ブルターニュ 8月のマルシェ『夏野菜でパワーアップ』

パリのマルシェとレシピ。

静かになったパリを抜け出して、ブルターニュでヴァカンスを過ごしてきました。

滞在したのは、ボーダーTシャツで有名なブランドArmor luxアリュモリュクスが生まれたCôtes-d’Armorコート・ダリュモー県、海沿いの小さな村Etable-sur-Mer。

最近よく耳にしていた、Camping de luxeキャンピング・ド・リュクス, Glampingグランピングを初体験。

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キャンピングといってもテントではなく、80年代の映画“Out of Africa ”を思い出すようなロッジスタイルでキッチンとシャワー、トイレ付き。パリジャンをはじめ、ゲストの国籍は様々です。

朝食を済ませ、ここで飼われているヤギや鶏にエサをあげてから、毎朝、地元の新鮮食材を求めてマルシェへ行き、その日のメニューを決める。欲しいものが見当たらなければ、“わらしべ長者風”に出会った地元の人、次から次へと聞きながら探しに走る。いろんな発見あり時には珍道中となって、それもまた楽しいのです。

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Marché St-Quay-Portrieuxにて−地元農園の色鮮やかな野菜を見て大喜びしていると、パリから来たというマダムが「私たちラッキーね!」と晴れやかな笑顔でウインク。後ろにはビーチが広がって気持ちがいい。

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ブルターニュ名物クイニーアマンは隣町Binicのパティスリーから。塩バターをカラメリゼしたものが香ばしい。

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スペイン出身の主人が作る直径1mの大鍋に仕込んだパエリアは魚介、鶏肉、チョリソが入って具沢山。 ヴァカンスだから何も作りたくな〜い! という輩に人気です。

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この日の夜は地元のMoules de Bouchot、この 小粒なムールを買って久々にムール・フリット(ニンニクとパセリをたっぷり入れたワイン蒸しとフライドポテト)を作りました。

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Marché Binicにて−「これはママンのレシピなのよ」というFar Bretonファー・ブルトンは、この地方の家庭の味。クリーミーなフランの生地にプルーンがたっぷり入っています。

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懐かしい! 北海道でも食べていたグズベリーは森で採れる野生のもの。

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Marché St-Quay-Portrieux(Eglise)にて− Langueuxという村の農家のミニパプリカ。あまりに可愛いので、一つかみほどパリに買って帰りました。

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マルシェ横のロマンチックな佇まいの家にしばし見とれて。こちらに来てから、いたるところにある紫陽花が見事です。(続きはインスタで)

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Marché Etable sur-Merにて−ここの特産品“ Cocos de Paimpol”パンポルの畑から採れた白いんげん豆。柔らかい生豆は8月から9月末の収穫時期だけの愉しみ。地元の人に食べ方を尋ねてみると、もっぱらサラダ、スープや煮込みに入れるとのこと。(私のおすすめレシピはインスタで。)

>>次ページでは、彩り鮮やかな夏野菜を使用した、パエリアのレシピを紹介!

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海沿いなので、張り切って出刃包丁を持参した割には気に入る魚がない!港を方々訪ねても魚河岸や漁師の直売所がない…地元の方も残念がっていました。

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その代わり美味しかったのは近隣の養豚場、牧場の肉。EtableとSt-Quayのマルシェで長蛇の列ができている肉屋の自家製リエットや田舎風パテは忘れがたい味!この豚肩肉の丸ごとローストを切ってもらいサンドイッチを作って浜辺でランチ。

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海に着くと、孫のお守りをするカッコイイおばあちゃん。

そういえばマルシェ帰りのカフェで、ジャンヌ・モローが亡くなったことを知ったのですが、フランスには20代のピチピチを10人くらい束にしても敵わないような60〜70代のツワモノ、いい女がいるのですよ。 シワやソバカスも魅力のうち、一朝一夕にはできない圧倒的な光を放っている…そして、やっぱり笑顔も大事だなあ、と。この人を見て、そんなことを思っていました。

ここ数年のヴァカンスは、いつもキッチン付きの宿なので、ほぼ外食はゼロ。
材料の鮮度が良いので、あまり手を加えず調理は、いたってシンプルです。
テラスに座って目の前に広がる空と草原を眺めながら野菜の皮を剥いたり、のんびり作って食べながら「レストランより美味しいね!」と、地シードルやワインで乾杯。こんな細やかなことが嬉しい日々。

今日は、そんなヴァカンスを想い出しながら、ブルターニュで買ってきた野菜を使ってパエリアを作ってみました。

■『夏野菜のパエリア』
Paella estivale

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-材料(4人分)
米      3合(450g)*洗ってから水に30分ほど浸けておく
ブイヨン   3カップ(540cc)(Bioの野菜固形ブイヨン1個+水)
ターメリック(ウコン)小さじ1/2
オリーブ油  大さじ3
ニンニク   1片(みじん切り)
玉ねぎ    中1個(みじん切り)
小玉ねぎ   6個
にんじん   1本
マッシュルーム  100g
さやいんげん   200g
パプリカ     200g
ドライトマト    20g(みじん切り)
パクチーみじん切り  少々
ローリエ  1枚
タイム   1枝
レモン 1個(皮の千切り少々と、くし形に切る)


1.にんじんの皮をむき、縦半分に切ってから斜めに薄切り。マッシュルームも薄切り、小玉ねぎは縦に半分。パプリカも縦1〜2cm幅に切る。さやいんげんは5〜6cmに。
2.鍋にオリーブ油大さじ2とニンニクを入れて点火。香りが出たら玉ねぎを入れ炒め、透明になってきたところで、にんじん、マッシュルームを加えてさらに炒める。
3.水を切った米、ドライトマト、ターメリック、さやいんげん、小玉ねぎ、パプリカ、タイム、ローリエ、ブイヨンを入れる。蓋をして強火で沸騰してきたら2〜3分煮て弱火にしてから10分ほど煮る。火からおろして蓋をしたまま15分ほど蒸らす。
4.レモン皮、パクチー を散らし、くし形に切ったレモンを添える。

鍋はStaubの蓋つきの  Wok(中華鍋)を使っていますが、蓋つきのフライパンでも。
たくさん作って余ったら、翌日はオムライスに。もしくはグラタン皿に入れて、チーズとパン粉をかけてオーブンで焼くと美味しいドリアに なります。

 

旬のジューシーで甘味が強いパプリカは抗酸化作用があり、ビタミンCとカロチンたっぷりなので日焼けで疲れたお肌も元気になりそうです。

ブルターニュのマルシェのように海鮮を入れるのもよし、こんがり焼いた鶏肉をのせてもいい。週末のおもてなしに是非どうぞ!


■ブルターニュCôtes-d’Armor沿岸のマルシェ/8〜13時
Marché St-Quay-Portrieux月・金 / Marché Etable sur-Mer 火・金 /Marché Binic 木
Marché St-Brieuc水・日
www.binic-etables-sur-mer.fr/
 

SACHIYO HARADA
料理クリエイター

長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業 適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理 教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo

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