ラ・プランク・ホテル、あなたの新しいパリの隠れ家です。
PARIS DECO
ホテルというより、女友だちの家に泊まるような、あるいは、ちょっとした知り合いのアパルトマンの部屋を貸してもらったといった感じ。そんなリラックス感いっぱいのプチホテルがオープンした。サン・マルタン運河からもそう遠くない場所で、パリといったらサン・モール、パルマンティエ、ベルヴィルなど10区、11区の地名に耳慣れているという人におすすめの36室からなるホテルである。その名は、La Planque(ラ・プランク)。「隠れ家」の意味だ。
10月にオープンしたラ・プランク。室料は157〜282ユーロ。Photos:Nicolas Anetson
ロビーらしくないロビーで、昔のお菓子屋さんで使われていた木製のカウンターにてチェックイン。シックでコージーなインテリアの旅がここからスタートする。内装はレ・アールのスノッブ・ホテル、1区のルーヴル・ピエモンテなどを手がけた女性デュオのデジュウ・ドゥレイユによる。過去のオブジェをモダンな空間にうまく取り入れ、パリのアパルトマン風の快適さをホテルの中に作り上げるふたり。このラ・プランクでも彼女たちらしさが十分生かされているが、直線より曲線の印象が強く、これまで以上にフェミニンな内装だ。落ち着きのあるブルーやブラウンといったトーンを落とした色使いが目に快適で、客室は寛ぎに満ちている。
チェックインカウンター。ようこそ隠れ家へ。
不揃いの家具、ヴィンテージタッチの照明器具……パリのアパルトマンのようなインテリアだ。
インテリアを担当したダフネ・デジュウとドロテ・ドゥレイユ。
客室。縦長の楕円のランプを組み込んだヘッドボードも、彼女たちのデザインである。
部屋ごとに異なるグラフィカルなカーペット、そして懐かしい電話器を備えたテーブルがチャーミング。
落ち着いた色調の室内とよいバランスの明るいバスルーム。
ガラス屋根の下、太陽を感じながらとる朝食も悪くない。古びたピンク色の壁、ダークブルーのタイルの床、植物……魅力的なパシオで過ごすのが嬉しくて、時間が過ぎるのも忘れてしまいそう、と隠れ家という名にぴったりのホテルである。最寄り駅は地下鉄11号線のGoncourt。
ガラス屋根の朝食ルーム。
時代を経た古い品に美を見出してコレクション。そんなオーナーの家にお邪魔した感じがするホテル。
ひとり旅なら、絶対ここが特等席!
それほど広くないけれど気持ちのよいパシオ。Photos:Nicolas Anetson
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。