スコットランドのユートピア、自然と動物と人間が調和するバラクーダー。

なだらかな緑の丘で草を食む羊たち、時折現れる荒々しい岩山。スコットランド中央部にあるハイランド地方への入口では、自然の恵みとともに人々が暮らし、手づくりの愛らしいものがあふれている。世界遺産の首都エディンバラから小さな町や村へ。さまざまな"可愛い"を探しに出かけよう。

Balquhidder
バラクーダー

ブリッジ・オブ・アランから、小さな村の園芸店や骨董屋に立ち寄りながら、さらに車で1時間、スコットランドの中央に位置するバラクーダーへ向かう。ここは「選ばれた人だけが訪れる」「天国と最も近い」と言われる、知る人ぞ知るヒーリングスポット。ロック・ロモンド＆ザ・トロサックス国立公園内の東側にあるヴォイル湖やドイン湖などいくつもの湖からなる湿地帯で、山には針葉樹が生い茂り、運が良ければ絶滅危惧種の赤リスに出会うことも！　朝の澄み切った空気の中、露に濡れた緑が静かに輝き、サステナビリティを考慮して放牧された馬や羊たちは草を食むのに夢中だ。

この村で泊まるべきは、ファームハウスを改築したブティックホテル。釣りやハイキング、サイクリングや、動物に餌やりをして触れ合うアクティビティに参加したい。地産地消のグルメを味わえば、食の循環を意識するはず。自然に誘われるままに休息の時を過ごそう。

大自然の隠れ家で、リュクスなステイ。

Monachyle Mhor Hotel
モナカァイル・モア・ホテル

ホテル名はゲール語で「潤いの大地が響き合う場所」という意味で、国立公園内でふたつの湖が繋がる場所にある。約800万㎡に羊や牛など7種以上約600頭を飼育し、農場も経営するためハーブなど新鮮食材を生かした料理が自慢。18世紀のファームハウスを改造した母屋のレストランは、晴れた日のテラス席から絶景が望める。クラシックな内装の母屋、中庭を囲むモダンな別棟、野趣を感じるツリーハウスなど客室タイプはさまざまありリピーターも楽しめる。

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気取らない接客も心地いい、ハイセンスなジェネラルストア。

Mhor In Store
モア・イン・ストア

モナカァイル・モア・ホテルの系列ホテル、モア84に隣接。英国全土からセレクトしたデザイナーによるウエアやアクセサリー、クッション、カゴ、うつわ、グラスのほか、田舎暮らしに必要な薪や雄鹿の角のオブジェまで、手頃で上質なものを幅広く取り扱う。新たにアポセカリーコーナーを作り、石けんのワークショップなども予定している。宿や店の看板を手がけるアーティストが販売員をしていたり、気さくな接客で心地いい空気が流れている。

セルフケータリングのコテージで、ローカルの生活を体験。

Cnoc Fahm Cottage
ノック・ファーム・コテージ

壮大なパノラマビューが楽しめる1棟貸しのコテージは、約32,300㎡の広い敷地に、池や川沿いの散歩道などヒーリングスポットも充実。一日中野鳥やうさぎ、鹿、赤リスなどが訪れ、リビングルームからもその様子が眺められる。ダブル1部屋とツイン2部屋のベッドルームに、設備の整ったキッチンがうれしい。日本人オーナーによる観光のアドバイスも頼りになる。

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ブリッジ・オブ・アランからバラクーダーへの寄り道スポット。

Kippen
[ キピン ]

ブリッジ・オブ・アランからバラクーダーへ向かう途中にある小さな村。庭づくりのヒントになるガーデニングハウスでひと休み。

Twine
トゥワイン

平原が続く道に佇むシャビーシックなガーデンショップ。約4000㎡の自社農園で育てた植物と、植木鉢やガラスボトル、キャンドル、麻袋など英国産の実用的で素朴なガーデニング用品を中心に、フランスやハンガリー、デンマークから買い付けたヴィンテージ家具も並ぶ。隣にカフェとグローサリーがあるので、休憩にも最適。

Doune
【 ドゥーン 】

ダンブレーンから木立ちを抜け石造の家々の集落へ。1800年代の面影が残るドゥーン城下町では、アンティークショップに立ち寄って。

The Desirable Curio
ザ・デザイアブル・キュリオ

赤煉瓦とミントグリーンの扉が目印の店は、2017年に開業。8店が間借りして出品している。銀食器のセット、1950〜60年代のキッチュな雑貨やジュエリー、アールデコのランプシェード、40年代のマネキンなど小物が中心。狭い空間に隙間なく並ぶ様子は圧巻だ。

Scottish Antique & Arts Centres
スコティッシュ・アンティーク ＆ アーツ・センター

約1500㎡の敷地に120ものディーラーが出店。宝飾品や時計、ティーカップやカトラリーなどの小物から、ヴィンテージの服や大物の家具まで揃う。写真はPark Place Interiorsというディーラーの食器棚。年代不明のティーポットは12ポンド、平皿は30ポンド〜。時間に余裕を持って巡りたい。

●1ポンド＝約195円（2024年10月現在）
●日本から電話をかける場合、イギリスの国番号44の後、市外局番の最初の0を取ります。現地では掲載表記どおりかけてください。
●ホテルの宿泊料金は曜日や季節により異なる場合があります。　
●各紹介アドレスのデータ部分の（S）は鉄道の駅を示しています。　
●掲載店の営業時間、定休日、商品、料理、サービスの価格などは、取材時から変更になる可能性があります。特に年末年始は休業や営業時間が変更になる可能性があります。ご了承ください。

＊「フィガロジャポン」2024年11月号より抜粋