友達のうちのごはん その1
パリのマルシェとレシピ。
「盆と正月がいっぺんに来たようじゃ~~。これは、これは、だいごっつおう(大ごちそう)でございましょう!」ちょっとしたものを作ると祖母は、すぐにこんな事を言っておどけて、大笑いをしたものです。
この夜は、私もそんなセリフが出てしまいそうだった。
17区のバチニョール界隈(周りには、bioのマルシェはじめ、美味しいお店、レストランが沢山)に住む、フード・スタイリストのUlrikeと料理写真家Nicolas夫妻のお宅のディナーにお邪魔しました。
シャンパンをいただいた後に出てきた前菜は、今が旬の生のアンチョビ(カタクチイワシ)のオイル漬け。青い風味と脂が乗ってトロっとしたのがなんとも。「美味しい~~~~!!」と2度3度、はしたなくもおかわり。パンと冷えた白ワインが止まらない!
生のアンチョビを3枚下ろしにして、玉葱、唐辛子、ローリエ、タイムを入れて、植物オイルを注ぐ。(塩は、ほんの少々)オリーブオイルよりも、ニュートラルな油の方が、アンチョビの味がより解かって良いそう。
これは、旬を逃さないうちに、早速、家で作ってみよう!
オーブンから出てきた熱々のムール貝。生の貝を開いた上に、パセリを刻んだガーリック・バターをのせてさっと焼いたもの。天板には、岩塩を敷いてある。香ばしいパセリとにんにく、ムールから出たブイヨン、程よい塩加減
(貝が含んだ塩分だけで、お塩は一切入れていないそう。)
「う~~ん、ヨードの味!もう、これは美味すぎる!!」と感嘆。
近海の鯛のハーブ焼。鱗、内臓を取り除いて、塩をしてからハーブ、オリーブオイルを振りかけて焼いたもの。魚は、ternes広場の商店街の魚屋Daguerreに活きの良いものを買いに行く。
どれも素材を活かしたシンプルな料理で、旨みがじんわりと口に広がる。そして、さすがはプロ、テーブルを長く不在にすることなく、テンポ良く、出来立てアツアツが素早く運ばれてくる。
デザートは、ルバーブのコンポートの上に、アーモンドのミルクを
アガアガ(寒天)でとろみをつけたクリームにナッツのプラリネが。美味しいアイディアがいろいろ。
ヤギのチーズ、若いものと熟成が進んでカビの入ったもの。バルサミコの効いたレタスのサラダ、赤ワインと。
作り方を聞くと、彼らが手がけた本を持ってきて、材料や食材店のことまで、ひとつひとつ熱く説明してくれる。美味しい物の話って尽きる事がない。
UlrikeとNicolas
「昨日、ギャラリー・ラファイエットの料理本コーナーに行ったら、あなた達の本が、アラン・デュカスとエル・ブリ(スペインの3つ星)の間に並んで、美しくディスプレイされてて、すごく嬉しかったのよ!」と言うと、二コラは有頂天で、グラスを持って踊りだした。
彼らが2人で作った最新本(SOLAR社から)。海の幸の贅沢な料理が美しい。
http://www.nicolas-leser.com/
テーブル右は、ドキュメンタリー作家のGiovanniと陶芸家のUlrike、みんな好奇心、食欲共に旺盛です!!
美味しいワインと愉快なDJで、ローマ人の如く、楽しい夜を過ごしました。