ジョン・ガリアーノ、マルジェラのアーティスティックディレクターを退任か。

Fashion 2024.07.23

10年間メゾン マルジェラのアーティスティックディレクターを務めてきたイギリス人デザイナー、ジョン・ガリアーノが来秋退任するという噂だ。

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第64回イヴニング・スタンダード・シアター・アワーズのアフターパーティに登場したジョン・ガリアーノ。(ロンドン、2018年11月18日)photography: Dave Benett / Dave Benett/Getty Images

ファッション界は噂が大好きだ。中にはおもしろかったり、混乱させたり、奇抜だったりするものもある。また、真実味のあるものもある。ジョン・ガリアーノが来年秋にマルジェラを去るという噂は、まさにこのケースに当てはまる。この噂はすでにしばらく前から広まっており、数ヶ月前にイギリスのデザイナーがInstagramの投稿をすべて削除したことから始まった。ファッションウェブサイト「ファッションネットワーク」が今回、先日公開された記事でこの情報をしっかりと確認し、以下のように説明している。

「信頼できる情報筋によれば、ブランドのオーナーであるレンツォ・ロッソは、イギリス人デザイナーのジョン・ガリアーノに数年間の契約更新を求めていたにもかかわらず、ジョン・ガリアーノはマルジェラとの契約を更新しないことを決定したとのことです。」

6月にシャネルのアートディレクションを辞任したヴィルジニー・ヴィアールやディオールで売上記録を打ち立てているマリア・グラツィア・キウリの後任としてジョン・ガリアーノが考えられていたが、現在はフェンディが彼の新しい仕事場として候補に挙がっている。

確かに、陽気でラグジュアリーなことで有名なイタリアの華やかなファッションブランドは、ジョン・ガリアーノの無限の創造性と完璧にマッチしそうだ。

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このデザイナーは、驚くべき適応能力を示してきたと言わざるを得ない。10年前の2014年10月、彼がマルジェラの指揮を執ったとき、慎重さで知られるこのメゾンブランドに彼の居場所があるとは誰も思わなかった。ガリアーノは、オスカー・デ・ラ・レンタの元での一時的な活動を除いて、3年半に及ぶ困難な時期から立ち直っていた。パリのカフェ「ラ・ペルル」のテラスで酔っ払って人種差別的、反ユダヤ的な侮辱を口にしたことが発覚し、美と感動の忘れがたいコレクションを10年にわたってデザインしてきたディオールを解雇されたのだ。このエピソードは、当然のことながら、彼のキャリアに永遠に泥を塗ることになった。

ジブラルタル生まれのイギリス人ジョン・ガリアーノは、再び実力を徐々に証明していった。彼は影に徹し、マルジェラのアイデンティティを尊重した。メゾン マルジェラの創設者であるベルギー人マルタン・マルジェラも前面に出ることはなく、自身のチームを見せることを好んでいた。アレクサンドル3世橋の下、ベルエポックを再現したビストロで披露された最新コレクションで、ガリアーノは間違いなく彼の最高傑作のひとつを作り上げた。彼の服やアクセサリー、特にコルセット、さらにはフィルム・ノワール風の演出やパット・マクグラスによるメイクアップは、モデルの顔を磁器のように覆い、忘れがたい印象を残し、TikTokトレンドにインスピレーションを与えた。この壮大なショーは、めったに見られないスタンディングオベーションを受け、彼のこのブランドでの仕事の集大成のように印象的だった。まさに別れにふさわしいと言えるかもしれない。

>>関連記事:「ジョン・ガリアーノの最高傑作」メゾン マルジェラのファッションショーが話題に

text: Elvire Emptaz (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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