはその足が抱えているトラブルを解消することからスタートです。

私の場合は、魚の目やタコ、そしてかかとのひび割れを、ペリエ氏が数種類の専用器具を巧みに使い分けて削り取ります。特徴的なのは、足を濡らすことなく乾いた状態のまま処理すること。そうすることで不要な部位だけを取り除くことができ、健康な角質を傷めることがないそうです。

続いては爪のケア。甘皮を処理し、形を整えつつ丁寧に磨いてくれるのですが、仕上がった爪は、まるで桜貝のよう！　自然な光沢があり健康そのもので、品の良さが漂います。よく手入れされた地爪はマニュキュアを凌駕するほど美しい――これこそバスティアン・ゴンザレスの美学です。

タイムやラベンダーなどのエッセンシャルオイルを含んだバスティアン ゴンザレスオリジナルのフットクリームは購入も可能（200㎖ ￥18,100）

最後は、フットマッサージで筋肉の緊張を取り除きます。膝下からつま先まで丹念にもみほぐしてくれるのですが、筋肉を元々あるべき位置に戻していく動きにより、施術後はふくらはぎが幾分リフトアップしていることを実感できます。

オリジナルの水ベースのクリームを使って、十分に保湿するので、足なのに（！）吸い付くようなもっちりした皮膚になるのは、ちょっとした感動体験です。

施術の前に、2種類あるシャワーやサウナで身体を温めるとトリートメントの効果もアップ。リラクゼーションルームでゆったり寛ぐ時間も欲しいので、予約時間より1時間は早めにチェックインを。

最後に、日常のフットケアについて、気をつけておくべきポイントをペリエ氏に伺いました。

「足の皮膚は他の皮膚に比べて7倍は厚くできています。顔に専用の化粧品を使用するように、皮膚が厚い足には特別なケアをする必要があります。足には、水ベースのクリームを使うことをおすすめします。なぜなら油分の多いクリームを使うと、足の皮膚は強いために、内部の角質層まで水分が届かず、すぐに乾燥を引き起こしてしまうことがあります。だから、水ベースのクリームで、深い角質層まで水分を届ける必要があるのです。また、水ベースのクリームを塗った後は、そのまま素足で過ごしてください。水ベースなら、すぐにしっかり浸透し、べたつくことはないはずです。そうそう、ベビースキンを維持するには、週に1回は軽石を使ってくださいね」

手入れの行き届いた健康的かつ美しい足のキープこそ、大人の美習慣として最優先にすべきこと。

夏を迎え入れる前に、専門のポディアトリストに足を委ねてみませんか？（ライターEA）