永瀬正敏×齊藤工、映画を愛するふたりのセッション。
「齊藤工 活動寫眞館」について
俳優・斎藤工が、アーティスト・齊藤工として手がける、モノクロ写真。尊敬する人、会いたい人にカメラを向け、映画のメインキャストを撮影するように、一瞬の表情と佇まいを写し取る。フィガロジャポン本誌「齊藤工 活動寫眞館」に未掲載のカットと、齊藤自身の言葉で、撮影舞台裏を綴ります。今回は、80年代から映画界で活躍し、日本のみならず各国の映画ファンを魅了してきた永瀬正敏を撮影。
10月にWOWOWにてスタートした新企画「特集:ミニシアターに愛をこめて」。齊藤工がMCを務めるこの番組は、自身が俳優の井浦新、渡辺真起子とともに主宰する「ミニシアターパーク」とコラボレーションする形で始まった。そのゲストとして登場したのが永瀬正敏。今回のポートレート撮影はその収録の際に行われた。
「理由が必要ないくらい憧れの対象。
お会いできる機会があるなんて想像もできないくらい、銀幕の中で光り輝く生命体が永瀬さんです。
初対面は永瀬さんに雑誌の表紙(『warp MAGAZINE JAPAN』)を撮っていただくという、これまたまさかでした」
コロナ禍における映画業界、とりわけ閉館の危機にさらされている全国のミニシアター(小規模映画館)のために、できるかぎりの行動を自ら起こし続けてきた齊藤に、永瀬が共感。これまでトーク番組にはほとんど出演してこなかったにもかかわらず、出演を快諾したという。
このトーク番組収録とフォトセッションから約1カ月後、永瀬と齊藤は再会した。河瀨直美監督がエグゼクティブディレクターを務める「なら国際映画祭」のオープニングセレモニーにて、永瀬が新アンバサダーに就任することが発表されたのだ。前回からアンバサダーを務める齊藤は、壇上で永瀬のことを「永遠の憧れ」と語った。
この映画祭もまたコロナ禍の影響を受け、今年はオンラインを駆使した進化形で開催。映画と映画を愛する人たちを思い、走り続ける、ふたりならではの再会だった。
「穏やかで優しくて博識で奥深くて、その場にいた全員が永瀬さんに包まれている感覚でした。
こうやって数々の作品と向き合って来られたのかなと。憧れがさらに増しました」
1983年、相米慎二監督の映画『ションベン・ライダー』でデビュー。ジム・ジャームッシュ監督『ミステリー・トレイン』(89年)、『パターソン』(2016年)、山田洋次監督『息子』(91年)、河瀬直美監督『あん』(15年)、『光」(17年)など、国内外の多くの作品に出演し、数々の賞を受賞。18年、芸術選奨・文部科学大臣賞を受賞。写真家としても活躍している。出演作『さくら』、『Malu 夢路』が公開中。林海象監督による主演作『BOLT』が12/11公開。21年には主演作『名も無い日』が公開予定。
Instagram : @masatoshi_nagase_official
TAKUMI SAITOH
2018年長編初監督作『blank13』が国内外の映画祭で8冠獲得。同年、フランス・ルーヴル美術館のアート展にて白黒写真作品が銅賞受賞。19年も出品。18年よりHBO Asiaの国際プロジェクトにて2年連続日本代表監督を務め、多数の賞を受賞。アジアアカデミークリエイティブアワードではそのうちの1作『Life in a box』が最優秀監督賞にノミネートされる。主演作『8日で死んだ怪獣の12日の物語』が公開中。テレビ東京系ドラマ「共演NG」に出演。主演作『シン・ウルトラマン』、監督作『ゾッキ』が21年公開予定。《TOKYO TELEWORK FILM》にてリモート作品多数制作中、随時オンライン公開予定。移動映画館cinéma bird主宰。“自粛期間”中、Instagramも開始。Instagram : @takumisaitoh_official