

優美な味わいによって“シャンパーニュの芸術品”と
謳われる老舗メゾン、ペリエ ジュエ。
今年10月、俳優の新木優子がアンバサダーに就任した。
自然を愛する新木の心と、ブランドが大切にする
「自然との共生」とが呼応し、新たな魅力を見せている。
アーティストのフォルマファンタズマと奏でる
美しいコラボレーションとともに、
ペリエ ジュエの世界観に迫る。

優美な味わいによって“シャンパーニュの芸術品”と
謳われる老舗メゾン、ペリエ ジュエ。
今年10月、
俳優の新木優子がアンバサダーに就任した。
自然を愛する新木の心と、ブランドが大切にする
「自然との共生」とが呼応し、
新たな魅力を見せている。
アーティストのフォルマファンタズマと奏でる
美しいコラボレーションとともに、
ペリエ ジュエの世界観に迫る。



ペリエ ジュエの歴史は、1811年の創業以来、常に花や植物、芸術とともにあった。創設者のピエール・ニコラ・ペリエとローズ・アデル・ジュエの夫妻が自然と芸術をこよなく愛したことから、その精神はメゾンの礎となっている。その象徴ともいえるのがアール・ヌーヴォーの巨匠で、ガラス工芸家のエミール・ガレによるジャパニーズ・アネモネ(秋明菊)がボトルに描かれた、メゾンのトップキュヴェ「ペリエ ジュエ ベル エポック」だ。
2024年10月、このエレガントさに満ちたブランドの魅力をより多くの人々にアナウンスすべく、俳優の新木優子がアンバサダーに就任した。聞けば、大のシャンパーニュファンだという。「このような大役をいただき光栄です。ペリエ ジュエ ベル エポック 2015は華やかな香りが広がって、しなやかな口あたり。とてもおいしいですね」と微笑む。最高醸造責任者のセヴリーヌ・フレルソンが提案する、白い花びらとのペアリングも体験した。「エディブルフラワーのちょっとした苦味と柔らかな食感で、シャンパーニュに秘められていた花のアロマが際立つよう」と新木。さらに深いペリエ ジュエの魅力を実感したようだ。



フォルマファンタズマのアンドレア・トレマルキ(左)とシモーネ・ファレジン(右)。「これは人間とほかの生き物を巻き込んだ、別の形のカルチャー。物体としての彫刻ではなく、世界を形作るという意味の非物質的な彫刻と言えるかもしれません」

285平方メートルのバイオダイバーシティ・アイランド(生物多様性の島)には、33種の植物が植えられた。74本のセラミック製の柱のうち、32本にはさまざまな形の穴が空いていて虫たちの住処となる。

一方、収穫を翌日に控えてたくさんのブドウが実るシャンパーニュ地方・アンボネイ村のワイン畑では、アートプロジェクト「COHABITARE(コアビターレ)」が発表された。ミラノを拠点に活動するデザインデュオ、フォルマファンタズマがキュレートするペリエ ジュエのアートコミッションだ。毎年アーティストを招聘した協働制作を行い、アートへの取り組みを続けている。
ほかのメゾンに先駆けてサステナブルを意識し、10年前からは再生ブドウ栽培への転換を進めてきたペリエ ジュエが今回のコラボレーションに選んだフォルマファンタズマは、エコロジーを強く意識した活動で知られる。彼らの考案によるコアビターレは、アンボネイ村のブドウ栽培エリアの一画にバイオダイバーシティのための区画を作り、生物や植物が多様性を取り戻していく変化を観察していくという長期プロジェクトだ。この日は、その第一ステップであるバイオダイバーシティ・アイランド(生物多様性の島)の完成がお披露目された。
アイランドには、醸造責任者のセヴリーヌ・フレルソンが植物学者とともに選んだ33種の植物が植えられ、すくすくと成長している。土地を囲む74本の柱のうちの半数ほどは中空で、昆虫の棲家となる。すでに30種もの昆虫が住みつき、複数の分野の専門家によってモニタリングも進行中。隣接する納屋と塔は鳥やコウモリなどの小動物の隠れ家となり、同時に学生や研究者、レジデンスアーティストを迎える場所として整備される予定だ。



エペルネの本社で行われたバンケット会場の様子。
ワイン畑に出現した施設のほかにも、コアビターレは複数の側面を持つ。そのひとつが、フォルマファンタズマのキュレーションによるワイナリーの情景を食卓に届けるイベント「バンケット・オブ・ネイチャー」だ。バイオダイバーシティ・アイランドのお披露目に続いて、シャンパーニュ地方・エペルネの本社で行われたバンケットでは、ペリエ ジュエのグローバルインフルエンサーである三ツ星シェフのピエール・ガニェールと、若手の注目シェフ、マノン・フルーリーが腕をふるい、4種のペリエ ジュエのシャンパーニュとのペアリングが提案された。

バンケットのセカンドコースは、マノン・フルーリーの料理。バイオダイバーシティ・アイランドの柱を製作した時の廃材から生まれた特製のうつわで。エビとプラム、シソのジュレに、「ペリエ ジュエ ベル エポック ブラン・ド・ブラン 2004」を合わせて。

受粉の媒介者でありブドウ畑の生態系に欠かせない昆虫のひとつであるハチ。そのハチを模したステンシルを使って、ゲストはシェフが用意した料理に植物の花粉のように見立てたパウダーを振りかけるという遊び心も。
ランチの席では、コアビターレの最初のレジデンスアーティストであるダヴィッド・モナッキのサウンドスケープ(音の景色)が披露された。再生ブドウ栽培の畑で昼夜を通して録音した自然の音が、ゲストをワイン畑の一日に没入させる。
ブドウ畑の生命の音が変化していくさまをサウンドスケープの形にする3年計画のプロジェクトは、フォルマファンタズマが作った特製ケースに収められ、世界各地のバンケット・オブ・ネイチャーの席で披露される。3年の間にブドウ畑が再生していく様子を、虫や鳥の声が描き出してくれるはずだ。




ペリエ ジュエのカルチャー&クリエイティブディレクター、カロリーヌ・ビアンコが、フォルマファンタズマとともにアートトークを進行。

リストランテASOに設えられた空間は、屋内にもかかわらずまるで自然の中にいるような神秘的な演出となった。



10月のある夜、代官山・リストランテASOにて行われたイブニングイベントでは、最高醸造責任者のセヴリーヌ・フレルソンとフォルマファンタズマの「アートトーク」が行われた。元々、フォルマファンタズマとのコラボレーションの根幹には、メゾンが10年前から始めた環境再生型の畑作りがあった。「ブドウだけでなく、ほかの野生生物とも共生できる環境を作りたかった。そしてこれをアートで表現したらどうなるか、トライしてみたいと思いました」とフレルソン。フォルマファンタズマのシモーネ・ファレジンは、「私たちにとってもおもしろいプロジェクトでした。“自然へのデザインの介入の仕方”を考えられる機会だと思いました」と語る。
アートトークの後のディナーでは、本国と同様、フォルマファンタズマのキュレーションによる「バンケット・オブ・ネイチャー」が開催された。ペリエ ジュエの自然への思いを反映させたメニューは「リストランテASO」料理長の沖太一シェフによって見事に命が吹き込まれ、美しい料理の数々とペリエ ジュエ ベル エポックのフルラインナップとの素晴らしいコースが用意された。今年の春にリリースされたベル エポック 2015に合わせたのは「甘鯛の香草蒸し ~草地の風~」で、コーヒーサイフォンを使ってハーブの香りとエキスを溶け込ませたスープをかけて供された。複雑で豊かな香りのスープは、「ペリエ ジュエ ベル エポック 2015」のハーブの香りや果実の旨味と相まって、まさしく“美食の迷宮”へと誘ってくれた。自然、アート、そして料理。「ペリエ ジュエ」の魅力が大きく花開いた夜となった。

イベントではバックヴィンテージから「ペリエ ジュエ ベル エポック ロゼ 2013」も提供。瓶内で熟成を経て、さらなる華やかさとふくよかな味わいをもつ。沖太一シェフが合わせたのは、エディブルフラワーにキャビア、金箔を添えた美しく華やかな前菜。


柱を製作した時の廃材から生まれたフォルマファンタズマによる特製のうつわが会場に。コーヒーサイフォンを使ってハーブの香りとエキスを溶け込ませたスープを甘鯛にかけて食べる、パフォーマンスも愉しくおいしいひと皿。


ペリエ ジュエのオリジナルグラスとともに、畑の生き物と草花が手描きされたフォルマファンタズマ特製グラス(右)が登場。来場者はそれぞれに異なるグラスで「ペリエ ジュエ ベル エポック ロゼ 2013」を味わった。

フォルマファンタズマとともに来日したサウンドボックスが開くと、ワイン畑に住む虫や鳥の声が会場に響きわたる。目を閉じると、そこはまるで風そよぐシャンパーニュのよう。






ペリエ ジュエ ベル エポック 2016
グラス2脚セット エコロジカル ボックス by フォルマファンタズマ 750ml
¥45,265/ペルノ・リカール・ジャパン
この秋、待望の2016年ヴィンテージが特別限定エディションとして登場。リンデンやアカシア、バラなどのフローラルな香りとレモンやオレンジなど柑橘の香り。爽やかな酸とリッチな果実味。テクスチャーは滑らかで繊細。2016年は4月に霜が振り、その後も雨が続いた“困難な年”だったが、夏には乾燥と太陽に恵まれ、高品質のブドウが収穫できたという。
12月よりAmazon 公式ストアにて発売開始予定。