attitude クリエイターの言葉

「ライ」の歌声に込められた、家にいるような安心感。

インタビュー

たとえどんな状況にあっても、優しい心を取り戻せる歌を。

ライ|ミュージシャン

ミステリアスで官能的ながらユニセックスな魅力のあるボーカルに、アンビエントなソウルサウンド。デビュー以来、異彩を放ち続けているミュージシャン、ライ。

最近では「セキュラー・サバス」というコミュニティを立ち上げて、アンビエントサウンドを24時間流しながら瞑想するイベントを開催するなど、ユニークな活動も目立つ。

「このイベントを通して、リラックスできる空間や時間を求めている人がいかに多いかを実感したよ。参加する人たちに優しい繋がりが生まれて、創造力を養うことができるようなコミュニティを目指しているんだ」

大切な人との出会いで、ホームを作ろうと思った。

3作目となるアルバム『Home』は、そんな彼らの優しい時間の中で紡がれた作品。ステイホームを強いられている昨今の世界状況に思いを巡らせてしまうようなタイトルだが、実はコロナが蔓延する前から思い浮かべていた言葉なのだと言う。

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1980年代のマイケル・ジャクソンのような雰囲気のあるダンスチューンから、60人編成の合唱団とともに作り上げた神秘的な楽曲まで、多彩なサウンドで構成した3作目のオリジナルアルバム。独特のソウルフルなボーカルには、すべての概念を超越して優しく包みこむような、圧倒的なエネルギーが感じられる。『ホーム』キャロライン・インターナショナル ¥2,700

「以前は、スーツケースをふたつくらい抱えて気が向くままにいろんな場所で音楽を作れればいいと思っていた。だけど、大切な人(アルバムのジャケットやミュージックビデオに登場する彼女のこと)との出会いによって、自分の『ホーム』を作りたいと思うようになった。それに、実際にロサンゼルスに家を建てたばかりでね。アルバム制作は、僕の家への洗礼でもあったんだ」

しかしアルバムを通しで聴くと、瞑想や洗礼とはかけ離れたディスコやダンスを連想させる音楽が目立つ。自由に外出してダンスできない、現在の鬱憤を晴らしてくれるようだ。

「今回は何かを特別に意識して音作りしたわけではなくて、僕が自然に求めていたものを表現しているんだ。歌詞やボーカルも感情を無理矢理押し出すのではなく、自然と湧き上がったものを口から放出させたという感覚。それがこういったサウンドに繋がったのかもしれないね」

アルバム全体を通じて、「人生が僕たちをどこへ連れて行こうとも、いつも家に帰ることができる」ことを伝えたかったと言う。確かにたとえどんな状況にあっても、このアルバムを聴けば、家にいるような安心感やリラックスした気分を感じることができるだろう。

「いまのような隔離された状態は、誰にとっても苦痛。だからこそ、人が人を敬って行動する寛容な心が求められていると思うんだ。もし、このアルバムが優しい気持ちを取り戻すきっかけを与えられるなら、とても素敵なことだよね」

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Rhye/ライ
カナダ生まれでロサンゼルスを拠点に活動するマイケル・ミロシュが中心のプロジェクト。2013年にアルバム『Woman』でデビューすると、音楽メディアで賞賛を浴びて注目を集めるように。フジロックをはじめ、来日歴も多数。

*「フィガロジャポン」2021年3月号より抜粋

interview et texte : NAOHISA MATSUNAGA

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