シャネルの魅力にクローズアップ

【シャネル04】女性のために生まれたジャケット。

シャネルの魅力にクローズアップ

シャネルのジャケットの出発点はスーツだった。「シャネルのスーツは、活動的な女性のために作られています」と語ったガブリエル・シャネル。「そういう女性の気持ちは、私にもよくわかります。だから私は、着心地がよくて、たとえ車を運転しても、女性らしさを損なわない服を作りたいとずっと考えていたのです」

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シャネルのモデルを務めていたマリー=エレーヌ・アルノー。(1958年)photo : Sante Forlano © CHANEL

Discover Tweed Jacket

1950年の主流のファッションは、女性の身体を締め付けすぎていて、時代にそぐわないものだった。ここでシャネルはまったく新しい、マスキュリンでありながらもフェミニンな要素も兼ね備えた「スーツ」を提唱する。後にメゾンのマスターピースになるツイードジャケットは、直接的かつ構造的。ツイードがシャネルのDNAとして継承されると同時に、ガブリエルはジャケットをまるで第二の肌のようなアイテムへと進化させるべく、技術の精度を高めていく。

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シャネルのスーツを纏い、2.55バッグを持つ女優のジャンヌ・モロー。ローマの空港にて。(1961年)© CHANEL

彼女はまずジャケットの堅苦しさの要素であった芯地と肩パットを排除。そして、型崩れを防ぎながら、しなやかさを持たせるために、ジャケットの前身ごろは胸の部分にダーツを入れず、生地のまっすぐな地の目に沿って作ることに。

さらに肩の高い位置に付けた袖で動きの柔軟性を最大限に引き出す仕掛けに。このようなさまざまなディテールのおかげで、着心地のよさを極めたエレガントなジャケットが誕生したのだ。シルエットがきれいに「落ちる」ようにと、袖の部分に配した真鍮のチェーンは、裏地を重ねて隠す。「エレガンスとは外側と同様に内側も美しいこと」。これもガブリエル・シャネルのこだわりだった。

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オムニバス映画『ボッカチオ'70』でルキノ・ヴィスコンティが監督を手がけた第3話『仕事中(Il Lavoro)』より、シャネルのスーツに身を包んだロミー・シュナイダー。photo : Paul Ronald

その後、ガブリエルからバトンを受け継いだカール・ラガーフェルドは大胆さとユーモアを加味しながら、ジャケットに新しい息吹を吹き込んでいく。カールはこう語っている。

「シャネルのジャケットは男性のジャケットが発想のヒントになっています。マドモアゼル・シャネルは、存在しなかった服を作り出し、現代の形に進化させました。これは、忘れられることのない功績です。そしてジャケットは、シャネルが提案するスタイルを位置付ける、まさにファッションのアイコンでもあります。ファッションには決して廃れることのないアイテムがいくつかあります。それがジーンズ、白いシャツ、そしてシャネルのジャケットなのです」

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写真家ダグラス・カークランドが撮影したガブリエル・シャネルのポートレート。(1962年)©Corbis

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カール・ラガーフェルドが撮影した、ツイードジャケットを着用するモデルのステラ・テナント。© CHANEL

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職人技は受け継がれ、進化し続ける。

シャネルの独創的なツイードを作り出しているのが、あの美しい刺繍でも名高いアトリエ、ルサージュ。カールがシャネルのアーティスティック ディレクターに就任した1983年より、その関係性はさらに強まっていく。あの優美なツイードを作り出す機織り機も手作業の工程も、実は中世と現代ではあまり変化はない。進化したのは、主役となるツイードの素材だ。

ルサージュのアトリエでは、オーガンジーやプラスチック、さらには紙など、想像を超えた素材をツイードに織り込んでいく。シャネルのオリジナリティあふれるツイードは、昔ながらの職人技と新しい創造性によって、紡がれている。

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さまざまな素材と色で紡がれるツイード。 © CHANEL

ルサージュにて、ツイードが紡がれていく工程を伝えるムービー。息をのむほど美しいディテールに着目したい。 © CHANEL

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シャネルのジャケットを愛用するセレブリティ。

ジャンヌ・モローに、ロミー・シュナイダー……往年のスターたちにも愛されたシャネルのジャケット。いつの時代も、ファッションをリードするセレブリティたちのワードローブに欠かせないのも、またシャネルのジャケットだった。

おしゃれに精通した彼女たちは、それぞれの感性でシャネルのジャケットを着こなしてくれる。どんな時代にもマッチして、決して色あせることないマスターピース。そんな魅力を兼ね備えているのがシャネルのジャケットなのだ。

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2018/19年秋冬 クルーズ コレクションにて、女優のアナ・ムグラリス。 © CHANEL

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シャネルのアンバサダーを務めるキャロリーヌ・ドゥ・メグレ。 © CHANEL

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2018/19年 パリ - ニューヨーク メティエダール コレクションの会場にて、女優のTAO。  © CHANEL

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2017/18年秋冬 プレタポルテ コレクション会場にて、映画監督のソフィア・コッポラ。 © CHANEL

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今年4月〜6月に上海で行われたシャネルの展覧会『マドモアゼル プリヴェ』にて、香港出身の歌手でシャネルのアンバサダーと務めるウィリアム・チャン。 © CHANEL

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2019/20年秋冬 プレタポルテ コレクション会場にて、シャネルのアンバサダーである女優のマリーヌ・ヴァクト。 © CHANEL

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今年2月にシャネルとチャールズ・フィンチが開催した英国アカデミー賞(BAFTA)パーティにて、モデルのイリーナ・シェイク。 © CHANEL

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2019/20年 クルーズ コレクションのバックステージ。コレクションごとにバリエーション豊かなジャケットが発表される。 © CHANEL

texte : TOMOKO KAWAKAMI, graphisme du titre : SANKAKUSHA

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