【空間と美食で2倍の贅沢 1】隠れ家的ホテル、サン・レジス。

PARIS DECO

車も人も多く通るシャンゼリゼ大通りやモンテーニュ大通りから遠くないのに、不思議なほどひっそりとしたジャン・グジョン通り。その通りで、さらに控えめに美しく佇むホテルがサン・レジスである。派手な宣伝とは無縁で、宿泊客たちからパリの隠れ家のように愛されているこぢんまりとしたホテルだ。

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贅沢な世界を閉じ込めた、とても控えめな入口。

もともとは1857年に建築された個人邸宅。それを1923年にトゥール・ダルジャンの当時のオーナー、シモン・アンドレ・テライユが入手して高級ホテルに変身させた。劇場、クチュールメゾンといったパリならではの文化が集まる一角という立地である。ホテルを愛した海外の著名人は数知れず。女優ローレン・バコールやロミー・シュナイダー、カメラマンのリチャード・アヴェドン……。時は過ぎ、1984年にホテルは実業家エリー・ジョルジュの手に渡った。彼は経営に2人の兄弟を交え、洗練、エレガンス、慎み深さにあふれるパリで最も贅沢なプチホテルを作り上げることに成功した。

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19世紀の上品なステンドガラスを通して、階段に柔らかな光が差し込む。©Fabrice Rambert

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レストランのレ・コンフィダンスへは、このサロン・ボワズリーを経由して。©Fabrice Rambert

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ロビー。©Fabrice Rambert

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このようなラグジュアリーホテルにしてはパリでは珍しく、ファミリー経営。エリー・ジョルジュが最近ホテルのディレクションを任せたのは、娘のサラとゼイナである。ホテルの扉をくぐるや、とてもフェミニンな雰囲気が感じられるのは彼女たちの存在ゆえだろうか。パリのラグジュアリーブランドの世界で仕事を経験したふたりは、贅沢な世界を裏で支えるすべてに厳しく目を光らせ、気を配り、ゲストを温かく迎えている。若い彼女たちはヘリタージュを大切にし、ホテルに漂うクラシックな魅力を守りつつも、静かに少しずつ新しい風を吹き込んでいる。 

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サラとゼイナ。©Fabrice Rambert

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シャンデリア、暖炉、ウォールペーパー……レストランの一部をなすエレガントなサロン・ブードワール。©Fabrice Rambert

最近レストランLes Confidences (レ・コンフィダンス)が新たにロマン・レイディエをシェフに迎えたのも、その例のひとつだ。秘密の庭のような空間がエレガントに装われたレストランにふさわしく、メニューには時代が求める季節の素材を用いた軽めで健康的、でもホテルに似つかわしく洗練された料理が並んでいる。ランチタイムには 2皿27ユーロ、3皿45ユーロのメニューも。ホテルらしく、シーザーサラダ、クラブサンドウィッチのようなルームサービスの定番も、ここでオーダーできる。ガラス屋根の下の開放的なスペース、あるいは奥の18世紀風ブードワールで静かで優雅な食事。ホテルのエントランスの重厚な扉を開いた時から始まる別世界の旅の時間を存分に楽しもう。

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レ・コンフィダンス。ガラス屋根の下のスペースでは、庭の中で食事をしているような錯覚が得られる。

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料理を待つ時間も美しい。クラシックな空間を飾る鏡や、卓上のディテール……。スモークソルト、マダガスカルの胡椒の容器が素敵なので、つい手にとってみたくなる。

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新シェフのロマン・レイディエによる料理はとてもカラフルでフェミニン。ボリュームもほどよい。

Les Confidences
c/o Hotel San Régis

12, rue Jean Goujon 75008 Paris
tel:01 44 95 16 16
営)12時~14時30分(月) 12時〜14時30分、19時〜22時30分(火~金) 19時~22時30分(土)
※土日のランチと日月のディナーは、宿泊者は予約により食事が可能
www.hotel-sanregis.fr/en
大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。

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