新しいオテル・ロシュシュアールはレストランも魅力!

PARIS DECO

旅先での滞在は、レストランのあるホテルが何かと便利でうれしい。しかも、それがおいしいレストランだったら、それだけで旅は半分成功といえるのでは?

そのよい例として、10月初旬にオープンした9区のオテル・ロシュシュアールを紹介しよう。見事なアールデコ建築である。1929年にオープンした時はチャールストン・ホテルという名で、第二次大戦直前にカールトンズと名を変えて営業を続けていた。地下に日本にインスパイアされた内装のジャズの生演奏によるダンスクラブMikadoがあり、30年代にはジョセフィーヌ・ベーカーやモーリス・シュヴァリエ、エディット・ピアフといった当時のショービジネス界のスターたちがホテルに集ったそうだ。

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1920年代のアールデコ・スタイルが目を引く外観。左はホテルのエントランス、右はレストランのエントランスだ。10月の開業以来、外出制限中もホテルはクローズせずに営業を続行。フランス国内からの滞在者のみならず、気分転換を求めてパリジャンも宿泊に来るそうだ。photos : Ludovic Balay(左)、Mariko Omura (右)

ホテル

2年半前にパリ市内に次々ホテルをオープンし活躍目覚ましいオルソ・ホテルズが買収。創業からの時代の流れの中で、アールデコの特徴が建物の内外ともに隠されてしまっていたが、今回室内建築家デュオLes Festen(レ・フェステン)に任された改装によって、建築当時のディテールが蘇り……彼らは場所のエスプリを守りつつ、しかし、アールデコ様式どっぷりではなく、いつの時代とも限定できない時間を超越した快適空間をホテル内に作り上げた。家具は80%がホテルのためにデザインされたオリジナルで、それに古い家具をミックス。和やかで温かい雰囲気がホテルに漂っている。

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客室内を飾る絵画やオブジェはLa Galerie Française(ラ・ギャラリー・フランセーズ)がホテルのために30近いブロカントや骨董商から選んだもの。オーナーのアヌーク&ルイ・ソラネは、外部の才能とのコラボレーションも大切にしてホテル作りを進めている。photo : Ludvic Balay

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左:ホテルの客室内、ソファはすべてソファベッドを置いている。木のテーブルもミニバーも、ホテルのためにレ・フェステンがデザインした。photo : Ludvic Balay  右:ミニバーにはホテルのオリジナルの飲み物も。

106室ある客室は作りがさまざまで40タイプあるそうだ。室内の壁の色はブロンズ・カーキ、テラコッタ、クリームの3色と、そして麦わら風壁紙。いずれも目に穏やかだ。さらに多用されている木の存在も、落ち着きを感じさせる。

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ラ・ギャラリー・フランセーズが選んだアートピースが壁を飾る客室。壁の色は異なれど、全106室に共通するのは落ち着いた和みのある雰囲気だ。photos : Ludvic Balay

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左:麦わらの壁を模したレリーフのあるウォールペーパーが使われた客室。壁の写真はラ・ギャルリー・フランセーズによるセレクションだ。右:オリジナルの家具に加え、部屋によってはアンティーク家具も配されている。photo : Ludvic Balay(左)

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左:ボジョレーはワインのみならず。バスルームで使用されているのはボジョレー地方のタイルだ。右:バスルームに配されているリキッドソープはColomba。オルソが経営する複数のホテルのために生まれたブランドで、フェンネルのフレッシュな優しい香り。photos : Ludvic Balay

最上階は17時にオープンする、眺めのよいルーフトップバー。L字型のスペースなのでサクレクール寺院も見えれば、エッフェル塔、オペラ座も……パリの名所を眺めながら、お茶やカクテルを。

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レストラン同様、宿泊者以外にも開かれるルーフトップ。17時〜翌2時の営業。photo : Mariko Omura

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レストラン

レストランの改装にあたって床をはがしたら、下から現れたのはブルーとゴールドのモザイクタイル! 柱に施された彫刻も20〜30年代を代表するスタイル。そしてレ・フェステンがアールデコにインスパイアされてデザインしたテーブルと椅子が配置され……80席ある広々とした空間で30年代のパリが再び鼓動しているよう。白いテーブルクロスとナプキンがエレガンスを添えている。

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2021年1月20日(予定)までレストランはクローズ中。宿泊者はルームサービスで食事がとれ、外部の人はテイクアウトとクリック&コレクトで利用できる。再開後は、毎日12時〜23時の営業で、ランチは15時まで、ディナーは22時まで。ランチとディナーの間はティータイムに活用できる。photos : Ludvic Balay

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左:床のモザイク。修復できない部分は同じモチーフで新たに作り直した。右:アーティストTiffany Bouelleがレストランのために制作した作品が壁に。ホテルのカードも彼女の作品だ。photos: Mariko Omura(左)、Ludvic Balay(右)

メニューに並ぶのはクラシックなブルジョア料理の現代風バージョンだ。前菜、メイン、デザートが毎日各10種。ポワローのマリネ、仔牛のオングレ、リゾット風キノコのリー・クレムー、タラのブランダッド……デザートはイル・フロッタントやチョコレートムースといったブラッスリーの定番もあるけれど、このレストランの名物を食べなければ。それは現オーナーであるルイ・ソラネ家の秘伝のレシピによるガトー・ドゥ・クレープ! これを食べることを前提に、前菜とメインを選ぼう。

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前菜から。ビーフのグラヴラックス(左)、フォアグラ photos : The Social Food

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メインは肉、魚、野菜料理から選べる。photos : The Social Food

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おいしそう!! ホテルのオーナーのソラネ家に伝わるデザート、ガトー・ドゥ・クレープ。食後だけでなく、ティータイムのおともにも。photo : The Social Food

Hôtel Rochechouart
55, boulevard de Rochechouart
75009 Paris
www.hotelrochechouart.com
大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。
Instagram : @mariko_paris_madamefigarojapon

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