映画の感動は、観た環境にもよる!
編集KIMのシネマに片想い
こんにちは、編集KIMです。
突然ですが、「素敵なデート」って最近していますか?
昔は映画館に行き、(古い言葉ですが)緞帳が上がり、予告編を観て、お決まりの製作会社のロゴマークから映画が始まったりするとなんだかワクワクして、それだけで暗闇の素敵デートになったもんです……。
でも、現在世間はイベントばやり!
ありとあらゆる手段で、「素敵な時間の過ごし方」が提案されて、映画そのものの質だけではなく、それを観る環境、気分がすごく重視されるようになりました。
KIMは映画やカルチャーの編集担当だけでなく、美容やファッションも担当します。美容新アイテムの発表会、ファッションイベントや展示会などに出かけた時に、どんな場所で、どんな演出で披露されているかって、記憶と密接に結びついています。映画も、映画祭で観たのか、どの劇場で観たのか、実はしっかりとKIMは記憶しています。
ドライブイン・シアター……それはもう記憶に残る、映画体験でしょう。
屋外のムード、暮れ行く空の色彩、ポップコーンや炭酸飲料の刺激的な匂い。
その時誰が隣のシートに座っていたか、など!
色濃く映画鑑賞体験をサポートしてくれるムーディな演出に包まれて、作品を観ることになるのですから。
そこで紹介したいのは、そんなイベント的映画体験にぴったりな作品群。
盛り上がること必須です!
『ラ・ラ・ランド』
恋愛の起承転結を、非日常シーンに乗せて。
2017年の米国アカデミー賞を席巻した『ラ・ラ・ランド』は、デート映画として間違いないけれど、あえて”ドライブイン・シアター”向きなポイントを挙げれば、日常が非日常へシフトするシーン設定。やたら明るいファーストシーンでは極彩色の衣装のダンサーがハイウェイの車で踊る。だのに、主人公のふたりはまだ出会っておらず仏頂面のまま。LAの街を見下ろす丘の上では突然意気投合して、アステア&ロジャースへのオマージュを捧げるタップダンスを披露。そして回想シーンでははりぼてのパリの街が登場……。映画は夢!と思わせてくれる非日常への誘い。現実では結ばれない主人公たちが夢の中で愛を成就する、映画がくれるロマンティシズムが満ちあふれた一本だ。
監督・脚本/デイミアン・チャゼル
出演/ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン
2016年、アメリカ映画 128分
配給/ギャガ、ポニーキャニオン
© 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.
http://gaga.ne.jp/lalaland/
『トゥルー・ロマンス』
欲望優先主義な生き方って、カッコいい。
着たい服を着て、惚れたい異性に惚れて、行きたい場所に向かう。それって素敵なコトじゃない?と素直に思わせてくれる一本。好きになった女はコールガール、それも相当アブナイ仕事相手の。そして、派手な服を着て目立っちゃってるのに、逃避行に出る男女。ちょっとアタマが弱い、その感じがとても素敵で、問答無用のまっすぐな可愛さとコケティッシュなムードに飲み込まれてしまう。 欲望を最優先させることに躊躇など無用、ピュアなキャラクターにかなうものなどないのだ。故トニー・スコット監督による、クエンティン・タランティーノが脂がのってる時代のシナリオ。 パトリシア・アークエットの絶妙なキュートさとキッチュなファッションにノックアウトされてしまう。
監督/トニー・スコット
脚本/クエンティン・タランティーノ
出演/クリスチャン・スレイター、パトリシア・アークエット
1993年、アメリカ映画 121分
ディレクターズカット版 Blu-ray¥6,253
発売・販売:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
True Romance © 1993 Morgan Creek Productions, Inc. Package Design ©2014 Morgan Creek Productions, Inc. and Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
ロミオ+ジュリエット
初恋物語はエターナル、だからリュクスな演出で。
バズ・ラーマン監督作品はドライブイン・シアターに向いている。ストーリー展開はシンプルでみんなが知っている内容なのに、演出が華やか。そして見せ場が夜空に合う美しさを伴っているから。過去に何度か映画化されているシェイクスピアの悲恋物語は、出会いのシーンからしゃれている。水槽を通して互いの顔を認識するふたり。水や鏡が生かされた演出。大袈裟な中世の習慣を揶揄し、モダンな衣装に包まれた登場人物たち。ピュアな若者たちの恋愛感情は普遍的だけれど、クラシックな物語であることを忘れさせてくれるスピーディな演出が最高にチャーミングだ。レオナルド・ディカプリオはバズ・ラーマン作品に出演すると、どことなくコミカルで、そこがますます女性の恋する気持ちを刺激してくれるのかも!?
監督・共同脚本/バズ・ラーマン
出演/レオナルド・ディカプリオ、クレア・デーンズ、ジョン・レグイザモ
1996年、アメリカ映画 120分
Blu-ray ¥2,572
発売・販売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント
©2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
ゾンビランド
気弱だけれど心地いい! そんなボーイフレンドと観たい。
引きこもりの青年が生き残りをかけて隠れつつ、最後には懸命にファイトするゾンビ映画。カルチャー女子たちの間では実はアイドル的存在のジェシー・アイゼンバーグが、主人公を演じている。名優ビル・マーレイが本人役で出演していたり、コメディ風味なところがウマい演出だ。危機に襲われた時に、強くなくてもいいからリラクシングなボーイフレンドって心地いい、そんな気持ちにさせてくれる。ハンサムでない男子が主演という設定はデートムービーには最適だけれど、何よりも、はらはらドキドキのホラー映画ゆえの独特のリズム感で、ファンタジックな遊園地で展開するという設定が見事。ロードムービー的なラストもなんだかしみじみする爽快なコメディホラー。
監督/ルーベン・フライシャー
脚本/レット・リース、ポール・ワーニック
出演/ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、エマ・ストーン、アビゲイル・ブレスリン、ビル・マーレイ
2009年、アメリカ映画 88分
Blu-ray ¥1,944 DVD ¥1,383
発売・販売:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© 2009 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.