Music Sketch

少し疲れている時に、ゆるりと部屋に流していたい音楽。

Music Sketch

緊急事態宣言が再発出された都府県が増え、そのような日々が続くと、なかなか上手にメンタルを保てない時が出てくると思います。そういう時は、少しダウナーな気分に寄り添ってくれるような音楽をおすすめします。
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■ゴート・ガール『オン・オール・フォーズ』

サウス・ロンドン出身の女子4人組ゴート・ガールの最新アルバム『オン・オール・フォーズ』は、ざっくり括ると、LA出身の女子4人組のアート・ロック・バンド、ウォーペイントに近いけだるい雰囲気を、声の重ね方などから醸し出します。

goastgirl_article.jpg2018年には初来日公演を行ったゴート・ガールズ。

とはいっても、1曲目「ペスト」のイントロを聴いて、レディオヘッドの「マイ・アイアン・ラング」を思い浮かべてしまう人もいるでしょう。レディオヘッド・チルドレンなのは明快だし(デビューアルバムには、偶然かもしれませんが「クリープ」という曲を収録)、ほかにもフォールズなどUKロックを想起させる音使いや、乾いたギター音、80年代を思わせるチープなシンセサウンドからも、いかにもなUKインディーズ感が溢れてきます。もちろんさまざまな音楽を吸収しているでしょうが。

映像と一緒に音楽を聴くと、また印象が変わるかもしれません。

私はデビュー・アルバムにはなじめなかったものの、この2枚目のアルバムの曲はどれもメロディに親しみやすさがあり、各曲のモチーフとなるフレーズの印象も良くて、よく聴いています。「ペスト」「クロージング・イン」「アングザイエティ・フィールズ」など、コロナ禍をきっかけに作ったと思われる曲は多いものの、沈鬱な気持ちにさせるのではなく、閉鎖された空間で漂い続ける浮遊感を、明るさのあるサウンドや不協和音で絶妙に表現しています。なんとも言えない不安感を共有でき、しかも無理なくぼーっと聴いているだけで、次第に心地よさへと導いてくれる魅力のある音楽です。


1215_music_on_all_fours_NBiEdUc.jpgアルバム『オン・オール・フォーズ』(ビート、¥2,420)は1月29日発売予定。
 

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■フォー・テット『パラレル』

「サッド・カウボーイ」のイントロを聴いた途端、冬になると必ず聴いているフォー・テットの大好きなアルバム『ゼア・イズ・ラヴ・イン・ユー』を聴きたくなります。でもここでは、フォー・テットは昨年12月24日に『パラレル』と『871』の2枚のアルバムを発表しているので、この新作からご紹介します。私は『パラレル』を聴くことが多く、アルバムのまま部屋で流したり、もしくはその時の気分の曲、たとえば「パラレル6」あたりをしばらくリピートしたりしています。フォー・テットの音楽は、フォーク+エレクトロニカという音楽性から“フォークトロニカ”と呼ばれていた時期があるように、煌めく音の粒子のようなサウンドがとても心地よいです。

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■ブリアル+トム・ヨーク+フォー・テット「ハー・レボリューション/ヒズ・ロープ」

フォー・テットは大変好きなアーティストのひとりで、深夜のDJイベントの直前に取材した時に、「普通の日常の感覚を大切している」と話していたことがとても印象に残っています。共演も多く、本名のキエラン・ヘブデン名義で、ジャズ・ドラマーのスティーブ・リードと即興演奏を行っていた頃の作品もお気に入りです。

昨年末12月18日にリリースされた、ブリアルとトム・ヨーク(レディオヘッドほか)とフォー・テットが9年ぶりに結集した両A面シングル「ハー・レボリューション/ヒズ・ロープ」も話題になっています。この大好きな3人の組み合わせは嬉しい限りで、今回もぜひおすすめします。

少しでも心地よい時間が過ごせるよう、気持ちを支えてくれる音楽に巡り合えますように。

*To Be Continued

伊藤なつみ

音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
連載:Music Sketch
Twitter:@natsumiitoh

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