「ジョン・ガリアーノの最高傑作」メゾン マルジェラのファッションショーが話題に。
Culture 2024.01.29
1月25日の夜、パリのアレクサンドル3世橋の下で披露されたジョン・ガリアーノによるメゾン マルジェラのオートクチュールコレクションは観客たちを感動させた。
メゾン マルジェラの2024年春夏オートクチュールコレクション。(パリ、2024年1月25日)photography: WWD / WWD via Getty Images
「パリでのオートクチュールシーズン最後のショーがついに終了した。私はホテルの部屋に座り、フライドポテトを食べながら、マルジェラでのファッションファンタジーに浸っている」とアメリカ人ジャーナリストのデレク・ブラスバーグはInstagramに書き込んだ。「ガリアーノの最高傑作。華やかさ、シチュエーション、ドラマ、席で泣いている人々。本物の本物の涙! レース、シルエット、雨粒のように滴る手縫いのスパンコール、ドラマ。」と続けた。一方で、雑誌「スタイリスト」のジャーナリスト、クレメント・ラレはInstagramアカウント@stylenotcomの投稿で、「私はショーを見て泣いた、なぜならそれが良いファッションが心にもたらすものだから」とコメントした。
1月25日夜、パリのアレクサンドル3世橋のたもとで行われたジョン・ガリアーノによるメゾン マルジェラのオートクチュールコレクションのショー以来、SNS上ではこのようなコメントが何百と寄せられている。ファッションショーとパフォーマンスアートの中間のようなこのイベントは観客を惹きつけた。「ジョン・ガリアーノの古典的なファッションショーのスタイルでストーリーを語るこの素晴らしいコレクションに、私は涙を流した。オートクチュール・ウィークを締めくくる、驚異的なショーだった!」とXのあるユーザーは語った。
招待された人々のInstagramアカウントでは、ファッションショー参加後、コメントや動画と共に反応が響き渡っている。「言葉を失った」、「泣けるほど美しい」といった声が寄せられた。「人々がどれだけ愛しているかが示された。5分間、拍手と歓声が雷鳴のように続いた」と、雑誌「Dust」の編集長、ルイジ・ヴィタリがストーリーに書き込んだ。文章に添えられた動画には、スタンディングオベーションの様子が映し出されている。ルイジ・ヴィタリは、「この経験は変容をもたらすものだった」と付け加え、「このファッションショーはおそらく、私がこれまで見た中で最も素晴らしいものだった」と明言した。
メゾン マルジェラの2024年春夏オートクチュールコレクション。(パリ、2024年1月25日) photography: Xinhua / Xinhua/ABACA
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「恐ろしく、素晴らしい」
これほど多くの感情を引き起こすため、メゾン マルジェラのアートディレクターは大胆な手法を取った。アーティストのラッキー・ラブがショーのオープニングを飾ると、1時間の遅れはすぐに許された。モノクロのショートフィルムが映し出され、ムードが高まったところで、メゾンのスターモデル、レオン・デイムが登場した。アデルの曲が流れる中、スーツのズボンを着用して木製のランウェイを歩き、ウエストはコルセットで引き締まり、頭にはベレー帽を被っている。彼の儚げな足取りとミステリアスなまなざしが、コレクションのトーンを決定づけた。「メイク、フェイスカバー、指の折れた人形の奇妙な存在......それはとても恐ろしく、でも素晴らしかった」と、X上のユーザーがシェアした。
「その謎を解き明かすために何度も見たくなる」
「ガリアーノは私たちの感情を揺さぶる力を持っている。ファッションを超えて、彼は精神、歴史、詩、人間の本質の旅へと誘う」とジャーナリストのソフィー・フォンタネルがInstagramに投稿した動画の中であるネットユーザーは説明した。彼女はこう続けた:
「ファッションはファンタジー。その謎を解き明かすために何度も見たくなるような、幻想的で非現実的なファッションショーだった」オートクチュールの多忙な一週間を終え、ジョン・ガリアーノは私たちに休息を与えてくれた。単に服だけでなく、装飾、モデルのウォーク、雰囲気、そしてゲストの熱い反応も含め、じっくりと鑑賞する時間を取る瞬間だった。「服を見るだけでなく、それをモデルや風景を通して表現することで、常に象徴的な瞬間が生まれる」と@boymolish はXで述べている。
演劇的な演出は、アレキサンダー・マックイーンのランウェイが炎で幕を閉じたり、ケイト・モスがホログラムで登場したりといった、かつてのファッションを彷彿とさせる。ハイブランドがシンプルさをモダンなアプローチとして掲げる中、マルジェラのプレゼンテーションは基本に立ち返っている。カタコンベ(地下の墓地)から男性と怠惰な生活を送る女性が現れ、パリの暗い通りを彷徨う。「今回のコレクションは、1990年代や2000年代のコレクションに似ていて、とても懐かしい気持ちになった。正直、息をのむほど美しい」というコメントもXに寄せられていた。
おそらくジョン・ガリアーノ独自のスタイルの表現こそが、この「ショー」の謎を解く鍵だろう。1997年にディオールに就任した際に手掛けたコレクションや、2006年の春夏シーズンであらゆる体型に自由なスタイルを提案したことは記憶に新しい。ショーにはまだ謎が多いものの、この2024年春夏コレクションはしばらく話題となるだろうと、ネットユーザーの意見は一致している。
text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi