Music Sketch

ディズニー・オン・クラシックは、飛び出す映画のよう。

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この9月22日から『ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2018』がスタートしていて、全国をツアー中だ。私は9月21日に行われた公開ゲネプロをひと足先に観に行ってきた。『ディズニー・オン・クラシック』とは、ディズニー・アニメーション映画の有名な楽曲やテーマパークの名曲を、オーケストラの生演奏を聴きながら、ステージ上のスクリーンに映る映像と楽しむというシリーズ。もちろんシンガーも出演する。

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ゲネプロでもすべて本番同様に行われた

このような映画音楽を生演奏と映像とで堪能する試みは人気で、私もこれまでも数回観て来ている。2014年に観た『ティム・バートン&ダニー・エルフマン映画音楽コンサート』は、作曲家ダニー・エルフマンが指揮を行い、映像に加えて、ティム・バートンが映画製作時に描いたイメージボードや原画、デッサンなどもスクリーンに映される大サービスぶりだったし、2015年にはディズニー作品の中でも特に大好きな『ファンタジア』をテーマにした『ディズニー・ファンタジア・コンサート』を堪能。2017年は『この世界の片隅で』の音楽を担当したコトリンゴのコンサートでも、映像を流しながら生演奏を聴くことができた。お気に入りのシーンを生演奏や生の歌声と共に味わえる素晴らしさは、クセになる。映画での歓喜も音楽からの感動も相乗効果となり、心にも記憶にも深く響いてくるからだ。

■90年前のミッキーとミニーのデビュー作品に興奮!

今回の公開ゲネプロに行ってみて驚いたのは、MCをはじめ、すべてが本番さながらに行われていること。招待者も多く、観客席も5分の1ほどは埋まっていたような気がした。

『ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2018』は、東京ディズニーシーのテーマソングなども作曲した、大の親日家ブラッド・ケリーが指揮を取るのが最後になるという。オーケストラ・ジャパンが座る椅子にはミッキーたちが飾られていて、開演前にそれらを見つけただけでも心が弾んでくる。ディズニーは本当にそういうワクワクする魔法を作り出すのが上手だ。

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1928年に発表された『蒸気船ウィリー』。

開始早々、ミッキーとミニーのスクリーン・デビュー作となった『蒸気船ウィリー』(1928年)に引き込まれた。90年前のアニメーションとは思えないほどの豊かな描写力・表現力に魅了され、加えてシンガーたちが動物たちの鳴き声を演じるのも楽しく、これだけでも観どころ聴きどころが満載。自然と笑みが溢れるだけでなく、声をあげて笑ってしまった。またすぐに観たくなるほど、面白かった。

■名場面に流れる生演奏に加え、シンガーたちの熱演も心を打つ。

『アラジン』や『美女と野獣』といった数々の名曲を生み、アカデミー賞を8回も受賞している作曲家アラン・メンケンの人気曲を集めたコーナーでは、ニューヨークでのオーディションを勝ち抜いたという男女8名のシンガーたちの熱演に、『グレイテスト・ショーマン』を思い浮かべてしまったほど。スクリーンに映った主人公と同じような髪型や動きをするうえに、客席も舞台と化すほど自在に動き回る。また、歌詞がスクリーンに表記されるため、『ポカホンタス』の“風の色で絵も描ける”というフレーズはいいなぁ、と、ついメモしてしまった。

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『アラジン』からは「ホール・ニュー・ワールド」を演奏。

前半最後には、日本の音楽界の巨匠である冨田勲作曲の「東京ディズニーシー® アクアスフィア・プラザ~デイ」がサプライズ的な試みと合わせて演奏された。前半の1時間だけでも私は大満足だ。

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■メイン・プログラムは、会場全体を盛り上げていく『ヘラクレス』。

後半は『ヘラクレス』(1997年)の音楽がメイン。この作品を観ていなかった私でも楽しむことができたし、観客をワクワクさせながら盛り上げていく様子は、さすがはアメリカ生まれのエンターテインメントだ。

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オーディションを勝ち抜いて来たシンガーたちの熱演にも注目。

そして、私でさえいろいろな発見やパフォーマンスに心を躍らせてしまうのだから、“大人のための音楽会”というキャッチコピーがついてはいるものの、子どもたちにとってもこのコンサート会場はそのまま魔法の国に思えてしまうかもしれない。お腹いっぱいになるまで、ディズニーワールドに染まった『ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2018』だった。

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アメリカならではのエンターテインメントを楽しんで。

9月22日から12月24日まで、全国51公演を予定。ディズニー好きなら、ぜひ会場へ。

詳細はコチラ→『ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2018』

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予習はオリジナル音源を収録した『ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2018』で。

なお、この『ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2018』のライブの模様を収録したものが11月に発売される予定。また、ブラッド・ケリーは来年からディズニー音楽をジャズにアレンジしたコンサートを行うと予定しているそう。こちらもとても楽しみだ。

*To Be Continued

伊藤なつみ

音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
連載:Music Sketch
Twitter:@natsumiitoh

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