【読者プレゼント】次世代のロゼはヴィーガン志向！？ ムートン・カデの新作に熱視線。

編集者が訪れたワインの試飲会、セミナー、ディナーをレポート！ ワインを取り巻く「いま」をお伝えします。

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日差しに夏の気配を感じさせる季節に、次世代のロゼワイン「ムートン・カデ・ロゼ・オーガニック 2022」が発売。プロジェクトの中心人物となるマチルド・セレイス・ド・ロスチャイルドが来日した。

ムートン・カデは、フィリップ・ド・ロスチャイルドによって1930年に誕生した。シャトー名がそのままワイン名になるのが一般的だった時代、この取り組みは革新的で、その後のボルドーワインの可能性を大いに開くこととなった。そんな彼のひ孫にあたるのが、今回来日したマチルド。1993年生まれの彼女は2020年からワイン事業に参画、22年のヴィンテージとなるムートン・カデ・ロゼ・オーガニック 2022から、ブレンドに携わることとなった。

「若々しいフレッシュなワインに仕上げたかった」と語るマチルド。ラズベリーのような香りが立ち上り、グラスをゆするとピンクグレープフルーツのような爽やかな印象も表れる。ひと口含むと、香りに沿ったフレッシュな風味が広がった後、パイナップルのような酸味もあるトロピカルフルーツが立ち上り、口を引き締めるようなミネラル感が余韻に残る。使用品種はメルロー100％だが、保水性の良い粘土シルト（＝砂と粘土の間くらいの細かい堆積土壌）土壌とミネラル要素の強い粘土石灰土壌の畑で採れたブドウを50%ずつ使い、それぞれの持つ個性を引き出した。

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また、本人もヴィーガンであるマチルドの思いで、ムートン・カデ・ロゼ・オーガニック 2022はヴィーガンの認証も取得したオーガニックワインとなった。これにちなみ、お披露目の席となった表参道のジェントルダイニングでは、ヴィーガン仕様のランチを提案してくれた。

フルーツトマトの甘さや酸味に、ロゼのフレッシュ感がとてもよく寄り添う。大豆由来の「ソイリコッタ」の風味もワインを進めてくれる。

また、直接圧搾でブドウ果皮からのニュアンスも加わるこのロゼワインにはほんのりとした苦味もあり、それが野菜を使った料理にとてもよく合う。特にグリンピースのようなほろ苦い味わいの食材にはピッタリだ。

驚いたのは、肉料理のようなしっかりとした味わいにも寄り添う骨格のあるワインに仕上がっていること。クオリティの高いヴィーガンビーフは、食感からして牛肉を想起させる味わいだったが、赤ワインを煮詰めたソースとロゼワインの相性は抜群だった。

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ランチの翌日、お披露目のパーティーが原宿東急プラザのビルズで開催。そこにはサプライズゲストとしてバロン・フィリップ・ロスチャイルド社の会長兼CEO、そしてマチルドの父であるフィリップ・セレイス・ド・ロスチャイルドが登場した。

「彼女の自由な感性を活かした、新しいワインを見てみたい」と語ったフィリップ会長。娘にグラスを捧げる仕草が印象的だった。

「若さにはルールなんていりません！ グラスに氷を入れて飲んでも、グレープフルーツをスライスして浮かべてもOK。自由自在にロゼを楽しんでほしいです」

新たなるボルドーの担い手は、ヴィーガン思考というだけでない発想の豊かさを持っているよう。マチルドの新鮮な感性があふれるロゼワインで、華やかなひと時を過ごそう！（編集YK）

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