映画『プラネタリウム』レベッカ・ズロトヴスキ監督にインタビュー。

インタビュー

ナタリー・ポートマンとリリー=ローズ・デップがスピリチュアリストの姉妹役として共演する話題作『プラネタリウム』が、9月23日に公開となる。ナタリー演じる姉のローラは降霊術ショーを仕切る野心家で、リリー=ローズによる妹のケイトは純粋で自分の世界に閉じこもりがちな少女。そんなふたりの才能に映画プロデューサーのコルベンが魅せられ、運命が狂いだす……。ミステリアスで美しい物語を生み出した、レベッカ・ズロトヴスキ監督にインタビュー。

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レベッカ・ズロトヴスキ
1980年生まれ、フランス・パリ出身の映画監督・脚本家。2010年に発表した初の長編監督作『美しき棘』が第63回カンヌ国際映画祭の監督週間部門で上映され話題に。ルイ・デリュック賞では新人作品賞を受賞。続く2013年の『グランド・セントラル』で第66回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品され、フランソワ・シャレ賞を受賞、リュミエール賞では特別賞を授与された。本作は3本目の長編映画監督作品。

― 舞台は1930年代。当時の世相を、あなたはどんなふうに捉えていますか?

レベッカ・ズロトヴスキ監督(以下、R):経済の変化、反ユダヤの台頭、ホモフォビアの存在など、物語を描くにあたって必要となる要素がこの時代にありました。脚本家視点では、世界大戦前ということで説明不要に「何か悪いことが起きそう」と観客に感じさせることができる時代でもあります。もうひとつ、ゴージャスで美しい服装を描けるのが大きな特徴ですね。

― モードの歴史を振り返っても、ココ・シャネルやエルザ・スキャパレリなど女性デザイナーの活躍があり、華やかな時代ですが、ローラやケイトの衣装へのこだわりは?

R:ローラは初め、当時流行していたマニッシュな服装を纏っています。それは彼女自身を強く見せるためなんですが、次第にフェミニンで華麗なファッションへと変化していくんです。この映画の中で、最も外見的な変化が大きいのはローラだと思います。

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― 彼女の内面の変化が、ファッションに現れているということですね。

R:その通り。視覚的にも分かりやすく示したかったんです。最初は男性的な服装で個性を隠しているけれど、自身の才能に気付くにしたがって、外見も輝きだしていく……という意図もありました。

― そのポイントに注目して作品を観るのも面白いですね。姉妹が行っていた降霊術というのは、スピリチュアルな側面を持つ一方、一種のセラピーみたいな役割もあるのでしょうか。

R:アメリカで流行していた当時は、お互いの結束を強める、心を読み合う、という意味で宗教や信仰のひとつとして捉えられていたと思います。それがヨーロッパに来たとき、カトリックとは相容れないものとして「スピリチュアリズム」というものが生まれたのだと思います。不安な時代、人々はそういうものに頼り、心の安定を得ていたのかもしれませんね。

― ローラとケイトは、例えるなら太陽と月のような関係だと感じますが、ふたりのバランスについて意識したことは?

R:ひとりがポジティブで、もうひとりが内面に色々抱えているダークな部分がある。惑星に例えるなら、まさに太陽と月ですよね。私にも姉がいて、姉妹の関係性には昔から興味があったんですが、ライバルや、対立する関係にはしたくなかったんです。彼女たちは生まれた時からずっと一緒で、相互依存していて、その結果、本当に大切なことを相手に言わなくなってしまう。でもお互いが自立して離れていくにしたがって、本質的なことが言葉として出てくる……そういうものを描きたかったんです。

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― あなたとお姉さんとをふたりの登場人物に反映している部分はあるんですか?

R:いいえ、これは完全なフィクションです(笑)。姉は私の2歳上なんですが、いまも仲が良く、強い絆があります。

― 今回はナタリーと同じタイミングでの来日となりましたが、二人でどこかへ出かけましたか?

R:昨晩一緒に食事をすることになって、ナタリーが鮨屋を予約したんです。彼女はヴィーガンで魚を食べないんですが、私のために、オバマ元大統領も行ったという有名店を調べてくれて。でも、辿り着いたお店はとてもそんなふうには思えない。古ぼけていて、プラスチックでパウチされたメニューが出てきて……。本当にここ? とよくよく確認したら、同じ名前の別のお店だったんです(笑)。

― それは、笑い話になる思い出ができましたね。あなたのバカンスの予定は?

R:今年は長い休暇は取れないのですが、南仏のアルルに写真の展覧会を見に行き、友人の結婚式でチュニジアに行くくらいかしら。来年は必ず取りたいと思っています。

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『プラネタリウム』
監督:レベッカ・ズロトヴスキ
脚本:レベッカ・ズロトヴスキ、ロバン・カンピヨ
出演:ナタリー・ポートマン、リリー=ローズ・デップ、エマニュエル・サランジェ
配給:ファントム・フィルム
9/23(土)より、新宿バルト9・ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
http://planetarium-movie.com/

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