パリ街歩き、おいしい寄り道。

お仕事モードのカフェ巡り。#8

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少し前にカフェ・メリクールへ行った朝、
同じ道に、お花屋さんとカフェが隣合わせの
可愛いお店を見つけていた。
寒くて小雨の降る中、そこだけぱっと明るく
清々しい空気にあふれていて、
近いうちに来よう!と、通り過ぎたのだった。
青い庇が鮮やかで、グレーな空の下でも
思わず元気になれるようなデジレは、
店内の真ん中にガラス窓があり、
お花屋さんとカフェに分かれている。
朝ごはんは、パンとバターとジャムの定番セットに、
ホームメイドケーキが選べるものもあって、迷った。
そこでパンは何か聞いてみると、カンパーニュという。
じゃあパンのセットにしようと伝えると、後ろの台に
残っているパンを見て「足りないし、どっちにしろ買
いに行かないといけないから、2分待ってくれる?
そしたら出せる!」と明るく言われた。それを聞いて、
急がすのも悪いなあと思い、洋ナシとシナモンのケー
キのセットに決める。
隣のお花屋さんには、ミモザがまさに季節なんだな、
と感じるボリュームで置いてあった。
青い白衣(って変な言い方ですが)の店員さんたちが
入荷した花の下処理をしているのを眺めていると、
ヴェルヴェーヌのハーブティー、
搾りたてオレンジジュース、そしてパンとバターに
ジャムがテーブルに並んだ。あれ?と思い、
ケーキにしたけれど......と言うと、件の彼女は
目をまん丸にして「信じられない!」と頭をかかえ、
「C’est la catastrophe!!」(うわぁしまった!)と
繰り返した。レトロなメガネをかけた、若くて、この
界隈にぴったりな雰囲気のフランス人の女の子。
「はじめパンにしようかと思っていたし、パンのまま
で全然いい」と伝えると、
「ケーキの方がよかったらケーキに変えて。全く問題
ないから」と、本当にこちらが気を使わなくて済む
口調で言ってくれた。
買ってきてくれたばかりのパンをありがたくいただく。
そのパンはしっとりして軽くて、みっちりして優しい
パンだった。おいしいなぁと食べていると、
「よかったらこれ」と彼女がケーキのお皿をテーブル
の端にそっと置いた。なんだかほんわかした気持ち
になって、PCを広げて仕事をした。


ランチタイムになり人が入ってきたので、
移動することにする。
すぐ近くにあるスクアール・ガルデットへ。
いつも猫が寛いでいるこのカフェは、お昼になると
若い人だけでなく、近所のおばあちゃんたちが友だち
同士で連れ立ってやってくる。
黒米入りの大きなサラダプレートをメインに頼んで、
食べ終わったら、ランチタイムが終わると急に静かに
なったお店にそのまま居座り、仕事の続きをした。
夕方になってきて、ちょっと歩きたいと思い、今度は
カフェ・ミラベルへ。アルザス出身のパティシエの
女の子が始めたお店で、持ち帰りにもできるケーキを
デザートプレートにして出してくれる。
この日の出来事を日記に書いて、夕暮れ時を過ごした。

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* お知らせ −スリランカ紀行−*
昨年旅したスリランカの滞在記も公開されています。
第2話も近日中に公開予定です。
アップされましたらまたInstagramでお知らせしますね!

川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


Instagram: @mlleakikonotepodcast「今日のおいしい」 、Twitter:@kawamurakikoも随時更新中。
YouTubeチャンネルを開設しました。

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